こども国連とソフトバンクによる「ソフトバンクみらい会議」開講!
「もっとも大切にしたいものは何ですか?」「実現したいけどできないことは?」
大人だって答えるのは難しい質問に、中高生が挑みました。
持続可能な社会を創る「人材」を育成するNGO団体「こども国連」と、通信会社である「ソフトバンク」がコラボレーション。先月、中高生を対象にワークショップ「ソフトバンクみらい会議」が行われました。
「もっとも大切にしたいものは何ですか?」「実現したいけどできないことは?」
大人だって答えるのは難しい質問に、中高生が挑みました。
持続可能な社会を創る「人材」を育成するNGO団体「こども国連」と、通信会社である「ソフトバンク」がコラボレーション。先月、中高生を対象にワークショップ「ソフトバンクみらい会議」が行われました。
人工知能(AI)やロボット、IoTなど、今後ますます成長が期待される分野に力を注いでいるソフトバンク。「未来の人材育成にも貢献したい」との想いから、今回のワークショップが実現しました。
子供たちが挑戦するのは、マサチューセッツ工科大学とレゴ社が共同開発した思考術「レゴ®シリアスプレイ®」。「レゴ®ブロック=子供のおもちゃ」というのは昔の話。NASAをはじめとする世界中のあらゆる企業が、レゴブロックを使って組織力や思考力を鍛えるプログラムを取り入れています。
「頭の中に思い描いたイメージを表現するには、言葉よりも形にした方が伝わりやすいんです」と話すのは、こども国連・事務局長の井澤友郭さん。
「たとえば『“壁”を表現してください』と言われたとき、言葉で違いを表現するのはちょっと難しいですよね。しかしレゴ®ブロックでは、意識せずとも作った人の数だけ色んな壁が出来上がります。モノを形づくることで、言語化できない深層心理までを表現することができると考えています」
今回、中高生たちに与えられたお題は2つ。さて、レゴ®ブロックで一体何を表現してくれたのでしょうか?
まず最初のお題はこちら。大切なコトやモノ、ヒトでもなんでもOK。5人1組のグループに分かれて取り組みます。ただし、3つのお約束つきです。
3つの約束
1. THINKだけでなく、FEELをアウトプットしよう!
2. 正解などない。なんでもアリ!
3. 否定しない。違いを楽しもう!
出来た作品は1人ずつ、グループ内で発表します。「何をつくったか?」だけではなく、「なぜこのパーツは青色のブロックなのか?」「いつから大切に思うようになったのか?」など、お互いの作品について質問し合うことでより深い心理に迫ります。
1人目の「大切にしていること」はこちら。グレーの板に赤、水色、オレンジなどのブロックが積まれています。炎と水と大地…でしょうか?果たしてこれが何なのか、皆目見当もつきません。
つくったのは松下 さきさん、高校1年生。
「これは『いっぱい色んなことではなく、1つのチームだけを応援し続ける気持ち』の大切さを表現したくて作りました。私は子供の頃から横浜ベイスターズの大ファンです。黒とオレンジが巨人、白と赤がカープ、青と水色がベイスターズのチームカラー。今シーズンは巨人を倒して、カープとの接戦の末、我らがベイスターズが優勝してほしいです。阪神を置こうか迷ったのですが、阪神は絶対倒せると思ったのであえて置きませんでした」
なるほど、水色のブロックが一番高く積んであるのは、“優勝”の意味だったのですね。ちなみに一番下のグレーは、ヤクルトと中日だそうです。野球好き(そして横浜ファン!)というのもかなり意外でしたが、まさかブロックが野球のチームカラーだったとは。現在、広島と阪神につづき横浜ベイスターズは第3位。さきさんのためにも残りの試合、頑張ってほしいですね!
2人目の「大切にしていること」はこちら。たくさんタイヤが付いていますね。車でしょうか? 上にも下にも付いています。一見シンプルなようで複雑なこちらの作品。どんな大切なことを表しているの?
