「サスティナブル・カップル」は、働く女性とそのパートナーが、仕事も家庭も持続可能に両方楽しむためのコツを、様々なカップルに聞いて紹介するシリーズです。
2回目は漫画家で『今日もお天気』シリーズなど、家族をテーマにしたエッセイ漫画も人気の桜沢エリカさん。桜沢エリカさんは5歳年下で専業主夫の青木武紀さんと、お子さん二人、桜沢エリカさんのお母様とともに生活しています。一家の大黒柱として生活する桜沢エリカさんに、夫婦円満のコツを伺いました。
「サスティナブル・カップル」は、働く女性とそのパートナーが、仕事も家庭も持続可能に両方楽しむためのコツを、様々なカップルに聞いて紹介するシリーズです。
2回目は漫画家で『今日もお天気』シリーズなど、家族をテーマにしたエッセイ漫画も人気の桜沢エリカさん。桜沢エリカさんは5歳年下で専業主夫の青木武紀さんと、お子さん二人、桜沢エリカさんのお母様とともに生活しています。一家の大黒柱として生活する桜沢エリカさんに、夫婦円満のコツを伺いました。
—『今日もお天気』や、青木さんが書いていらっしゃる「すくパラ倶楽部の『青木パパの子育てバンザイ』」のなかで、青木さんが専業主夫だと書いてあったのですが、どんな経緯で専業主夫になったのでしょうか。
桜沢さん:私の妊娠がわかったときに、夫に「主夫になって」とお願いしました。私は19歳から仕事をしていて妊娠が発覚したのが35歳だったのですが、仕事が忙しかったので、働きながら子育てもするのは無理だと思ったのです。お願いしてみたら快諾してくれました。
—大黒柱をやるのに、不安はなかったのでしょうか? 夫が転職活動をしているなどという理由で大黒柱をやっている女性数名から、「家庭の経済的な負担が全て自分の肩にのしかかるような気がして、想像以上に精神的に苦しい」と聞いたことがあります。
桜沢さん:妊娠がわかったので結婚をしたのですが、精神的な重圧は私の場合、結婚前の方が大きかったです。「アシスタントと母と猫を食べさせていかなくてはならない…… もう逃げたい!」と思ったこともありました。でも、結婚をして夫が主夫として家の中のことを考えてくれることになり、「子どもを育て上げなければ!」と腹をくくったら、楽になりました。もしかしたら、「夫の転職活動期間だけ大黒柱」という期間限定かつ期日が明確にわからない状態だと苦しいのかもしれませんね。一生大黒柱をやると覚悟をしたら案外できるものなのかもしれません。
—桜沢さんは今、家事をなさってますか?
桜沢さん:ほとんどしていないです。自分の手が空いていて、夫が手間のかかるような調理をしているときにフライパンでちょっと炒め物をするなど、たまに手伝うくらいです。妊娠を機に「主夫になって」と頼んだ後、次第に彼がやってくれることが増えて、今の状態になりました。
—ご結婚前に5年同棲なさっていたと『贅沢なお産』に書いてありましたが、そのときの家事の分担はどうなさっていたのですか?
