みなさん、手書きの手紙を書いていますか? 疲れて帰ってきたときに、ポストに手書きのお手紙が入っていたら、ちょっと元気になりませんか? そんな手書きの温かさを多くの人に広げる活動を行うThe World Needs More Love Lettersという団体の取り組みを紹介します。
きっかけはお母さんからの手紙と自分で発送した400通のラブレター
このThe World Needs More Love Lettersという団体は、世界中にラブレターを書いて送るボランティア集団。49カ国に住む、20,000人以上の熱心な人々が参加しています。
創設者のハナ・ブランチャーさんは、学生時代に毎週実家のお母さんから送られてくる手書きの手紙を楽しみに待っていたそうです。卒業後、ニューヨークに移り、孤独を感じたハナさんは、思いつくままにお母さんが書いてくれたような手紙を見知らぬ人に宛てて書き、カフェや図書館などあちこちに置いていきました。それが彼女にとってある種の癒しになったのでしょう。彼女は、ブログに突拍子もない約束を書き込みます。「私からのラブレターを書いてほしい人は、住所を教えて」と。
驚くことにその約束には、いじめを受けている女の子、シングルマザーなどから一夜にしてたくさんのメールが届きました。ハナさんはその人たちに向けてラブレターを書いているうちに、ラブレターを必要としている人が非常に多いことに気づきます。手紙を受け取りに、郵便受けを見に行くという小さな行動が、人生の助けとなる人が多いことに気づいたのです。
手紙を書いて送り、もらった手紙を読むことはアートである
メールやSNSの登場の結果、多くの人が手紙を書かなくなっています。しかし効率を重視してメールを送ったり、自分の気持ちを140文字でさらっと表現したり、多くの人と一気にコミュニケーションがとれたりすることは、手紙の価値を消すものではありません。
手書きの手紙では、文字から滲みだす愛情を感じることができます。手にとって感じ、場合によっては枕の下に入れることも、たまった手紙を箱に入れて大切に保管することもできます。署名を書いたり、投函したり、手紙の到着を待ったり、といった手紙にまつわることすべてがアートなのだとハナさんは主張しています。
手紙を書いてみませんか?
現在、The World Needs More Love Lettersでは、ボランティアの書き手が見知らぬ人への励ましや愛のメモを残したり、そのメモを必要な人に送ったりする活動を行っています。また、手紙を受け取ることが必要な人に宛てて複数のメンバーが手紙を書き、その手紙の束を渡すという活動も行っています。手紙を受け取った一人の少女は言います。「手紙によって、世界には愛と情熱と同情心に溢れた人がいるんだってことを思い出したわ」
ハナさんは、ラブレターを書く意味が手紙を受け取る人だけにあるのではなく手紙を書く方の人にもあると主張しています。相手のためにちょっと時間をとって、効率なんか考えずにゆっくり手紙をしたためる。皆さんも、今度の休みには手紙を書いてみませんか?
参考:The World Needs More Love Letters(http://www.moreloveletters.com)
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