(第42話)「年末年始で疲れがちな胃腸を整えて1年のはじまりをスッキリと。“ゆるファスティング”のすすめ(後編)」キコの「暮らしの塩梅」
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(第42話)「年末年始で疲れがちな胃腸を整えて1年のはじまりをスッキリと。“ゆるファスティング”のすすめ(後編)」キコの「暮らしの塩梅」

「私によくて、世界にイイ。」が実現できる、エシカルな暮らしのカタチってなんだろう。仕事に家事に育児に……。日々生活を回すだけでも大変な私たちにとって、新しく行動を起こすのはエネルギーも時間も使うし、ハードルが高く感じてしまうもの。

でも日々の暮らしのなかで、少しでも”良い”につながることができたら?

当たり前の毎日のなかで、大切な家族も、世界も、そして私自身もほんのちょっぴり幸せになるような選択をしていけたらいいなと思うのです。

第41話では、生活が乱れがちな年末年始の体調を整えてくれる“ゆるファスティング”について、基本的な知識と効果をお伝えしました。今回の記事では、その実践編として、具体的なやり方と適したタイミングについてお話ししたいと思います。

デトックス作用が強く心身の調子を整えるのに効果的なファスティング。

免疫力&代謝アップによって、美容効果やダイエット効果が期待できる、ゆるファスティングは、ごちそうが続いて不摂生しがちな年末年始の後こそ、取り入れるのにベストなタイミングです。

 

年が明けた1月7日の七草がゆの日(「人日の節句」とも言います)は、まさに、年末年始で疲れた胃をいたわり、新たな1年を無病息災で過ごせることを願って、消化によいおかゆを食べる日。

 

今回ご紹介している“ゆるファスティング”も、酵素ジュースなど特別なアイテムを必要とせず、家族との生活や友人や職場でのお付き合いがあっても比較的日常生活に取り入れやすいスタイルです。

 

疲れた胃腸を休める、お正月太り解消、美容、不調の改善など、いろいろな効果が期待できる、ゆるファスティングを、この機会に行ってみるのはいかがでしょうか。

ゆるファスティングの方法

ゆるファスティングは、1日の1食を消化のいいものに置き換えたり、1、2食を控えたりする方法です。私が実践している方法をご紹介しますね。

 

・1食置き換え

朝、昼、夜のいずれかの1食を、胃腸にやさしいものに置き換える方法です。

食べ物自体は口にするので体にとって急な変化がなく、食事を摂らないことによる生活リズムの乱れもないため、負担なく行うことができます。

 

おすすめは朝か夜。

 

現代の栄養学では、食事の原則が「1日3食しっかり食べること」と思われがちですが、実は、朝は内臓をしっかりと休ませてあげた方が体への負担は軽減します。

夜も同様に、寝ている間に食べ物の消化吸収に使うエネルギーを体全体の回復に当てられるので、デトックス効果が高く、免疫力の向上も期待できます。

 

昼は消化力が増すため空腹を感じやすいですが、夜はお腹が空く前に眠ってしまえば、睡眠時間もたっぷりとれて一石二鳥。

 

いずれも一日を通して、お水やお白湯を飲んで体を潤すことは忘れずに。

酵素がたっぷりな生の果物は胃腸に負担が少ないので、旬のりんごやみかんはぜひ取り入れてみて。

ただし、冬は生のものだけだと体が冷えやすくなるので、温まる効果のある汁物や生姜の入った飲み物なども摂るとよりよいです。

 

おすすめの置き換えメニューは、「甘酒生姜葛湯」「玄米ポタージュ」「野菜たっぷりお味噌汁orスープ」。記事の最後に簡単なレシピをご紹介しますね。

 

よりデトックス効果を高めたいなら、解毒作用の高い「梅しょう番茶」を寝る前などに飲むと体がじんわり温まり、空腹感もそこまで感じずに過ごすことができます。

 

