熊本県天草市牛深。かつては豊富な漁獲量を誇り、豪華絢爛な花街が栄えた地です。しかし今では漁獲量が減り、仕事も減り、さびれた衰退都市になっている……。そんな天草を舞台に、見終わった後に「よし、私もやらなきゃ!」と元気になれる映画ができました。今回はその映画、『女たちの都〜ワッゲンオッゲン〜』を紹介します。
天草に暮らす弓枝は、ウツボ屋の女房として店と家庭を切り盛りし、夫の晃司と二人暮らし。弓枝の仲間の俊恵は漁師の徹也の元に嫁いで10年経つも子どもができず、同居する義母との関係も一触即発状態。アネさんと慕われるスナックのママゆり子にも浮いた話題はありません。
町で祭りをやってもいまいち盛り上がらないし、観光客もポツポツ。みんな町の活性化を望んではいるものの、男たちは口ばかり達者で飲んでばかり。でも弓枝だけは、どうしても本気で活性化に向けた何かをしたいと考えていました。なぜなら、大学進学のために都会に送り出した一人娘の美香に、地元に帰ってきてほしいから。とはいえ、町は閑散として就職先なんて考えられない状態。なんとかしたい……と弓枝は考え続けます。
祭りの夜、男たちが宴会で騒いでいる裏で、台所では女たちが世間話に花を咲かせます。話題はいつも「町の活性化」。近くにある築100年の元遊郭「三浦屋」が解体されるという話題から、ここ天草牛深がかつて花街だったということを弓枝は思い出します。花街があれば、人がやってきて金が回り、金が回れば町の経済がよくなって、就職先もでき、美香も帰ってこられる! そう考えた弓枝は俊恵とゆり子に「花街を復活させて町おこしをしよう」を持ちかけます。