泣けるレシピ本! 世界の家庭料理が満載の『海を渡った故郷の味』
このエントリーをはてなブックマークに追加
Instagram
4,727 view
泣けるレシピ本! 世界の家庭料理が満載の『海を渡った故郷の味』

ネパール、ウガンダ、エチオピア……。皆さん、こういった国々の家庭料理が自分にも簡単に作れるとしたら、毎日の食卓のレパートリーに加えたくありませんか? これらの国々を含むアジア、中東、アフリカの15の国の地域の家庭料理のレシピが45も掲載された書籍『海を渡った故郷の味 Flavours Without Borders』が出版されました。

でもこの本の見所はおいしい料理のレシピがたくさん載っていることだけではありません。この本には、現地を旅した気分になれるようなコラムがあったり、涙なしには読めない理由があったりするのです。

離ればなれになった家族の写真を見て思いをはせる難民(写真提供:難民支援協会)

この本が生まれた背景

この本は日本にいる難民に家庭で作っている料理のレシピを教えてもらい制作したもの。制作したのは、日本で難民支援を行い15年になる認定NPO法人難民支援協会です。

皆さん、難民とはどういう人のことかを明確に知っていますか? ニュースなどでよく聞く言葉ですが、難民とは、遠い外国で難民キャンプに暮らす人たちのことを指す言葉だと思っていませんか?

難民とは、自分の命を守るために、やむを得ず母国から他の国に逃げている人たちのこと。命を狙われる理由は、宗教、国籍、人種や政治的意見を持ったり特定の社会的集団のメンバーだったりするなど、さまざまです。ここ日本にも、近年では毎年2,000人以上もの人が、母国政府から命を狙われて逃れてきています。

難民は命からがら逃げてきているために、家族と別れて一人で日本にやってきている人がほとんど。しかも日本にきたのも、「最初にビザを出してくれた国だったから」という理由だけということも珍しくなく、準備の時間もない状態で来ています。

しかし、家族と離れて命からがら日本に渡ってくれば安心なのかと思いきや、そうではないのが難民の現実です。日本語や日本の法律もわからず、家も仕事も、頼りになる存在もなく、母国政府による制裁におびえたまま、日本政府に難民として申請されるまで2年から5年の間、なんとか生活をして待たなければいけないのです。

そんな難民をサポートしているのが難民支援協会です。また難民支援協会は、私たち社会の一員として日本にも「難民」がいるということや、難民の置かれている状況を多くの人に知ってもらう活動も行っています。この書籍は、その活動の一環として出されたものなのです。

「日本には安全はあるけれど、安心はない」と語る難民(写真提供:難民支援協会)

涙なしでは読めない理由

家庭料理の味や匂いは、もう二度と帰れないであろう故郷の記憶を呼び起こすもの。また、故郷に残してきた家族を思い出すものでもあります。そして、難民たちが寄る辺もない外国で食べたくなるのが家庭料理ではないでしょうか。

自分の国で食べていたような見慣れた食品が日本にない場合も多く、難民たちは工夫して何とか日本にあるもので故郷の味を再現しようとしたり、食材を家族に送ってもらって故郷の味を再現したりしています。故郷とはちょっと違う味の料理や送ってもらった大切な食材を使った料理を、故郷を思いながら食べている難民たち。その姿を想像すると、涙なしでは作れません。そんな難民たちが、日本で食べているレシピがこの本には載っているのです。

トマトと相性抜群 ニラたっぷりの卵焼き

現地を旅した気分になれるコラム「From the cook」

旅行ガイドなどについているコラムを読むと、ちょっとした旅気分が味わえますよね。この『海を渡った故郷の味 Flavours Without Borders』にも、多くのレシピに「From the cook」というコラムがついています。例えばアゼリ(アゼルバイジャンやイラン北西部に暮らす民族)の「トマトと相性抜群 ニラたっぷりの卵焼き」を載せたページの「From the cook」はこんな感じ。
「ニラの栽培が盛んで頻繁に食卓に並ぶというアゼリ地域。多くのスパイスを料理に使うのが特徴です。この料理も、本場ではレイハンという紫バジルの乾燥ハーブ、グズルジュルというバラの花びらを乾燥させたものなど独自のスパイスを香り付けとして使います。」

