マレーシアのボルネオ島で出会った一人の少女の言葉に励まされ、再び絵筆を握る。そして、少女や応援してくれる人の思いを託したRIEさんの絵は大空へーー。世界に絵がを広げるアーティストRIEさんが語る、笑顔、そして夢。
前編につづき、独占インタビュー後編
Photo=YUSUKE TAMURA (TRANSMEDIA)
マレーシアのボルネオ島で出会った一人の少女の言葉に励まされ、再び絵筆を握る。そして、少女や応援してくれる人の思いを託したRIEさんの絵は大空へーー。世界に絵がを広げるアーティストRIEさんが語る、笑顔、そして夢。
前編につづき、独占インタビュー後編
ーーボルネオから帰国後はどうされたのですか?
半年ほど療養した後、友人の紹介で東京のカフェで働き始めました。私のペースで働いていいと言ってくれ、ありがたかった。ある日、店頭に出す看板を書いておいてと頼まれ、そこに少しイラストも描いたんです。さらに結婚式の二次会があるからと、ウェルカムボードを書かせてもらうことに。そうしたことが少しずつ口コミで広がり、25歳の時には絵を仕事にするようになりました。
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ーー幼いころ大好きだった絵を描くこと。再び絵筆を握って何を感じましたか?
仕事として絵を描き始めたのに、「ちゃんと勉強してない私の絵なんか」という引け目もあり、最初のうちは人に見せるのが怖かった。「画家」という肩書と、「私は世界中に笑顔を広げるアーティストです」とを書いた名刺を作ったのですが、3カ月はそれも配れませんでした。そんな中、応援してくれる友達が「私がもらってあげる」と言ってくれたのです。
さらに名刺には「私の夢は飛行機に絵を描くことです」とも記しました。実は学生時代、飛行機の機体に絵を描きたいと思い、航空会社に問い合わせたことがありました。再び絵を描き始めたとき、そのことを思い出して。改めて「夢」として掲げてみようと思ったのです。名刺をもらってくれた友人は「その夢は言ったほうがいい。きっと叶うから」と。その言葉に励まされ、名刺に書くだけでなく口にも出して言うようにしました。
すると2012年のある日、知り合いから連絡が。ANA創立60周年記念の機体デザインコンテストがあり、作品を募集しているというのです。まさに千載一遇のチャンス。夢を言いふらしていて本当によかった(笑)。テーマは「あなたの夢を飛ばしませんか?」。締め切りまで1週間ほどしかありませんでしたが、「世界中に笑顔を広げる」という私の夢を絵に込め、世界中の子どもたちが笑顔で地球を囲んでいるデザインを描き上げました。
ーー全世界から集まった7000余りの応募作品の中から見事大賞を受賞されました。どんな気持ちでしたか?
びっくりしたし、自分の描いた絵が大空を飛ぶという夢が叶い、本当にうれしかった。でも何より一番湧いてきたのは感謝の思いでした。それまで、「夢ばかり見てないで現実を見たほうがいい」「叶うわけないじゃないか」と否定されることの方が多く、何度もくじけそうになりました。そんな中でも何人かは「絶対に叶うよ!」と応援してくれた。その人たちの顔がよぎったのです。その中にボルネオの少女の顔もありました。私が再び夢を持ち絵を描こうと立ち上がれたのも、その夢が叶ったのも、彼女の言葉があったから。
サラヤのエコボトルのデザインをしたご縁で、2014年、サラヤ主催のボルネオを訪ねるツアーに参加したのですが、あのとき行った村がどこにあるのかわからず、少女には会えませんでした。会ってお礼の気持ちを伝えたい。そして作品を見てもらいたい。その思いもきっといつか叶うと信じています。
Photo=YUSUKE TAMURA (TRANSMEDIA)
ーーその後は画家としてアーティストとして多くの作品を発表。さらに、2014年からは書籍の絵も手がけています。
「世界中に笑顔を広げる」という思いは、私の絵を見てくださった方には届くかもしれません。でも、それだけでは限界があると感じてもいました。そんなとき、マザー・テレサの言葉をつづった書籍で絵を描かせていただくお話をいただきました。『世界で一番たいせつなあなたへ』『あなたのままで輝いて』に続き、4月には3冊目となる『ほんとうの自分になるために マザー・テレサに導かれて』が刊行されました。本になることでより多くの方々に手に取っていただき、笑顔を届けられたらと思っています。
