先日、日本プレスセンタービル(東京・千代田区)にて、IKEA Foundationのコミュニケーション戦略部長のジョナサン・スパンピナート氏とUNHCR駐日代表のマイケル・リンデンバウアー氏が記者会見をし、2月から3月にかけて全世界のイケアストアで実施している「難民キャンプに明かりを届けようキャンペーン」についての理解と協力を呼びかけました。
今回は、その会見に登壇したジョナサン氏とethica編集長の大谷が対談しました。
先日、日本プレスセンタービル(東京・千代田区)にて、IKEA Foundationのコミュニケーション戦略部長のジョナサン・スパンピナート氏とUNHCR駐日代表のマイケル・リンデンバウアー氏が記者会見をし、2月から3月にかけて全世界のイケアストアで実施している「難民キャンプに明かりを届けようキャンペーン」についての理解と協力を呼びかけました。
今回は、その会見に登壇したジョナサン氏とethica編集長の大谷が対談しました。
大谷:ethica編集長の大谷と申します。
はじめに自己紹介を。ウェブマガジンのエシカという媒体でして、エシカルコンシャスなライフスタイルの日本初のウェブマガジンです。メインコンセプトは「Good for Me, Good for the world」読者は70%が女性で20代・30代が多いです。
ディスカッションしたい内容は二つです。
一つ目は、イケアさんのビジネスと今回のキャンペーンの話を前提に、日本のマーケット、「ソーシャル・グッド」なマーケット、「エシカル」なマーケットについてお話させて頂ければと思います。二つ目は、日本に限らず、特に欧米の方がCSVやエシカルといった面では先進国ですので、それについていろいろ勉強させて頂こうということです。実は今日、お招き頂いたきっかけで、初めてこのキャンペーンを知りました。ちょうど電気を今月、イケアのライトに変えたタイミングでして。
ジョナサンさん:避難民の子ども達も含めて本当に感謝したいと思います。
大谷:昔、LEDというのは本当に高かったのに、イケアさんは非常にリーズナブルでいい品質のものを作られていてビックリしました。
IKEA Foundation コミュニケーションズ戦略部長 ジョナサン・スパンピナート氏
ジョナサンさん:イケアのコンセプト、ビジョンが「より快適な毎日をより多くの方々に」というものがあるのですけれども、その「より多くの方々に」というのがキーになっておりまして、その「多くの方々」が買える価格帯であること、たくさん生産することによって価格を抑えられるようにすることが、やはり「価格」とおっしゃって頂いた部分になると思います。またIKEA Foundationのビジョンでもある「たくさんの子ども達にすばらしい未来を」ということで、子ども達の未来に対してどれだけ活動ができるか、すばらしい将来を提供できるかにコンセプトを置いておりますので、「たくさんの」というのが大きな目標でありビジョンになっています。
大谷:改めて下調べをして、イケアさんは家具のイメージが非常に強かったのですが、「サステイナブル」ということを高く掲げられている企業さんであるということ、そしてうちの媒体も「サステイナブル」ということをメインのキーワードにしておりまして、「エコ」や「ロハス」とか「エシカル」という概念が大好きな女性達が集まっている媒体なのですね。まさに最近僕がやっている取り組みとして、バッテリーをなるべく充電して再利用できるようにだとか、LEDに替えていくという取り組みを個人でしていますし、周りでもそういう人が増えているように思うんですね。まさに今回のキャンペーンのひとつのプログラムであるLEDというのが非常に消費者に分かりやすい、価格も入りやすく、メディアとして訴えかけたい、伝えたいことだと思っております。
ジョナサンさん:実際同じコンセプトということで、気持ちが伝わる部分がありまして、特にLEDに関しては対象とされている女性がLEDを買うことによって家庭での電気も下げられ、コストも抑えられますし、その分を自分の方にもお金をセーブできるということで、いろんな意味でポジティブにいろんなことができる。さらに、今回のキャンペーンで1ユーロ寄付できるということで、いろんなプラスが生まれていくので、すごくいい取り組みだと思います。
大谷:チャリティということでは、ペンのモンブランさんがユニセフさんとWネームで展開されていて、たまたま海外出張の際に買ったのですが、普通の定価で買ったのにこれはチャリティということで、少しうれしかったというエピソードがあって、とはいえ、毎回高級品を買えるわけではないので、日常生活で買えるようなリーズナブルなもの、誰もが買えるものでこういったチャリティに参加できるのは非常にいいことだと思います。
ジョナサンさん:今回のキャンペーンに関しても、できるだけお客様が参加できる参加型のキャンペーンであること、自分たちがただ小切手を書いて渡すのではなく、お客様が参加できることによって、それがイケアというグループから、難民支援という形につなげることで、単なるコーズ・マーケティング・キャンペーンではなく、意味のあるキャンペーンを行っております。