行ったことのない国の生活の様子を知ることができ、お料理しながら現地を旅したような気分になれます。

難民支援協会 × クックパッド チャリティ企画

難民支援協会とクックパッドのチャリティ企画も

この書籍に掲載されたレシピのうち20品はクックパッドのチャリティ企画にてワンコインで購入することもできるようになりました。

なんと20品のレシピが500円で購入でき、すぐに試すことができるのです。「サケのスイートバジル和え」や「鶏とジャガイモのスパイス煮込み」などは、毎日の食卓に手軽に載せられそう。難民の生活に想いを馳せながら、いつもとちがう家庭料理を作ってみてはいかがでしょうか。

<書籍情報>

■『海を渡った故郷の味 Flavours Without Borders』 1575円(税込)
詳細情報、購入はこちらから: http://www.flavours-without-borders.jp

■難民支援協会とクックパッドのチャリティ企画はこちらから:http://cookpad.com/recipe_store/sets/111

■難民スペシャルサポーターになる-1日50円からの難民支援はこちらから:http://www.refugee.or.jp/support/kifu

取材協力、写真提供=認定NPO法人難民支援協会

FelixSayaka

このエントリーをはてなブックマークに追加
Instagram
TBS秋沢淳子さん鼎談(第5話)仕事とプライベートの両立
独自記事 【 2022/6/27 】 Work & Study
パシフィコ横浜で開催された「サステナブル・ブランド国際会議2022横浜」(SB 2022 YOKOHAMA)に基調講演の1人として参加されたTBSの元アナウンサーで現在は総務局CSR推進部で部長を務める秋沢淳子さん。 社業以外でも2000年に国際交流・教育支援・国際協力をテーマにしたNGO団体「スプートニクインターナシ...
TBS秋沢淳子さん鼎談(第6話)グローバルとインターナショナルの違い
独自記事 【 2022/7/4 】 Work & Study
パシフィコ横浜で開催された「サステナブル・ブランド国際会議2022横浜」(SB 2022 YOKOHAMA)に基調講演の1人として参加されたTBSの元アナウンサーで現在は総務局CSR推進部で部長を務める秋沢淳子さん。 社業以外でも2000年に国際交流・教育支援・国際協力をテーマにしたNGO団体「スプートニクインターナシ...
TBS秋沢淳子さん鼎談(第2話)Intercultural Programsで異文化体験留学
独自記事 【 2022/6/6 】 Work & Study
パシフィコ横浜で開催された「サステナブル・ブランド国際会議2022横浜」(SB 2022 YOKOHAMA)に基調講演の1人として参加されたTBSの元アナウンサーで現在は総務局CSR推進部で部長を務める秋沢淳子さん。 社業以外でも2000年に国際交流・教育支援・国際協力をテーマにしたNGO団体「スプートニクインターナシ...
冨永愛 ジョイセフと歩むアフリカ支援 〜ethica Woman Project〜
独自記事 【 2024/6/12 】 Love&Human
ethicaでは女性のエンパワーメントを目的とした「ethica Woman Project」を発足。 いまや「ラストフロンティア」と呼ばれ、世界中から熱い眼差しが向けられると共に経済成長を続けている「アフリカ」を第1期のテーマにおき、読者にアフリカの理解を深めると同時に、力強く生きるアフリカの女性から気づきや力を得る...
戦後の日本で衛生環境を改善したサラヤが、何故?アフリカの女性支援活動を始めたのか。安田知加さんに伺いました 〜ethica Woman Project〜
独自記事 【 2024/6/14 】 Love&Human
ethicaでは女性のエンパワーメントを目的とした「ethica Woman Project」を発足。 いまや「ラストフロンティア」と呼ばれ、世界中から熱い眼差しが向けられると共に経済成長を続けている「アフリカ」を第1期のテーマにおき、読者にアフリカの理解を深めると同時に、力強く生きるアフリカの女性から気づきや力を得る...
【ethica Traveler】 連載企画Vol.7 宇賀なつみ (終章)『Returning to TOKYO 〜サステナブルなフライト〜』
独自記事 【 2024/4/24 】 Work & Study
「私によくて、世界にイイ。」をコンセプトに2013年に創刊した『ethica(エシカ)』では、10周年を迎える節目にあたり、エシカルでサステナブルな世界観、ライフスタイルをリアルに『感動体験』する場を特集しています。 今回は、カリフォルニア州サンフランシスコ市のエシカルな取り組みを取材!エシカ編集部と共にサステナブルな...
