今年もあともう少し。大掃除はすみましたか? まだの方は大掃除の際に出る不要品を、今年は捨てずにチャリティーにまわして「エシカル大掃除」をしてみてはいかがでしょうか。
不要な本をチャリティーに
書籍というものは思いのほか重たいもの。古本屋さんに大変な思いをしながら持っていったら「全部で50円です!」なんて言われてとがっかりした人もいるのではないでしょうか。
そんな風にがっかりすることなく、「不要品が役立てられて、みんながHappyになってうれしい」という気持ちになるユニークな取り組みがあります。(株)バリューブックスのチャリボンという仕組みです。古本を売って買い取り金額を自分が受け取るのではなく、その分を寄付したり、古本自体が必要とされる場所に寄付されたりする仕組みです。
チャリボンの社会貢献の仕組み
チャリボンに届いた本は、2種類の方法で活用されます。
1つ目は古本の買い取り相当額がチャリボンに登録しているNPOや団体に寄付をされる方法。古本屋さんに本を売ったあなたがお金を受け取る代わりに、そのお金が寄付されるのです。しかもうれしいのが、5冊以上まとまっていると、ヤマト運輸が集荷に来てくれます。もう、えっちらおっちら重たい思いをして、がっかりすることはありません。
2つ目は、古本の買い取りに値を付けることが難しかった場合の方法。この場合、古本はbook gift projectとして児童施設や老人ホーム、NPOなど、公益活動をしていて本を必要としている団体へ届けられます。
チャリボンのインパクト
例えば25冊の不要になった本があるとします。その売り上げ金額を、チャリボンの登録団体であり、モンゴルでマンホールなどで暮らすストリートチルドレンを助けるNPO法人ゆいまーるハイングバーズに支援したとします。
下水管の中で暖をとりながらの生活から抜け出すために奨学金を受けて勉強をしている学生の、学生寮で暮らすための資金を一ヶ月分賄うことができるのです(買い取り価格が1冊50円の場合)。単に自分がお金をもらうよりも、ずっとすてきな使い道だと思いませんか?
値がつかなかった本も、廃棄されるのではなくリユースされる。「お金だけではなく感動や知識を寄付しませんか?」というキャッチコピーが納得の、ステキな方法です。
■チャリボンについて詳しくはこちら
http://www.charibon.jp/
着ない洋服をチャリティーに
デザインが飽きてしまったり、子どもが成長して着られなくなってしまったりする服を、チャリティーにまわすのはいかがでしょうか。
マルイの「衣料品下取りチャリティー」
たとえばマルイでは、着なくなった衣料品1点につき1枚、マルイ全店で使える「200円割引券」と交換してくれるチャリティー・イベントを定期的に実施しています。衣料品はマルイで購入したものでなくてもOK。集められた衣料品は、
1.東日本大震災の被災地復興支援に活用
2.NPO法人日本救援衣料センターを通じ、海外の途上国へ寄贈
3.マルイ店舗のチャリティーバザーで販売し、収益金は社会貢献活動を継続するために使用
という方法で役立てられます。
■開催情報はこちら
http://www.0101.co.jp/shitadori/index.html?from=out_QR
衣料品をチャリティーに出すときの注意
衣料品のチャリティーは多くの団体で受け付けています。どの団体の場合でも、チャリティーに衣料品を出すときには、新品か十分にきれいな状態のものを、クリーニングに出したりきちんと洗ったりしてから出す必要があります。また、送料の負担を求められることがほとんどです。とはいえ、自分が使わなくなった衣料品を単にゴミとして捨ててしまうよりも、誰か必要な人が役立ててくれたら気持ちがいいものではないでしょうか。
型落ちや買い替えなどによって使わなくなったパソコンをチャリティーに
壊れてしまったわけではないけれど、使わなくなったパソコンをしまい込んではいませんか? そんなパソコンをエシカル大掃除の機会にチャリティーとして送りませんか?
NPO法人Class for Everyone
NPO法人Class for Everyoneでは、日本で使わなれなくなったパソコンを個人や企業から集めて、フィリピンを中心とした開発途上国の学校などに届ける活動をしている団体です。2012年2月の発足以降、約750台のパソコンを国内で集めてアジア・アフリカ10カ国40地域の学校などへ届けています。
先進諸国では技術革新によって新しいパソコンが次々と生まれている反面、買い換えによって使わなくなったパソコンはお金をかけ環境を壊しながら廃棄されたり、各家庭の押入れの中に眠ったままになったりしています。
一方で、発展途上国ではパソコンが簡単には手に入りません。インターネット環境がなくても、パソコンさえあれば文章作成や表計算などのスキルを身につけることができ、職業選択に幅が出るなど貧困から抜け出すきっかけとなり得るというのに。
そこで、NPO法人Class for Everyoneは先進国の使わなくなったパソコンを途上国に届けることができれば、途上国の子どもたちに教育の機会を与えることができ、同時に地球環境を守ることにもつながるのではないかと考えたのです。
パソコンは廃棄するときには、リサイクル法に基づいていずれにしても費用がかかります。であれば、ただ捨てるのではなくチャリティーにまわして、フィリピンに笑顔を届けた方が楽しいのではないでしょうか。
■NPO法人Class for Everyoneについてくわしくはこちら
http://class4every1.jp/
https://www.facebook.com/class4every1
その他の不要品をチャリティーに
ぬいぐるみ、雑貨、介護ベビー用品、家電(冷蔵庫、テレビ、洗濯機、クーラーは除く)、食器などの不要品で、腐らなくて次に使う人がそのまますぐに使える状態のものは、チャリティーとして提供することもできます。
チャリティーショップ「太陽の家」
「太陽の家」は、企業や家庭から不要になったものを無償で提供してもらい、店舗で販売して、得た利益を、福祉の目的のために利用していくという、福祉を目的にしたリサイクルショップです。
一般的に日本にあるリサイクルショップは、誰かが不要になったものを買い取り、他の人に売ることで利益を得ています。しかし、「太陽の家」はリサイクルショップであり、チャリティーショップです。欧米などによくあるチャリティーショップは、不要品を持ってきた人にお金を渡すことはありません。「太陽の家」も欧米のそれと同様に、不要品の買い取りはせず、不要品の提供を受け付けています。そして提供された商品を安く販売することで利益を得、それを主に知的障がい者の就労訓練の場の提供とチャリティーショップの継続に役立てている、全国初の指定障害福祉サービス事業所なのです。
様々なものを受け入れてくれるので、「まだ使えるし、ほしい人はいると思うけれど、もう飽きちゃった……」と思ったものは、すぐ使えるようにきれいにして、この機会にすっきりと手放してみては?
■「太陽の家」について詳しくはこちら
http://www.geocities.jp/kyasforcharity/charityshop.html
手に入れたものは、なるべく大切に長く使う方がエシカル。でも、成長や好みに変化によって使えなくなったら、使いたい人に回すのもエシカルです。皆さんも今年はぜひ、エシカル大掃除をしてみてはいかがでしょうか?