去る3月23日(水)、東京の神宮の杜で「本のフェス」という面白いイベントが開かれました。主催は本のフェス実行委員会/読売新聞社。当日、会場で配られたパンフレットにはイベントのネライが次のようにまとめられています。
“読書は一人でするもの。それはもちろんだけど、本をきっかけにみんなでワイワイ盛り上がるのも面白そう。そんな思いから「本のフェス」をはじめます。ここでならロックフェスティバルのように本を楽しめるかも“
「本」と言うものが一体いつ頃創られたかは定かではありませんがそのベースとなる「紙」はエジプトで発明されたいわゆる「パピルス紙」がBC3100年頃、また現在の紙の元祖とされるものが中国人の蔡倫によって創られたのがAD105年。ここから数えてもすでに1900年の歳月が流れています。
その間、一体どのくらい沢山の本が出版され、どの程度人間の歴史や文化に影響を及ぼしてきたかを考えると気が遠くなります。
そのように本は人間にとって重要なメディアですが近年のIT技術を駆使した新しいメディアの発達により以前より若干、その影響力や関心が薄れてきたのは否めない事実です。
そこでこの企画。もう一度みんなで本の魅力を楽しく味わってみようと、いろいろな人や会社がそれぞれの持ち味を生かしてイベントを盛り立てました。
門から中に入るとハッピを着た6~7人の「駅弁屋」に出会う。よく見ると売っているのは駅弁当ならぬ「本」、言わば「駅弁本屋」。その他「BOOK ROUTE (ブック ルート)」という珍しい“もの”が目に入ってくる。
これは3輪電気自動車の後部に本棚を搭載した小さな移動式本屋。約400冊の書籍、雑誌を収納することが出来るという。そのネライは「お客様と触れ合いながら本を買って貰うこと」だそうだ。ひょっとすると将来の本屋の一つのカタチになるかも知れない。
会場が北青山の京都造形芸術大学、東北芸術工科大学の外苑キャンパスであることから教室を使った「本のゼミナール」や「ショート ショートショーセツ SHOW !」、勝手に認定「次世代の読書芸人」そして「本のお立ち台」などの講義や講演が次々と催され集まった若い人たちが楽しく参加する姿が見受けられました。
来場者は約1000人、本が熱烈に好きな人も、そこまで読書に傾倒していない人も一様に「本のフェス」を楽しんでいるようでした。
ーーBackstage from “ethica”ーー
若いときは芥川賞や直木賞が発表されるとすぐに本屋におもむきその本を購入したものですが近年は「本屋大賞」に魅入られています。数年前に出版され歴代最高得点を得た三浦しをんさんの「舟を編む」は特に印象に残っている一篇です。
私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp