今モデルさんや女優さんとしてテレビや雑誌で大活躍している太田莉菜さん。仕事はもちろん、毎日の生活やファッションにもこだわりを持って生き生きと活動されている素敵な女性です。今回はそんな太田さんにお話を伺いました。
ファッションは身近にある芸術品
もともとモデルさんとしてデビューされただけに、太田さんは洋服が大好き。ファッションにももちろん関心があります。ただ、着るものは単に自分の外面を飾るだけのものではないと太田さんは言います。
「ファッションは自分自身に対して挑戦を持ちかけてくるものであり、もっとも身近にある芸術品だと考えています。その意味で、自分が見て美しいと思うもの、自分を美しくしてくれるもの、そして、これを着たいなと思う自分に近づくためのものが洋服であって、世の中のブームには左右されないというか、そもそもあまり信じていないんです。
人は生きていく上で、どんなことでも自分自身の内面から出てくるものに影響されると思いますが、その中でもっとも身近なものが洋服なのではないでしょうか?
ですから、洋服は大好きですが、だからといって何でもかんでもたくさん買うわけではなく、いいものを長く大事に着ていきたいとつねに思っています」
作った人の熱意が伝わるものはエネルギーになる
最近、太田さんは車、それも73年式の旧車を買いました。車の運転がすごく好きで、以前からいつか旧車に乗りたいと思っていたそうです。
「念願かなってようやく旧車を買いました。もう私の相棒というか恋人というか(笑)、そのくらい愛していますね。
40年も前の古い車です。でも、人の手で丁寧に作られているので、こちらがきちんと愛情をかけてあげれば、いつまでもいい状態で乗っていられます。洋服と同じで、どんなものでもそれを作った人の熱意が伝わってくるものは自分自身のエネルギーになると信じています。今いちばん大事にしているのがこの車です。
私自身生まれて初めての大きな買い物であり、仕事を頑張るモチベーションにもなりましたね」
生活ペースを正しくしたいなら早寝早起き
芸能界でのお仕事をしているというと、どうしても不規則な生活を送っているのではないかと思われがちですが、太田さんはつねに睡眠や食事など健康に気をつけていらっしゃるそうです。
「睡眠を大事にしているというより、ただ単純に寝るのが好きなだけなんですけどね(笑)。
以前は夜型で、特に用事もないのに朝まで起きていることが多かったのですが、このままではダメだと思い、まずは生活リズムを改善しようと、早寝早起きを心がけるようにしました。自分の生活ペースを正しくしたいのなら、早寝早起きをして正しい睡眠をすることがいちばん大事だと思います。眠りが深くなるし、何よりも朝が気持ちいい。
朝早く起きて、ちゃんとご飯を食べてというようにそこから生活を直していったら、気持ちもすごく楽になりましたね。
食べることに関しては、最近、和食に凝っていて、出汁をちゃんと取ることを意識しています。和食って、なぜか私の体にいちばん合うんです。
食事は毎日のことで、いつも必ずできるわけではありませんが、自分がこだわれる時にはこだわりたい。そんなに凝ったものは作りませんが、体にしみてくるものを作るようにしようと思っています」
三国志オタクを熱演
太田さんは12月27日から全国で公開されている映画「海月姫」(くらげひめ)に出演しています。原作は東村アキコさんの人気漫画で、太田さんは目が隠れる長い前髪にジャージー姿という、いつものファッショナブルな太田さんとはかけ離れた姿で三国志オタク「まやや」の役を演じています。
「東村先生のファンで新刊が出るたびに読んでいましたから、もちろん『海月姫』のことも、まややのことも知っていました。でも、いざ自分が演じるとなると、はたしてあのまややを自分に演じられるのかという恐怖や不安、心配で、やるぞっていう気になるまでは時間がかかりましたね。
ただ、普通のところにいる普通の人を演じなくてはいけないのだとしたら難しかったかもしれませんが、まややは逆にセリフや動きが特殊なキャラクターだったので、インパクトのあるキャラクターという意味ではかえってやりやすかったかもしれませんね」