大谷:我々もウェブマガジンということで、たくさんの人に見てもらえる、たくさんの人が参加できるキャンペーンを取り上げていきたいですね。
ジョナサンさん:やはりたくさんの人々に何かできることが鍵だと思います。
大谷:ちょうど日本は経済的には踊り場に来ていて、昔ほど今の20代は消費しなくなっている。その一方で、こういったチャリティというものは取り入れたいというマインドはあがっている。そのバランスがちょうど取れるのが、身近なところから入っていく、身近な家庭の消費の中でチャリティを取り入れていくということだと思います。
ジョナサンさん:サステイナビリティというのはIKEAにとっても、微々たる少数の方々へのものではなく、たくさんの人々に提供できているという立場でおります。
経済状況が良い時はもちろん皆さん買うのですが、経済状況が悪い時にも、やはりサステイナブルな商品はイケアだからこそ低価格で提供できますし、逆に経済状況が悪い時だからこそ、もっと良い部分は出てきますので、価格をあえて上げるということはなく、常に低価格であります。その中でも「sustainable life at home」と言っているのですが、サステイナブルな暮らしを実現するために、イケアがお手伝いできることはたくさんあると思いますし、少数のお金持ちの方のために提供するのではなく、たくさんのいわゆる一般の人々に提供するというのが、いわゆるメインのトピックになると思います。
大谷:最後に、二つ目のトピックです。
CSV、いわゆるソーシャル・グッドなキャンペーンはヨーロッパの方では多いなと思っていて、日本ではまだこれからなのですが、僕が注目している他社のキャンペーンを言うと、ダノン・ウォーターさんのボルヴィックなのですが、「ボルヴィックの水を飲むとアフリカの子たちに何日か分のお水が寄付されます」というものをやっていて、この世界観がボルヴィックという水と「アフリカにお水が届けられます」という世界観と抜群にマッチしていて、日本中のベンディング・マシーンに貼ってあって、非常に分かりやすいし、注目しているキャンペーンなのですが、それに匹敵する同じような世界観を持つのが今回の話だったので、これを是非伝えたいと思ったのです。
ジョナサンさん:イケアのLEDの今回のキャンペーンはもちろん、もっとサステイナブルな生活ができますということを含めて、実際にたくさんの人たちが毎日必要な商品でなければあまり意味がなくて、たまにしか買わないもの、少数のリッチな人しか買わないものではなくて、日本全体で何かできることで、しかもLEDを買うことによってコストも下げられ、エネルギーの削減にもなりますし、身近なものでフィランソロフィー(何かに貢献できる・寄付できる)というものを、一般の方々にもできる機会を与えたいと思っています。
大谷:エシカで一番人気があったのがスターバックスさんの取り組みで、フェイスブックの「いいね!」数が4000を超えました。プレミアムなコーヒーを飲むと、フェアトレードでウガンダの労働者にお金が回る仕組みなのですが。イケアさんと一緒で、たくさんのスターバックスを応援するファンがいらっしゃって、そのファンが自分たちのいつものコーヒーを飲むことによって、少し社会にいいことができるというのが、非常にソーシャルで盛り上がったのです。
IKEA Foundation コミュニケーションズ戦略部長 ジョナサン・スパンピナート氏
ジョナサンさん:日本人はコーヒーの味を良く知っているので、おいしいコーヒーというのが何か分かっていますよね。
イケアでもコーヒーを売っているのですが、UTZの認証が入っていて、それはフェアトレードよりもう少しレベルがあがるのですが、実際スターバックスのコーヒーを飲む方には、イケアに来ても同じようなことができます。
イケアとしてもこれからどんどん年月が経つ頃には、全ての商品がサステイナブルであり、このようなキャンペーンをやらなくても、常にそういうものを提供できる企業になりたいと思っているので、これからの商品開発はすごく力を入れていきます。
大谷:少し調べただけで、サスティナブルな暮らしの提案やエネルギーと資源に対する取り組みはまさにエシカルですし、いろいろ取材したいネタがたくさんあるなと思っています。これからもサステイナブルなお付き合いをよろしくお願いします。
聞き手:ethica編集長 大谷賢太郎
ーーBackstage from “ethica”ーー
私も、この会見に参加する前に、ちょうどLEDのライトに変えたタイミングでした。企業や個人が自然環境に配慮し持続可能な社会を実現する事は勿論、多くの消費者に受け入れられている企業だからこそ出来る取り組み、日々の生活の中から始められる個人の取り組みが、より良いバランスで循環し、より良い未来につながりますように。
~私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)
http://www.ethica.jp/
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