1983年、青年コミック誌『週刊ビッグコミックスピリッツ』(小学館)で連載がスタートした『美味しんぼ』(作/雁屋哲 画/花咲アキラ)。長期休載を挟むことはあったものの、現在まで30年間も続いている大作で、日本のグルメ漫画を代表する作品と言っても過言ではないでしょう。
物語の舞台は東西新聞社文化部。画家で陶芸家、そして稀代の美食家である海原雄山の息子であるグータラ社員・山岡士郎と優れた味覚を持つ新入社員・栗田ゆう子のふたりを中心に、食を題材にした様々なストーリーが展開されます。バブル景気で世の中が高揚していた時代から話題になっていたため、高級レストランや贅沢な食材などに関するうんちくが詰まっているイメージを持たれがちですが、実はそういった金満主義を否定。正しい食の有り方について発信してきた作品なのです。