【ethica Traveler】 連載企画Vol.6 宇賀なつみ (第5章)ゴールデン・ゲート・ブリッジ
独自記事 【 2024/3/27 】 Work & Study
「私によくて、世界にイイ。」をコンセプトに2013年に創刊した『ethica(エシカ)』では、10周年を迎える節目にあたり、エシカルでサステナブルな世界観、ライフスタイルをリアルに『感動体験』する場を特集しています。 今回は、カリフォルニア州サンフランシスコ市のエシカルな取り組みを取材!エシカ編集部と共にサステナブルな...
【ethica Traveler】 連載企画Vol.5 宇賀なつみ (第4章)サンフランシスコ近代美術館
独自記事 【 2024/3/20 】 Work & Study
「私によくて、世界にイイ。」をコンセプトに2013年に創刊した『ethica(エシカ)』では、10周年を迎える節目にあたり、エシカルでサステナブルな世界観、ライフスタイルをリアルに『感動体験』する場を特集しています。 本特集では、カリフォルニア州サンフランシスコ市のエシカルな取り組みを取材!エシカ編集部と共にサステナブ...
【ethica Traveler】連載企画Vol.4 宇賀なつみ (第3章)アリス・ウォータースの哲学
独自記事 【 2024/2/28 】 Work & Study
「私によくて、世界にイイ。」をコンセプトに2013年に創刊した『ethica(エシカ)』では、10周年を迎える節目にあたり、エシカルでサステナブルな世界観、ライフスタイルをリアルに『感動体験』する場を特集しています。  今回は、カリフォルニア州サンフランシスコ市のエシカルな取り組みを取材!エシカ編集部と共にサステナブル...
【ethica Traveler】連載企画Vol.3 宇賀なつみ (第2章)W サンフランシスコ ホテル
独自記事 【 2024/2/14 】 Work & Study
「私によくて、世界にイイ。」をコンセプトに2013年に創刊した『ethica(エシカ)』では、10周年を迎える節目にあたり、エシカルでサステナブルな世界観、ライフスタイルをリアルに『感動体験』する場を特集しています。 今回は、カリフォルニア州サンフランシスコ市のエシカルな取り組みを取材!エシカ編集部と共にサステナブルな...
【ethica Traveler】連載企画Vol.2 宇賀なつみ (第1章)サンフランシスコ国際空港
独自記事 【 2024/1/31 】 Work & Study
「私によくて、世界にイイ。」をコンセプトに2013年に創刊した『ethica(エシカ)』では、10周年を迎える節目にあたり、エシカルでサステナブルな世界観、ライフスタイルをリアルに『感動体験』する場を特集しています。 今回は、カリフォルニア州サンフランシスコ市のエシカルな取り組みを取材!エシカ編集部と共にサステナブルな...
【ethica Traveler】連載企画Vol.1 宇賀なつみ サンフランシスコ編(序章)   
独自記事 【 2024/1/24 】 Work & Study
「私によくて、世界にイイ。」をコンセプトに2013年に創刊した『ethica(エシカ)』では、10周年を迎える節目にあたり、エシカルでサステナブルな世界観、ライフスタイルをリアルに『感動体験』する場を特集しています。  今回は、カリフォルニア州サンフランシスコ市のエシカルな取り組みを取材!エシカ編集部と共にサステナブル...
【Earth Day】フランス商工会議所で開催するイベントにてethica編集部が基調講演
イベント 【 2023/4/3 】 Work & Study
来たる4月22日は「アースデイ(地球の日)」地球環境を守る意思を込めた国際的な記念日です。1970年にアメリカで誕生したこの記念日は、当時アメリカ上院議員だったD・ネルソンの「環境の日が必要だ」という発言に呼応し、ひとりの学生が『地球の日』を作ろうと呼びかけたことがきっかけでした。代表や規則のないアースデイでは、国籍や...
トランスメディア方式による新しい物語~『サステナブルな旅へようこそ!――心と身体、肌をクリーンビューティーに整える』(序章)と(第1章)の見どころを紹介!~
独自記事 【 2023/8/17 】 Health & Beauty
エシカではメディアを横断(トランス)するトランスメディア方式を採用し、読者の方とより深くつながる体験を展開しています。今回は、「サステナブルな旅へようこそ!――心と身体、肌をクリーンビューティーに整える」の序章と第1章についてのあらすじと見どころをお届け!(記者:エシカちゃん)
トランスメディア方式による新しい物語~『サステナブルな旅へようこそ!――心と身体、肌をクリーンビューティーに整える』(第2章)と(第3章)の見どころを紹介!~
独自記事 【 2023/8/24 】 Health & Beauty
