<ethica編集長対談> ニコライ・バーグマン『伝統花伝』シャングリ・ラ ホテル 東京
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<ethica編集長対談> ニコライ・バーグマン『伝統花伝』シャングリ・ラ ホテル 東京

デンマーク出身のフラワーアーティスト ニコライ・バーグマン氏が、シャングリ・ラ ホテル 東京にて6年ぶりとなる展覧会〜ニコライ・バーグマン『伝統花伝』日本伝統工芸と革新的なフラワーアートの融合〜を開催しました。

昨年の太宰府天満宮での個展『伝統開花』に引き続き、今回新たにニコライ氏がインスピレーションを受けた人間国宝をはじめとした作家達の伝統工芸品や美術品とのコラボレーションをテーマに新作を披露しました。

今回は、北欧のスタイルと日本の繊細な感性を融合させた独自のスタイルを確立してきたニコライ氏にethica編集長の大谷が独占インタビューしました。

大谷: 前回の奄美大島のご取材に続きまして、改めまして、宜しくお願いします。webマガジンethica編集長の大谷と申します。私共の読者の70%は、女性で、年代から言えば、20代30代が多いと思います。この度の展覧会は日本の伝統文化とオリジナリティー溢れるニコライさんのフラワーアートとの出会いに読者は関心を持っていると思います。その辺りについてお伺いしたいのですが……。

ニコライさん: 分かりました。

Photo=Kentaro Ohtani (TRANSMEDIA)

展覧会に至った経緯、太宰府天満宮との出会いについて

大谷: 太宰府天満宮に於ける展覧会が今回に繋がったと思うのですが……。

ニコライさん: 以前福岡でイベントに出演させて頂いたり、装花をする機会があって何度か訪れたのですが、福岡は花も環境も素晴らしいと思い一緒に何か出来ないかという話しに発展して行きました。ありがたいことに、色々なご縁がきっかけで太宰府天満宮という素晴らしい場所での展覧会をさせて頂くことができ非常に印象深いイベントとなりました。

Photo=Kentaro Ohtani (TRANSMEDIA)

Photo=Kentaro Ohtani (TRANSMEDIA)

博多人形から受けたインスピレーション

大谷:今回の展覧会は、人間国宝の中村信喬氏の博多人形もインスピレーションのひとつであるとの事ですが、太宰府で出会ったという流れなのでしょうか?

ニコライさん: そうです。特にこの2〜3年、東京だけではなく日本各地を訪れる機会が増えその中でも沢山の職人さんが、素晴らしい器や工芸品を作っているのに出会いました。博多人形も、その中の一つだと言えます。今回の展覧会では多くのスタッフやスクールの生徒さんたちと作品制作をしていたのですが、伝統工芸品もフラワーアートも非常に繊細で手間暇のかかる行程を経て作られています。その辺り是非、知って頂きたい所です。

Photo=Kentaro Ohtani (TRANSMEDIA)

本展覧会の見どころ

大谷: ニコライさんが厳選された器や、工芸品がフックとなり、この展覧会に至っていると、捉えて宜しいでしょうか?

ニコライさん: そうですね。細かい点まで充分な注意を払い、制作に長い年月をかけた “着物”とか“漆”などもあり、それ等も是非見て頂きたいものです。

大谷: 細やかさや繊細さ、手間暇等、日本文化はヨーロッパにアピール出来るでしょうか?

ニコライさん: 勿論です。日本に残っている繊細な伝統工芸は、今すでにヨーロッパには残っていません。日本は「良い意味」で、ヨーロッパより、50年遅れていると思います。将来どうなるかは分かりませんが、ヨーロッパの細かい伝統工芸文化は、すでに失われてきていると思います。それが日本では未だ残っています。こうした日本の技術の素晴らしさをもっと日本の人達が知って世界に広めていくのが良いと思います。そして若者達が、それ等に興味を持ってくれると嬉しいです。

「サスティナブル」という考えて方について

大谷 我々は「サスティナブル」という考え方を提唱しています。

ニコライさん 日本の伝統、文化、古き良きものを受け継いで行こうと言う人たちが増えると良いですね。花を見て、器をみて、ワクワクして、何か、やってみたいと思ってくれたら本当に嬉しいです。この展覧会を見て、その様な気分になれるお客様がいたら、これ以上の事はありません。

大谷: ありがとうございました。

ニコライさん こちらこそ、ありがとうございました。

 

聞き手:ethica編集長 大谷賢太郎

 

Photo=Kentaro Ohtani (TRANSMEDIA)

ーーBackstage from “ethica”ーー

「日本に残っている繊細な伝統工芸に、若者達が興味を持ってくれると嬉しい。」という言葉が印象的でした。

また、展示会では、ニコライさんのフラワーアートが加わることで、日本はもとより、海外にも、新たな波及効果を及ぼすポテンシャルを感じました。

■展示会レポートはこちらからhttp://www.ethica.jp/20261/

私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)〜
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