懐かしくて新しい音色クロマチックハーモニカ奏者・南里沙がXperiaのCM曲を担当
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懐かしくて新しい音色クロマチックハーモニカ奏者・南里沙がXperiaのCM曲を担当

ソニーのスマートフォン「Xperia」のCMに出演したクロマチックハーモニカ奏者の南里沙さん

2018年3月より放映されているソニーのスマートフォン「Xperia」のCMに、クロマチックハーモニカ奏者の南里沙さんが登場。同CM曲「VOICES」を演奏し、ご自身も「Xperia」ユーザーとして出演しています。いま改めて大きな注目を集める「ハーモニカ女子」の南さん、実は2014年に「ethica」編集部にて取材し、翌年の展示会ではサプライズゲストとして当媒体のブースにご来場いただきました。最新CMのご紹介とともに、この3年半の目覚ましいご活躍を振り返ります。

ハーモニカが奏でる、最新スマートフォンのある生活

ハーモニカというと、多くの方が、ふぁーんと響くノスタルジックな音色の楽器、というイメージを抱いているのではないでしょうか。ハーモニカに感じるこの懐かしさは、昭和年間に小・中学校の音楽の授業で取り入れられていたという日本の教育史にも由来していると思います。しかし南さんが演奏した今回のCM曲を聴くと、一周巡って非常に新鮮。軽快でキレのある音色が、最新機能を搭載したスマートフォンのイメージにぴったりなのです。

「Xperia」のCM「メッセンジャー」篇では河野和彦さんが都心の道路を自転車で滑走するシーンに、「フードライター」篇では料理研究家の河瀬璃菜さんが次々と卓上のカラフルな料理にシャッターを切るシーンに、南さんのハーモニカの心弾む曲調が非常に効果的に使用されています。「プチプラのあや」さんの出演バージョンもあります。

十人十色、さまざまなアーティストが奏でてきたCM曲「VOICES」

しかも、このCM曲「VOICES ハーモニカ ver. ~featuring 南 里沙」は、Xperiaのウェブサイトからフルバージョンが無料でダウンロードできます。CMでは冒頭の30秒しか流れませんが、実際は3分半ほどの曲で、後半部分でもクロマチックハーモニカの表現の豊かさに驚かされることと思います。ハイレゾ再生が可能な環境な方は、ぜひハイレゾ版で。

「VOICES」のギターバージョンやサックスバージョン、初音ミクとのコラボレーション曲など、Xperiaの歴代CM曲がソニーのサイトでダウンロードできますので、聴き比べてみると、楽器ごとの特徴や奏者の解釈、表現力をより楽しめると思います。

VOICES CM MUSIC ダウンロードページはこちら http://www.sonymobile.co.jp/voices/music/ 

ちなみに、南さんの演奏がCMに使用されたのは今回が初めてではありません。2016年秋にはJR東海のCM「そうだ京都、行こう。」で、目の覚めるような紅葉の天龍寺の映像に、南さんが演奏する「My Favorite Things」が響き渡りました。あの典雅な調べが、ハーモニカの音だと気づかなかった方も多いのでは?両方の曲を聞き比べると、さらにクロマチックハーモニカの魅力がわかります。

移動時間も有効活用 ハイレゾの高音質で

南さん自身がXperiaを使用する最大の理由は、ハイレゾ再生の高音質。年間80本ほどの公演を行ない、各地を飛び回っている南さんは、気軽に録音・再生ができるスマートフォンで、移動時間を有効活用しているのだとか。

ハーモニカは、息を吹いて吸ってリードを振動させて演奏するんですけれども、そのリードの一つ一つの音の輪郭が、(ハイレゾだと)凄くはっきり聞こえるんです。音質もなんですけど、その奥行といいますか、ハーモニカならではの息遣い、楽器そのものの立体感が生まれるので、私はハイレゾがお薦めです。(SONY Xperia FLIE 130より引用、括弧内は筆者補足。)

クラシック・ジャズ・ポップスなど、ジャンルを超えた様々な楽曲を演奏する南さんにとっては、最も身近な音楽再生機器であるスマートフォンの音質はやはり重要なんですね。

XperiaのCM「ハーモニカ」篇は、明るい光が射し込む白亜の洋館で撮影された

世界が舞台、あらゆる場所を舞台に

「クロマチック(chromatic)」とは「半音階」を意味する言葉。クロマチックハーモニカは、16個の穴とスライドボタンの操作で4オクターブ+2音を出すことのできる楽器です。これだけの音域を有しながら、持ち運びがしやすく演奏の場所を選ばないのがこの楽器の大きな利点。「私一人立てる場所さえあればどこでも演奏できます」と言う南さんは、まさに世界を舞台に活動しています。数々の世界大会で優秀な成績をおさめ、国内外の名だたる交響楽団と共演、2014年にはドイツの楽器メーカーHOHNER社とエンドース契約を結んでいます。

 

とはいえ、まだまだ多くの人には見慣れない外見のこのハーモニカは、空港の手荷物検査で引っかかることもしばしば。南さんは「そんな時には、その国の曲をその場で演奏しちゃうんですよ。そうすると、ニコニコしながらOKを出してくれます」といったように持ち前の明るさで、どんな場所でも演奏会場に変えてしまうのだとか。