Photo=YUSUKE TAMURA (TRANSMEDIA)
実は、絵の活動をするようになってからも苦しい思いや挫折することが何度もありました。そんなとき、マザー・テレサのこの言葉に巡り会い、救われました。
「わたしは神さまの手の中の小さな鉛筆。神さまが考え、神さまが描くのです」
こうしたら人に気に入られるんじゃないかとか、そういうことは気にせずに、神さまの手の中の小さな鉛筆に徹して描こうーー。そう気持ちを切り替えたら、「RIEさんの絵を見ると心があったかくなる」「心にしみます」と言葉をかけられるようになったのです。今もマザー・テレサの言葉はとても大切にしていて、活動する中でいつも立ち返るようにしています。
Photo=YUSUKE TAMURA (TRANSMEDIA)
ーー最後に、RIEさんの「私によくて、世界にイイ」をお聞かせください。
やはりマザー・テレサの言葉に、「遠くの人を愛するというのは簡単です。ですが、愛は家庭から始まるのです」というものがあります。4月に出た本の中で、著者の方がこの言葉に関し、「誰かを愛するならば、まずは一番身近な人から。それが愛の大原則なのです。愛は家庭から始まって、全世界に広がっていきます」と解説しています。
私が世界に広げたい笑顔は、愛の中に含まれるもの。「愛」を「笑顔」に変え、自分なりに捉えてみました。
「誰かを笑顔にしたいならば、まずは一番身近な人から。それが笑顔の大原則なのです。笑顔は家庭から始まって、全世界に広がっていきます」
私の身近な人に笑顔を伝え、その人がまた身近な人に伝える……それがいつか波紋のように世界中に広まっていく。それこそが「私によくて、世界にいい」。皆さんもぜひ、一番身近な人に笑顔を届けてほしい。そのメッセージを胸に、そして絵筆に込め、これからも描き続けていきます。
Photo=YUSUKE TAMURA (TRANSMEDIA)
前編はこちらから
世界中に笑顔を広げるアーティストRIE
1982年大阪府堺市生まれ。(現在、湘南在住)2002年京都嵯峨芸術短期大学陶芸学科卒業。2005年にボルネオ島のある村で、貧しくても感謝を忘れない一人の少女の笑顔と出会い、大切なのは「心の豊かさ』だと気づく。 それ以来、「人の心の豊かさ、温かさを世界中に広げたい』という願いを込めて絵を描き続けている。2009年日本テレビ『おしゃれイズム』スタジオアート作品提供。2011年宮城県南三陸町を訪問。震災復興支援の絵を贈呈。2012年ANA創立60周年機体デザインコンテスト大賞を受賞。2015年『世界で一番たいせつなあなたへ~マザー・テレサからの贈り物~』2016年『あなたのままで輝いて~マザー・テレサが教えてくれたこと~』2017年『ほんとうの自分になるために~マザー・テレサに導かれて~』(いずれもPHP研究所)を出版。その他、書籍の出版、個展等幅広いジャンルで活躍している。
公式HPhttp://www.mongara-art.com
記者 中津海 麻子
朝日新聞契約ライター、編集プロダクションなどを経てフリーランスに。人物インタビュー、食、ワイン、日本酒、本、音楽、アンチエイジングなどの取材記事を、新聞、雑誌、ウェブマガジンに寄稿。主な媒体は、朝日新聞、朝日新聞デジタル&w、週刊朝日、AERAムック、ワイン王国、JALカード会員誌AGORAなど。大のワンコ好き。
ーーBackstage from “ethica”ーー
「夢なんてどうせ叶いっこない」。誰しも現実を目の当たりにして、そんな風い口をつぐんでしまいがち。でも、たくさんの人に伝え続けることが夢実現への大きな一歩になるーー。RIEさんの言葉の数々には、自分の心に正直に生きるヒントがいっぱいです。インタビューに加え、ぜひムービーもチェックしてみてくださいね。
提供:サラヤ株式会社
私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp
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