コンプレックスを肯定すると次が見えてくる
映画はコンプレックスを持ったオタクたちが、失敗を恐れずにチャレンジしていくという物語。太田さん演じるまややも、そんな1人でした。
「私にもコンプレックスはあります。でも、コンプレックスがあるからといって、何もしないでいたら、結局は自分自身に返ってくるだけです。
コンプレックスは否定して受け入れるのではなくて、難しいかもしれないけど、肯定した上で受け入れると、気持ちが楽になって、自分が次に何をするべきかが見えてきて、前向きなモチベーションにつながっていくと思います」
周りにいる人たちを幸せにすると自分もよくなる
最後に、太田さんにとって「私によくて世界にイイ」こととは何かを伺ってみました。
「自分がダメな時って自分のことしか考えていないし、自分がよくないと周りのことが見えてこないと思うんです。
もし、自分がよくなりたいのだったら、自分の周りにいる人たちが幸せになることをしてあげることが大事ですね。たとえばお茶を出してあげたり、お菓子をあげたり、そんな些細なことでもいいんです。自分がされたら嬉しいことをやってあげると、必ず自分に返ってきて自分もよくなると思います。少なくとも私はそう信じて実践しています」
映画『海月姫』12月27日(土)全国ロードショー
出演:能年玲奈 菅田将暉/池脇千鶴 太田莉菜 馬場園梓(アジアン) 篠原ともえ/片瀬那奈 速水もこみち 平泉成/長谷川博己
監督:川村泰祐 脚本:大野敏哉/川村泰祐 原作:東村アキコ「海月姫」(講談社『Kiss』連載)
ドレスデザイン/スタイリスト:飯嶋久美子 音楽:前山田健一
主題歌:SEKAI NO OWARI「マーメイドラプソディー」TOY’S FACTORY INC
製作:『海月姫』製作委員会 制作・配給:アスミック・エース 制作協力プロダクション:ギークサイト
(C)2014『海月姫』製作委員会(C)東村アキコ/講談社
■映画『海月姫』公式サイト
http://www.kuragehi.me
■PARCO MUSEUM 海月姫展
http://www.parco-art.com/web/museum/exhibition.php?id=717
インタビュアー 清水 一利(しみずかずとし)
55年千葉県市川市生まれ。明治大学文学部(史学地理学科日本史専攻)を卒業後、79年、株式会社電通PRセンター(現・株式会社電通パブリックリレーションズ)に入社。クライアント各社のパブリシティ業務、PRイベントの企画・運営などに携わる。86年、同社退社後、87年、編集プロダクション・フリークスを主宰。新聞、雑誌(週刊誌・月刊誌)およびPR誌・一般書籍の企画・取材・執筆活動に従事。12年「フラガール3.11~つながる絆」(講談社)、13年「SOS!500人を救え~3.11石巻市立病院の5日間」(三一書房)を刊行。
ーーBackstage from “ethica”ーー
雑誌『ニコラ』のモデルオーディションで、新垣結衣さんらとともに2001年グランプリを獲得。『MTV STUDENT VOICE AWARD 2006』でBest Teen Fashionista Awardを受賞。と、ファッションモデルとしての活躍は勿論。映画、ドラマ、CMと華々しくフィールドを広げている太田莉菜さんの独占インタビューという事で、エシカ編集部のインタビューアプローチが嵌るのか?いささか不安もあったのですが、太田さんならではのアーティスティックな哲学をお話し頂け、今後の媒体運営における新たな発見もあり、とても充実した取材となりました。
また、過去にエシカでも取材をさせて頂いたフェリシモのファッションカタログ「hacо.」の表紙を務めたり、リサイクルショップ「パスザバトン」の東日本大震災復興支援活動にも協力しており、共通の話題もありました。
私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp