旅行好きやホテル通が一度は泊まりたいと憧れる「エースホテル」。1999年にシアトルで創業し、現在はニューヨーク、ロサンジェルス、ニューオーリンズなどアメリカを中心に展開しています。その土地の古い建築物を地元クリエイターたちとコラボしながら改装するというのが最大の特徴で、卓越したデザインセンスとオリジナリティでホテル業界に革命を起こしました。そして2019年、ついにアジアに初上陸し、京都に開業予定。新名所になること間違いなしです。
歴史を巧みにミックスして新しい価値に
今回「エースホテル京都」として生まれ変わるのは、市指定の文化財でもある新風館。1926年に竣工した歴史的建造物で、“大正時代の名建築”と呼ばれる旧京都中央電話局が前身です。2001年~2016年までは商業施設としてファッションやグルメ、インテリアなどのショップが約30店舗入っていました。閉館後、この歴史的建造物の去就が注目されていましたが、『街とつなぐ』をテーマに、その歴史的財産をいかしながら新築棟とつないだ「エースホテル」と商業の複合施設としてリニューアルされます。
設計・監修は日本を代表する建築家の隈研吾氏
「エースホテル」の大ファンという隈研吾氏。そして、新風館は隈氏にとって「近代建築家で最も敬愛している」という吉田鉄郎が設計したもの。そのディテールや美意識をどのようにいかし、新しい“隈研吾建築”として誕生させるのか、今から楽しみです。
なお、外装には、「杉」をはじめ「硫化イブシ銅板」「墨色コンクリート」「クリンプ金網」といった京都の街並みにとけ込む質感の素材を採用し、古都らしいシックで厳かな表情に。施設内には、京都ならではの「坪庭」から着想を得た「中庭」「通り庭」「光庭」「屋上庭園」の4つの庭を配置。ずっとホテルに籠っていても、京都の魅力が体感できそうです。
「エースホテル京都」では、回遊・交流・体験も
街のランドマークとしての機能も目指し、地下2階で地下鉄烏丸御池駅と直結するほか、商業エリアとなる1階は烏丸通、東洞院通、姉小路通に抜けられるパサージュが設置されます。中庭をハブにして、どこにでも抜けられるよう街への回遊性を高めるのが目的です。そのパサージュには長屋が並ぶ三条通のように京都の街を施設内に具現化。そこに高級店やハイブランドショップばかりを並べるのではなく、手作り工房など京都独自の店舗をメインに誘致する予定で、泊まるだけではなく、交流や体験を重視する「エースホテル」ならではのアプローチをプラスすることで街全体のにぎわいを高めていくそうです。
記者 小田 亮子
神奈川県出身。求人広告、結婚情報誌などの制作ディレクターを経てフリーランスに。現在おもにブライダル関連のレポートを「ゼクシィ」「ゼクシィPremier」にてディレクション。「ethica(エシカ)~私によくて、世界にイイ。~ 」ほか、エステティック、化粧品、ジュエリーなどの記事をライティング。三人姉妹の真ん中に育ち、女子高・女子大卒。趣味は愛猫(雌)との女子会。
ーーBackstage from “ethica”ーー
「エースホテル」は、“ミュージシャンやアーティストがツアーに訪れた際にゆったり滞在できる空間”をコンセプトに、フレンドリーな運営を行っています。また、ロックテイストのインテリアなど独特のセンスが魅力で、こういったこだわりの空間づくりは「エース風」と称えられているそうです。アメリカ発祥のホテルと京都の街がどう融合し発展していくか、とても楽しみです。
私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp