前編に引き続き、リクルートスタッフィングが展開している無期雇用派遣「キャリアウィンク」について、平田朗子部長に「ethica(エシカ)」編集長の大谷がお話を伺いました。
誰でも輝ける場所がある
大谷: 「平田さんは、これまでどのようなお仕事に取り組んで、現在のキャリアウィンクに行きついたのですか?」
平田: 「私は新卒でリクルートに入社して、最初に情報システムの部署に配属されました。ところが、そこでの仕事は本当に自分には向いていなくて (笑)。3年目に他の仕事にチャレンジしたい一心で配置転換を申し出て営業に移りました。誰もが反対しましたし、自分でも営業なんてできないと思っていたのですが、やってみると、仕事は忙しかったですが、とても楽しかったのです。その時の経験が強烈で、人には向き・不向きがあるということを身をもって体験しましたね」
大谷: 「つまり、平田さんご自身は転職されたことはないけれども、大きなキャリアチェンジの経験を若い頃にされたということですね?」
平田: 「そうですね。その経験が今の仕事に結びついていることは間違いないですね。私がそうだったように、自分の得手・不得手を見極めるということはとても大事で、誰でも輝ける場所があるというのが、私の信条になっています」
自分らしい働き方を実現させるためには?
大谷: 「これからキャリアを積み上げたい方々が、自分に合った働き方を実現させるためにはどうしたらいいでしょうか?いくつかポイントを挙げていただけますか?」
平田: 「①自分を知る。②働くマーケットを知る。③客観的アドバイスを求める。④まず一歩を踏み出す。⑤目の前のことに全力で取り組む、この5つですね。キャリアウィンクでは就業開始後半年以内の人に対して自分を知る研修、1年の人に対してマーケットを知る研修を実施しています。まず、自分を知らないと、自分にあった仕事も探すことができないですよね。また、働くマーケットを知るということはあまり言われていないことも多いのですが、どんなに必死に探していても、世の中でポジションが少ない仕事だと仕事探しに苦労する人も多いと思います。でも、マーケットのことを事前に知っていれば、そうした不安を軽減することが出来ると思うのです」
大谷: 「確かに。客観的アドバイスを求めるというのは、どういうことですか?」
平田: 「自分やマーケットのことを知っても、そこに客観性がないと何にもならないです。ですから、プロからアドバイスを受けることが大事です。そして、ここまで来ても、ただ立ち止まっていては何も変わりません。まず一歩を踏み出すことが必要になります。もしかしたら、遠回りになることもあるかもしれませんが、それでもまず動き出すということをお勧めしたいです。せっかくここまで来ても、何もしないで考えているだけという人も多いですから」
大谷: 「なるほど。では、最後に挙げていただいた、目の前のことに全力で取り組むということは?」
平田: 「一歩踏み出すことは踏み出すのですが、いろいろな理由をつけて途中で止めてしまう人も多いと思います。 私はその仕事が自分に合っているのかそうでないのかは、すぐには分からないので、ともかく1年間は不平や不満をいわず死に物狂いでやってみてほしいと思っています。目の前のことに全力で取り組んでいると、頑張っているところを見ていた誰かが、声をかけてくれたり、違うポジションを用意してくれたりして、次の道が開けることもあります」
派遣という働き方を通じて社会をよくし、日本を元気にしたい
大谷: 「最後に、キャリアウィンクを通じて、社会に訴えたいこと、社会を変えたいということはありますか?」
平田: 「2つあって、1つは私たちが派遣業界で磨いてきたノウハウを生かして、社会をよくしていきたいですね。派遣業界に対しては、さまざまな意見もありますが、私は、新たな雇用を創出するという意味で社会的意義のある事業だと思っています。自分で就職活動をしていると、事務職の経験がないことが理由で、面接まで進めず書類で落とされてしまう人も多いですが、キャリアウィンクでは研修を受けることで未経験でも、事務職の仕事に就くことが出来ます。また、どのような仕事が自分に合っているかが分からず悩んでいる人も多いですが、キャリアウィンクでは我々がその人にはどんなお仕事が向いているのかを考えて、どの派遣先に派遣するかを決めるので安心して働くことができます」
大谷: 「キャリアウィンクの受け入れ先にもこだわっておられるのでしょうか?」
平田: 「私たちがこだわっているのは、その会社での就業がその人にとっていいキャリアになるかどうかです。キャリアウィンクでは、同じ期間働くのであれば、次の就業先でより活躍できるような働き方を提供したいと考えています」
大谷: 「そうでしたか。それではもう一つは?」
平田: 「もう1つはちょっと大げさかもしれませんが、日本を元気にしたいと思っています。少子高齢化が進んで労働人口が減ると言われている中、日本の将来に対する不安の声も聞こえてきます。けれど、若くて就業経験が少ない方、年配の方、子育てや介護などで時間に制約のある方、障がいのある方、みんなが政府の掲げる『⼀億総活躍社会』のように自分に合った多様な働き方で100%の力を発揮したら、日本が元気になると考えています。キャリアウィンクも、そのお手伝いができたら嬉しいですね」
大谷: 「いろいろと貴重なお話をしていただき、どうもありがとうございました」
平田: 「こちらこそありがとうございました」
聞き手:ethica編集長 大谷賢太郎
リクルートスタッフィング・平田朗子さんが提案する、自分らしい働き方を実現させるための5つのポイント
①自分を知る
②働くマーケットを知る
③客観的アドバイスを求める
④まず一歩を踏み出す
⑤目の前のことに全力で取り組む
ーーBackstage from “ethica”ーー
平田部長が上げられた「5つのポイント」は、社会で活躍する為のエッセンスが詰まったノウハウであり、起業や新規事業の取り組み方との共通点も多く、私自身も勉強になりました。
私の周りでも、派遣社員から正社員となったケースや、実務経験を積んだ後に、転職を機会に正社員となり、キャリアアップをしている方がいます。
事例としては、
・本人が仕事に対して真摯に取り組み、それを誰かが、ちゃんと見ていてくれていた。
・本人が努力し続けていた結果、他社でも欲しがるスキルを身につけてキャリアアップした。
などのケースが多く。
やはりご本人の努力や実力次第、というのを強く感じます。
今回の平田部長との対談(後編)では、
「日本を元気にしたい。少子高齢化が進んで労働人口が減ると言われている中、若くて就業経験が少ない方、年配の方、子育てや介護などで時間に制約のある方、障がいのある方、みんなが政府の掲げる『⼀億総活躍社会』のように自分に合った多様な働き方で100%の力を発揮したら、日本が元気になると考えています。」
というお話が、とても印象に残りました。
多くの企業や個人が、それぞれの強みを活かし「お仕事を通して社会をよくし、日本を元気にする」取り組みが増えるといいですね。
提供:株式会社リクルートスタッフィング
私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)〜
http://www.ethica.jp