エシカではメディアを横断(トランス)するトランスメディア方式を採用し、読者の方とより深くつながる体験を展開中。さまざまなメディアから少しずつ情報を得、それをパズルのように組み合わせてひとつのストーリーを見出す、新しいメディア体験です。 今回は、前回に引き続き、「サステナブルな旅へようこそ!――心と身体、肌をクリーンビュ...
テーマは、ナチュラルモダン『自立した女性』に向けたインナーウェア デザイナー石山麻子さん
独自記事 【 2022/9/19 】 Fashion
株式会社ワコールが展開する、人にも自然にもやさしいを目指すインナーウェアライン「ナチュレクチュール」。オーガニックコットン100%のラインアップが注目を集め、肌あたりやシルエットの美しさが話題になっています。その期待に応える形で、今年9月に新作グループも加わりました。やさしさを突き詰めた製品は、どのような想いや経緯から...
幸せや喜びを感じながら生きること 国木田彩良
独自記事 【 2021/11/22 】 Fashion
ファッションの世界では「サステナブル」「エシカル」が重要なキーワードとして語られるようになった。とはいえ、その前提として、身にまとうものは優しい着心地にこだわりたい。ヨーロッパと日本にルーツを持ち、モデルとして活躍する国木田彩良さんに「やさしい世界を、身に着ける。」をテーマにお話を聞いた。
[連載企画]冨永愛 自分に、誰かに、世界にーー美しく生きる。 【Prologue】
独自記事 【 2021/3/1 】 Health & Beauty
20年以上、トップモデルとして活躍。究極の美の世界で生きてきた冨永愛さん。ランウェイを歩くその一瞬のために、美を磨き続けてきた。それは、外見だけではない。生き方、生き様をも投影する内側からの輝きがなければ、人々を魅了することはできない。「美しい人」冨永愛さんが語る、「“私(美容・健康)に良くて、世界(環境・社会)にイイ...
水原希子×大谷賢太郎(エシカ編集長)対談
独自記事 【 2020/12/7 】 Fashion
ファッションモデル、女優、さらには自らが立ち上げたブランド「OK」のデザイナーとさまざまなシーンで大活躍している水原希子さん。インスタグラムで国内上位のフォロワー数を誇る、女性にとって憧れの存在であるとともに、その動向から目が離せない存在でもあります。今回はその水原さんに「ethica」編集長・大谷賢太郎がインタビュー...
[連載企画]冨永愛 自分に、誰かに、世界にーー美しく生きる。 【chapter1-1】
独自記事 【 2021/3/29 】 Health & Beauty
ファッションデザイナーが描く世界を表現するモデルは、まさに時代を映し出す美の象徴だ。冨永愛さんは移り変わりの激しいファッション界で、20年以上にわたり唯一無二の存在感を放ち続ける。年齢とともに磨きがかかる美しさの理由、それは、日々のたゆまぬ努力。  美しいひとが語る「モデル」とは?
モデルのマリエが「好きなことを仕事にする」まで 【編集長対談・前編】
独自記事 【 2018/12/24 】 Fashion
昨年6月、自身のファッションブランドを起ち上げたモデル・タレントのマリエさん。新ブランド「PASCAL MARIE DESMARAIS(パスカルマリエデマレ、以下PMD)」のプレゼンテーションでは、環境に配慮し無駄を省いた、長く愛用できるプロダクトを提案していくと語りました。そして今年9月、ファッションとデザインの合同...
国木田彩良−It can be changed. 未来は変えられる【Prologue】
独自記事 【 2020/4/6 】 Fashion
匂い立つような気品と、どこか物憂げな表情……。近年ファッション誌を中心に、さまざまなメディアで多くの人を魅了しているクールビューティー、モデルの国木田彩良(くにきだ・さいら)さん。グラビアの中では一種近寄りがたい雰囲気を醸し出す彼女ですが、実際にお会いしてお話すると、とても気さくで、胸の内に熱いパッションを秘めた方だと...
【Earth Day】今年も地球環境について考えよう!「在日米国商工会議所」と「在日フランス商工会議所」が主催するethicaコラボイベントのご案内
イベント 【 2024/4/15 】 Work & Study
地球環境について考え連帯する国際的な記念日、アースデイが今年も近づいてまいりました! 私たちethicaは、2022年、2023年とアースデイイベントに基調講演を行い、3度目となった今年もメディアパートナーを務めます。2023年のアースデイを振り返りつつ、まもなく開催のイベント『Earth Day 2024: Movi...

次の記事

直感と感動を大切に、仕事をしてきた生駒芳子さん【ethica Woman】
今から始めて夏には「友産友消」パーティ! ベランダ菜園のススメ

前の記事

スマホのホーム画面に追加すれば
いつでもethicaに簡単アクセスできます