朝は消化に負担をかけない方がよい一方で、脳はブドウ糖を必要とするタイミング。

朝から頭や体をしっかり使って仕事をするという方は、消化作用が上がってくる起床1時間後くらいに、おじやのような、消化のいい炭水化物のものを中心に軽く口にしてもよいです。

 

ちなみに、家族と違うものを作ったり、あるいは食べたりするのが難しいという方は、いつものご飯を腹5〜6分目くらいを意識して食べるのもおすすめです。

・1日ゆるファスティング

1日を通して、食事を置き換える方法。

先ほどの1食置き換えと同様、食べる回数や時間はいつもどおりのまま、食べ物の質を消化のよいものにして、食べる量を腹5〜6分目くらいに意識することがポイントです。

夜はできれば18時までには済ますようにして、当日のみでなくその前後の日も穀物・野菜中心の「まごわやさしい」ごはんを、腹8分目に摂るようにします。

 

<ある日の1日ゆるファスティング>

朝:甘酒生姜葛湯

昼:具沢山野菜スープ

夜:玄米餅入りニラ雑炊、梅しょう番茶

 

朝:りんご、お味噌汁(汁のみ)

昼:玄米ポタージュ

夜:具沢山野菜スープ、梅しょう番茶

 

朝は果物か水分のみ、昼と夜はスープや消化のいい雑炊やおじやなどを食べています。

汁物は家族に作る分と一緒にしています。お鍋いっぱいに作って、味を変えながら食べていくとお手軽です。

 

体が冷えがちな人は、玄米餅がオススメ。

普通の白いお餅は血糖値が急上昇し食欲が増加してしまうのですが、GI値が低く栄養価も高い玄米餅は食べ応えがあり腹持ちもよいので、ゆるファスティング中には特におすすめの炭水化物です。

ゆるファスティングをする時の注意点

ファスティング中やファスティング前後は、いつもより食べるものに気をつけましょう。

置き換えのゆるファスティングは本格的なファスティングより負担は少ないものの、前後の日も含めて体にやさしいものを意識した方が効果的です。

 

ファスティング後は胃腸に負担がかかりやすくなっているだけでなく、吸収力も高まっているので、添加物がたくさん入っているものやハイカロリーな食事は避け、体にやさしい食事を意識して取ることが望ましいです。

 

また、胃に強い刺激を与える香辛料、お酢、塩分が強いもの、カフェインやアルコールもその期間はできるだけ避けましょう。

 

1日に2食以上ファスティングを行う場合は、ゆるやかとはいえ、普段不摂生している体への負担もあるので、激しい運動などは避けて体調の変化に気をつけるようにしてください。

何より、しんどさを感じるなら無理せず。好転反応の場合もありますが、素人判断は危険なため、不安がある場合は専門家に相談することをおすすめします。

 

特に、お薬を飲んでいる方、持病のある方、妊娠・授乳中の方は、ゆるファスティングを控えるか、あるいはお医者さんに相談しましょう。

目的別・ゆるファスティングに適したタイミング

年末年始のように、食べ過ぎや飲み過ぎが続きがちになるときはもちろん、現代の食生活は基本的に胃腸に負担がかかりやすいものが多いので、不調を感じるときに限らず定期的に行うのが一番です。

 

そうは言っても、なかなか決まったタイミングで実践するのは難しいということもあるでしょう。そのような方は、胃の疲れを感じるときや、なんとなく頭痛、便秘、むくみ、倦怠感など不調を感じるとき、風邪の引きはじめや寝不足が続くときなども、ファスティングを取り入れるのに適しています。

 

美肌効果を期待するなら、夜ふかしを控えて、睡眠時間もいつもより多めに取るのが効果的。翌朝の肌のハリとツヤが違います。

 

ダイエット効果を高めたいなら、女性の方は生理後1週間がもっともオススメ。

生理後の女性の体は、脂肪燃焼効果も高いエストロゲンという女性ホルモンが多く分泌され、激しい運動をしても体に負担がかかりにくく新陳代謝もよくやせやすい状態です。

 

