アニメ『風の谷のナウシカ』の世界
「汚れているのは土なんです」というセリフ、マスクをせずには入っていけない腐海の姿、毒を放出する植物……。
現在、私たちは自然環境の破壊、PM2.5、原発事故、遺伝子組み換え食品、農薬の影響など、空気、土壌、水、食べ物等の環境に対して、大きな課題を抱えています。そんな私たちにとって、今、もう一度『風の谷のナウシカ』を観ると、今までとは違った部分に目が奪われるかもしれません。
『風の谷のナウシカ』は1984年のアニメ作品。原作のマンガの一部分のみがアニメ化され、アニメはマンガと多少異なる世界観を持っています。アニメ『風の谷のナウシカ』の主人公ナウシカが生きているのは、「火の七日間」という、世界全体が焼き払われる最終戦争によって都市、文明が崩壊した1000年後という時代。世界は腐海と呼ばれる、マスクをせずには入っていけない森に覆われ、その腐海が拡大しつつあるなか、人々は残されたわずかな土地で暮らしています。
物語は、王女ナウシカの国がある風の谷に、クシャナという女官率いるトルメキア王国が参戦を要求してくるところから始まります。このトルメキアの戦争に、静かに暮らしている風の谷も巻き込まれていくのです。