佐賀県では、有田焼創業400年記念事業「ARITA 400 project」の集大成として 2016年1月22日から26日までの5日間、「メゾン・エ・オブジェ」に3回目の出展を行い、北野武さん(映画監督)、隈研吾さん(建築家)、佐藤可士和さん(アートディレクター、クリエイティブディレクター)、奥山清行さん(工業デザイナー)の4人のゲストクリエーターが特別にコラボ制作した有田焼の展示も実施しました。
世界最大級のインテリア&デザイン国際見本市「メゾン・エ・オブジェ」で北野作品を公開
「メゾン・エ・オブジェ」とは毎年1月と9月にパリで開催される世界最大級のインテリア&デザイン国際見本市。世界中から家具、装飾品、テーブルウェアなどを扱う3000社が出展し、8万人を超える業界関係者が来場するライフスタイルのトレンド発信源です。
今回、佐賀県の8つの事業者は過去2回の出展で得た評価をもとにブラッシュアップした製品群約400点で臨み、世界へ向けて有田焼の真髄と革新を発信。類まれなクオリティと美しさはブースを訪れた来場者を魅了しました。
また、北野さんらのゲストクリエーターの作品の中には、形にするにあたって技術的に難しいデザインもありましたが、窯元の職人たちに脈々と受け継がれてきた高い技量と最新の技術が具現化を可能に、来場者の高い注目を集める展示となりました。
今回の展示に際して、北野武さんは、
「作品を見た人がそれぞれに感想や何か感じてもらえればそれでいいと思っている。 日本の伝統工芸の異素材同士が組み合わさったら面白いのではないか? こんな形の磁器があったら面白いのではないか? そういった思いつくままの発想で絵を描いてみた。 たくさん描いた絵を有田の皆さんが見て、それぞれの事業者が絵を見て感じたままに形にしてもらった。それぞれの事業者の捉え方が作品に出てくるのがおもしろい 」
隈研吾さんは、
「作品名は『波』。土にどこまで軽い表情を持たせられるかが課題であった。シェル状の器をフレームの集合体に置換し、器に軽やかさを与えることを目指した。今回デザインした器は、その実現に当たってかなり技術的に難しいものであったと思うが、コンピュータをベースとした最新技術と伝統に裏付けられた高い技量が実現を可能としてくれた。有田は長い伝統を持ちながら、つねにそれを超える挑戦をしている」
佐藤可士和さんは、
「今回のコラボレーションにあたっては、 有田焼の持つ歴史、 伝統、 特徴的な技法や色を活かしながら、 力強くも繊細で、 インパクトのある仕上がりとなるよう、 デザインバイアクシデントとデザインバイロジックの相反する方法を取り入れた。 革新と伝統、 偶然と必然、 過去と未来、 混沌と清寂、 永遠と束の間、 など相反する要素を内包した13の作品のコンセプトは『Dessimilar』(差違)である。 」
奥山清行さんは、
「いつもメゾン・エ・オブジェでは、 派手なものが多いが、 このブースではあえてシンプルなものにした。 400年の歴史を踏まえ、 次の時代を見据えたものにしたかった。 自分の作品は、 他の3人のクリエイターとはタイプが違う。 毎日の生活に使えるデイリーライフのものを作った。 買うこともできる。 」
とのコメントを寄せています。