これまでにも数々のメディアに登場してきた南さん。兵庫県立芸術文化センター(KOBELCO 大ホール)の公演では2000枚のチケットが5分で完売に。

「音楽は心の扉を開くもの」

2014年6月、南さんがキングレコードからアルバム「RISA Plays CINEMA」「RISA Plays J-songs」の2枚を同時リリースした際、ethicaではインタビューを行わせていただきました。インタビューの中で、南さんは次のように語っています。

音楽って心の扉を開くものだと思ってるんです。悲しいとき、辛いとき、もちろん楽しいときも−−−−。私のハーモニカの演奏を、どれだけたくさんの方が聴いていらっしゃっても、逆にたった一人の方しか聴いていらっしゃらなくても、そのお一人お一人に寄り添える、笑顔にできる演奏ができたら良いな、と思っています。

■ethica インタビュー 南里沙

お話の中で、南さんはハーモニカを「演奏する」「吹く」とはあまり言わず、たびたび「歌う」と言っている点が印象的でした。確かに、ハーモニカほど奏者の呼気がそのまま音に直結する構造の楽器も珍しいかもしれません。息を吸っても音が出るという点、まさに歌うように、呼吸するように演奏する楽器です。南さんのインタビュー動画を見た後で、もう一度、今回のXperiaのCM曲を聞き返してみると、その一音一音が南さんの喉の奥から発せらている”声”であり、音節がまるで言葉のようにも聴こえてきます。楽曲に奏者の想いが寄り添うことで、「VOICES」のタイトルにふさわしい強いメッセージ性が生まれ、今回のCM放送の話題につながったのではないでしょうか。南さんのクロマチックハーモニカの「歌声」、これからも世界中の多くの方に届けられることと思います。
多くの人を笑顔にする南さん。今後の活動情報は、南さんのオフィシャルサイトやSNSでご確認ください。

オフィシャルサイト
http://minamirisa.com

南里沙 Twitter
https://twitter.com/minami_risa

<最新作情報>

最新アルバム「Blend」

収録曲
1.  My Favorite Things -私のお気に入り-
2.  シェイプ・オブ・マイ・ハート
3.  スペイン舞曲~歌劇「はかなき人生」より~
4.  つばめ
5.  メロディー
6.  ミスティ
7.  サム・スカンク・ファンク
8.  酒とバラの日々
9.  スパルタカス愛のテーマ
10.  インヴェンション第2番 ハ短調 BWV.773
11.  めぐり逢い
12.  あなたを見つめると~ミュージカル「スカーレット・ピンパーネル」より~

最新アルバム「Blend」

プロフィール

南 里沙
3 歳でピアノ、 12 歳でオーボエを始め、神戸女学院大学音楽科オーボエ専攻卒業。大学在学中にクロマチックハーモニカに出会い、音色に魅せられて研鑽を積む。 2009 年ドイツ F.I.H. ハーモニカ世界大会オープンカテゴリーにて準優勝。各部門にて入賞。 2010 年 第 30 回 F.I.H. 日本ハーモニカコンクール 3 部門にて優勝。同大会にて全部門総合グランプリを受賞。第 8 回アジア太平洋ハーモニカ大会クロマチックソロオープン ( シンガポール ) にて優勝。その他国内及び国際コンクールで数々の優勝を果たし、 2013 年キングレコードよりメジャーデビュー。これまでにソリストとして、ウクライナ国立キエフ交響楽団、 INSO 国際新交響楽団、ブルガリア国立ソフィアフィルハーモニー、関西フィルハーモニー管弦楽団、東京交響楽団と共演。 TBS&WOWOW 共同制作ドラマ MOZU スピンオフ「大杉探偵事務所」、NHK 第 37 回創作テレビドラマ大賞「希望の花」、 NHK 名曲アルバム等の録音に多数参加、 BS JAPAN 「エンター・ザ・ミュージック」日本テレビ「スッキリ!!」などの TV 番組に出演、 2016 年秋の JR 東海CM 「そうだ 京都、行こう。」に起用されるなど、注目を集める。また、兵庫県立芸術文化センター KOBELCO 大ホール、チケット 2000 枚がわずか 5 分で完売。クロマチックハーモニカの美しい音色と、テクニックの高さ、音楽のジャンルを超越した活動で、国内のみならず海外からも注目を集め、 2014 年ドイツ HOHNER 社とエンドース契約を結ぶ。

2018年3月よりソニーモバイルのスマートフォン「Xperia XZ1」TVCM「だから私は、Xperia。」に出演中。

記者:松崎 未來

東京藝術大学美術学部芸術学科卒。同大学で学芸員資格を取得。アダチ伝統木版技術保存財団で学芸員を経験。2011年より書評紙『図書新聞』月刊誌『美術手帖』(美術出版社)などのライティングを担当。2017月3月にethicaのライター公募に応募し、書類選考・面接を経て本採用となり、同年4月よりethica編集部のライターとして活動を開始。関心分野は、近世以降の日本美術と出版・印刷文化。

ーーBackstage from “ethica”ーー

ハーモニカといって、真っ先に思い浮かべるのは、トーベ・ヤンソンの「ムーミン」シリーズに登場したスナフキン。幼少期、あの風来坊のようなキャラクターに憧れてハーモニカを吹いていたのを思い出しました。当時はただ音が出ることを面白がっていただけですが、もしいつかきちんとハーモニカを学ぶ機会があれば、ボブ・ディランの「風に吹かれて」なんぞを吹く燻し銀を目指すのも素敵だなと思います。ちなみに、ディランもHOHNER社のハーモニカを使用していたそうですよ

私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp

松崎 未來

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