つくったのは齊藤慶一郎さん、高校1年生。
「これは見ての通り、車です。自分が大切にしているものは特殊性というか…人とは違った部分、自分の個性です。車にはバラエティーの豊かさを表すために、色んな方向にタイヤを付けました。横にも縦にも、裏にも表にも動かせます。そして個性があると人から色々言われたりするので、あえて壊れやすく作りました。でもそれに潰されないように生きて行くのが、僕の人生の目標です」
まさかの、大切なもの is 思想のパターン。車であって車でないのです。『大切なものは車!』というその辺の成人男性とは全く違います。おっしゃる通り、人と違ったり同じだったり、それは大人になっても悩みの尽きない課題。これからの長い人生、自分をもって力強く生きていってほしいですね!
続いてのお題はこちら。Q1でウォーミングアップをしたので、今度はさらに難易度の高いお題にチャレンジです。実現したいけど、できないこと…人生そんなことだらけな気もしますけど、中高生の皆さんはどう思っているのでしょうか? 右端で人型ロボットのPepperも心配そうに見守っています。
1人目の「実現したいけどできないコト」はこちら。白い乗り物にレゴ®人形が乗っています。飛行機でしょうか?機体には金のコインが散らばっています。お金がもっと欲しい! ということでしょうか?シンプルですが興味深い作品です。
つくったのは出島 こころさん、中学3年生。
「やってみたいことは世界一周の一人旅です。でも、学校もあるしお金のこともあるし…なにより今は受験生だから。一人で行きたいのには理由があって、人生の最期を過ごす場所を探したいんです。だから今のうちから世界各地をまわって、一番良かった国で最高の最期を迎えたいです」
いろいろ飛び越えて老後のプランまで! 最高の老後を迎えるため、今から準備に余念がありません。決して『人生がつまらない』とかではなく、頑張った自分に最高のご褒美をあげたい! という明るいニュアンスで話していたのが印象的でした。ちなみに、いま一番行きたい場所はボリビアのウユニ塩湖だそう。
2人目の「実現したいけどできないコト」はこちら。2つのレゴ®島にハシゴが渡してあります。この橋を渡って向こう側へ行きたい!という具合でしょうか?橋の向こう側はなんだか居心地が良さそうです。これは一体どういうこと?
つくったのは鈴木千夢さん、中学3年生。
「私は現実とやりたいことを行き来できる別の世界がほしいな。手前のグレーと黄色のブロックは学校の門で、勉強とかやらなきゃいけない現実を表しています。はしごの向こうは楽園です。レゴ®人形は自分自身。現実に直面しているから身体は学校のほう、でも頭は楽園のほうを向けました」
なるほど、なんだかリアル。学校、部活、受験勉強…3年生はやることがいっぱいです。お疲れ様でございます。班のメンバーからの「楽園に行きっぱなしではだめなの?」という問いには、「楽園はあくまで一人の世界だから、現実世界の友達や家族に会えないのは寂しい。だから行き来できるようにした」とのこと。うんうん、分かるよ。頑張りたくないわけじゃないんだよね。分かります! 最後はなんだかすごく共感しちゃう作品でした。
最後は参加者とこども国連事務局スタッフのみんなで一緒に、ハイ、チーズ。
いかがでしたか? レゴ®ブロックを使うことで、本人さえ気がついていない深層心理に迫れる! これは大いにありそうですね。難しい年齢のお子さんのいるご家庭でも、この方法でコミュニケーションをとってみるのはありかもしれません。個人的には、口下手な彼氏・彼女、あるいは夫婦仲の冷え切ったパートナー同士で「私の好きなところは?」というお題を出し合ってみるのもありな気がしています。忘れかけていた大切な気持ちを取り戻せるかも。皆さんもぜひ、「レゴ®シリアスプレイ®」に挑戦してみてくださいね。レッツ・レゴ®ブローック!!
なお「ソフトバンクみらい会議」など、今後「こども国連」が開催するイベントの日程は、下記こども国連のホームページからチェックできます。
記者 斉藤 アリス
ロンドン生まれ、愛知県育ち。オーストリア人の父と日本人の母を持つ。明治大学農学部を卒業後、ロンドンの美大学院にてジャーナリズムを専攻し修士号を取得。現在モデルとして活動しながら、ライターとして執筆活動も行う。また、世界のカフェを巡るカフェマニアで「食べログのグルメ著名人」としても活動中。著書に世界10カ国107軒を訪れてまとめた書籍『斉藤アリスのときめきカフェめぐり』。2017年10月より、「ethica(エシカ)~私によくて、世界にイイ。~」執筆活動を展開中。
私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp
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