桜沢さん:それまでは家事は私がほとんど行っていました。クラブ店長兼DJだった彼はゴミ出しと掃除機かけくらい。でも、「分担」と明確に決めていたわけではないです。明確に決めてしまうと、「お皿洗いはあなたの仕事じゃない! 早くやって!」「夜寝る前までにやればいいだろ」などと、家事の仕方が違うことがストレスになるし、どちらかの負担が多かったら不公平だと言いたくなるかもしれません。分担するよりも、料理を作っているときには「お鍋とって。ついでに野菜炒めて」と声をかけたり、食器を洗うときには「お皿を拭いてね」と一緒にやる方が楽しいし、ストレスがないと思いますよ。
—よく「男性よりも女性の収入が高いと、男性はプライドを傷つけられる」と言われます。前述の大黒柱の女性たちも、「どうしても夫のプライドを傷つけてしまう」と悩んでいました。でも青木さんはブログなどで拝見する限り、まったくそんな感じはしないですね。
桜沢さん:夫がいないと家の中がまわらなくなって私は仕事ができなくなるので、彼には非常に感謝しています。その気持ちを夫にも子どもにも伝えています。また男性として、彼を尊重しています。基本的に、彼が好きなんですよね。それに、家庭を切り盛りしている人と、仕事をして収入を得る人がパートナーシップを築く場合、それが男であれ女であれ、対等なのではないでしょうか。
—お二人の非常に仲が良い様子が青木さんのブログからもわかりますが、何か秘訣はあるのでしょうか。
桜沢さん:「ありがとう」と言葉できちんと伝えるようにすることでしょうか。それから、月に何度か二人で出かけます。歌舞伎に行ったり、クラブに行ったり、お買い物に行ったり。今、母と同居しているのですが、母のおかげで夫と二人で外出できるので、母にも感謝しています。
—お二人はけんかをしますか? 価値観が合わない時はありますか? そんなときはどうしていますか?
桜沢さん:けんかは、結婚する前からほとんどしないです。価値観が合わないときは、だいたい夫が合わせてくれます。私よりもよく知っていること、たとえば車とか天気図とかは夫に任せますが。子育ての考え方や方針に関しては、意見が食い違うことはありますが、相手の言うことを理解しようと努めて話を聞き、解決しています。
—忙しくてストレスがたまり、青木さんに当たってしまったりすることはありますか?
桜沢さん:それはないですね。家で仕事をしているので、忙しいときに子どもが話しかけてくると「忙しいから今はダメ!」と言ってしまうことはありますが……。夫に当たるというよりは、母とのやりとりでストレスを解消しているかもしれません。晩ご飯を家族で食べるときなどにみんなに話をすると、母がわざとではないのですが絶妙にずれた質問をしてくるんです。それに対して「ああ、もうそうじゃないって!」とか言っているうちに、解消しちゃっています。
—お母様に支えられているのですね。
桜沢さん:そうですね。子育てに関しても、母が厳しいので私達は甘い親をやっていられる面はあります。また、アシスタントが何人かいるのですが、毎日のように家族と一緒に食事をしています。周囲の人に助けてもらっているのです。
—桜沢さんがお一人で「子育てしなくちゃ」と躍起になるのではなく、昔の大家族のようにみんなで暮らしながら、お子さんたちが育っていくという感じなのですね! 女性が一家の大黒柱として生きていくためのヒントをたくさんいただきました。貴重なお時間をいただき、どうもありがとうございました!
周りの人の協力をあおぎながら、自分なりの判断基準で無理なく仕事と家庭を両立させているとわかった、桜沢エリカさんの生活でした。
<書籍情報>
桜沢エリカさん、青木武紀さんの生活が知りたい人にオススメ!
「今日もお天気」シリーズ 『今日もお天気(家族でパリ旅行編)』 祥伝社 ¥ 820 (2012-7-20) http://www.nadeshico.co.jp/artist/sakurazawa/
<西野カナさんに歌詞をもとに桜沢エリカさんが描いたマンガがオンライン上で読めます!>
桜沢エリカさんの娘さんがファンだという、西野カナさん。その西野カナさんがベストアルバムに手録されている曲の中から、印象的なフレーズをピックアップしてその歌詞をもとに桜沢エリカさんが主人公設定、ストーリーを組み立てていったそう。マンガは、オンライン上で読むことができ、読者の選択によってストーリーが変わっていくという、ソーシャルゲーム的な側面もあります。
西野カナさんの切ない歌詞が、桜沢エリカさんの巧みな心理描写で生き生きと描かれ、何度も繰り返し見たくなるページです。
取材協力=桜沢エリカさん(ナデシコプロ)
<ethica編集部注目の書籍>
「脱・女子!」ずっと憧れられる女性の“心のスタイル”(河出書房新社)
http://www.nadeshico.co.jp/artist/sakurazawa/
私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp
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