寡黙な親父の一言 「お前、人生どうしたいんや」
大谷: こんにちは。ethica編集長の大谷と申します。本日はよろしくお願いいたします。
井崎: よろしくお願いします。
大谷: まずは、井崎さんの生い立ちからうかがえますでしょうか。
井崎: 僕、福岡の南区っていう田舎の出身なんですよ。ラグビーの五郎丸さんの家が近所で、五郎丸さんの妹が同級生でした。
大谷: そうなんですか! コーヒーに出会う前は、どんな少年だったんですか?
井崎: コーヒーに出会う前って……何してたんですかねぇ(笑)。中学校のときは、もうエネルギーが有り余ってて、先生に勧められて、バトミントン部に入ったんですよ。最初イヤイヤだったんですけれど、結局そのバトミントンで高校に入学して。
大谷: 推薦入学ってことですか?
井崎: 体育科にスポーツ特待生で。そこが誰も勉強しない高校で、自分もみんなと夜まで遊んで、朝まで遊んで。でも、当時下宿していたところが使えなくなったり、「学校なんてやめてやるのがかっこいい」みたいな雰囲気もあって、結局、一年くらい通って辞めちゃったんです。
高校を辞めて、しばらく道路工事だったり、なんでも屋だったり、日雇いの仕事をしながらブラブラしてたんですけれど、ある日、親父が僕に「お前、人生どうしたいんや」って言ったんですよ。僕の親父、本当にふだん何も言わないんです。高校やめるときも「あっそう」みたいな感じだったんですけれど。親父にそう聞かれて「自分もわからん」って答えたら、「じゃあ、お前うちで働けや」って話になって。それで、親父のやってたコーヒー屋(ハニー珈琲)で働き出したのが、16歳くらいでした。
大谷: へー、面白いですね。でも、お父さんがコーヒー屋さんをやってらっしゃって、そこですぐに修行できたというのは、幸運でしたね。
井崎: ラッキーでしたよ。僕も社会不適合者ですけど、親父は筋金入りの社会不適合者で(笑)。うちの家系は会社員できない人ばっかりで、みんな経営者タイプなんですよ。