逆に控えた方がいいタイミングは、生理前、生理中です。

 

生理1週間前の体は、もっともむくみやすく、脂肪も溜め込みやすい状態です。黄体ホルモンであるプロゲステロン(体内に栄養や水分を蓄えて赤ちゃんを迎える準備をするホルモン)の分泌量が増える影響で食欲が増すため、その時期のファスティングは、いつも以上に食欲と戦わないといけないことに……。

 

生理中は、ダイエットをしてもそれほど代謝が上がらない時期ということに加え、ホルモンバランスも崩れやすい時期なので、効果が伴わないだけでなく、イライラやストレスの原因にもつながります。

 

ファスティングは「万病に効く薬は断食だけ」と言われるほどデトックス効果が高く、免疫力や代謝をアップしてくれます。行いやすいタイミングを見つつ、日常的に取り入れて毒素を溜めない体作りをできたらいいですね。

ゆるファスティングで心新たな1年を

いかがでしょうか?

最初は空腹との戦いで辛さもありますが、慣れてくるとその感覚が体の悪いものが全部出て行くような心地よさに変わっていきます。

 

ファスティングは胃腸を整えたり不調を改善するだけでなく、体の状態や生活に目を向け見直すきっかけにもなります。

 

新たな年が始まった今こそ、ゆるファスティングで心身の調子を整えて、自分の体を大切にする1年にしませんか?

 

置き換えおすすめレシピ

最後にレシピをご紹介します。

<甘酒生姜葛湯> 1人分

・葛粉・・・大1

・生姜・・・すりおろし小さじ1/2 または乾燥パウダー少々

・水・・・150cc

・甘酒・・・50g

 

1、お鍋に甘酒以外の材料を入れてゴムベラなどでよく混ぜてから中火にかける

2、混ぜ続けながら周りがふつふつしてきたら弱火にして、さらに1分ほど混ぜ続ける

3、甘酒を加えて混ぜたら出来上がり

 

<玄米ポタージュ>

・玄米・・・大さじ3

・たまねぎ・・・1個

・人参・・・1本

・かぼちゃ、じゃがいも、さつまいもなど好みの野菜

例:じゃがいもなら1個程度

キャベツなら2〜4枚分くらい

・水・・・600ml

・塩・・・小さじ1/2

・味噌・・・小さじ1

 

1、野菜はすべて洗い、いちょう切り(厚さ5mmくらい)にする

2、鍋に味噌以外の材料を入れ、中火にかける

3、柔らかくなったら火を止めて味噌を入れ、ミキサーにかける

4、ゆっくりあたためて完成

 

<具沢山スープ>

・大根、人参、玉ねぎ、ごぼう、さつまいも、かぼちゃ、ピーマン、キャベツ、白菜、小松菜、きのこ類などなど好みの野菜を適量

・水・・・ひたひたになるくらい

・塩・・・小さじ1程度(お好みで)

・昆布・・・10cm角をひとつ

 

1、野菜は洗って食べやすい大きさに切って鍋に入れ、水もひたひたになるくらいに入れる

2、鍋に昆布、塩も入れ火にかける。沸騰したら弱火にして、柔らかくなるまでじっくり煮込む

3、完成。薄味のまま食べてもよいし、醤油、味噌、カレー粉などを入れて、その都度味付けを変えても食べやすく美味しい

 

どのレシピも消化がよく、体調が悪いときや、子どもが不調のときのお手当食としてもおすすめです。

【連載】キコの「暮らしの塩梅」を読む>>>

季子(キコ)

一児の母親。高校生のころ「食べたもので体はできている」という言葉と出会い食生活を見直したことで、長い付き合いだったアトピーが大きく改善。その体験をきっかけに食を取り巻く問題へと関心が広がり、大学では環境社会学を専攻する。

産後一年間の育休を経て職場復帰。あわただしい日々のなかでも気軽に取り入れられる、私にとっても家族にとっても、地球にとっても無理のない「いい塩梅」な生き方を模索中。

私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp

季子(キコ)

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