「江ノ電」や鎌倉を舞台でお馴染みの漫画のキャラクター「オチビサン」の完成発表に伺いました。
自然豊かな、ここ鎌倉は、環境問題やリサイクルへの意識が高いエリアとしても定評があります。今回は、鎌倉市民と行政、そして企業が団結して取り組んでいるソーシャルグッドな取り組みの一端をお伝えします。
鎌倉市役所の前に、原寸大の江ノ電の先頭車両が登場。そして横のベンチにはオチビサンが座っていました。
「江ノ電」や鎌倉を舞台でお馴染みの漫画のキャラクター「オチビサン」の完成発表に伺いました。
自然豊かな、ここ鎌倉は、環境問題やリサイクルへの意識が高いエリアとしても定評があります。今回は、鎌倉市民と行政、そして企業が団結して取り組んでいるソーシャルグッドな取り組みの一端をお伝えします。
鎌倉市役所前に、江ノ電の先頭車両が設置してあったのをご存知ですか。よく見ると、無数のブロックを組み合わせてできている原寸大の模型でした。そしてその横には、人気漫画家の安野モヨコさんが描くキャラクター、オチビサンが座っていて、こちらもカラフルなブロック製。展示期間中は、この江ノ電の中に入ってみたりオチビサンと一緒に記念撮影をしたりする親子の姿が多く見られました。
じつはこのブロックは、洗剤やシャンプーなどのつめかえパックを再生したもの。市役所の入り口の前には、空いたつめかえパックを入れる回収ボックスが置かれていました。
市役所の入り口に置かれた回収ボックス。この取材中にも「役所の用事のついでに」と、つめかえ後のパックをまとめて入れていく親子がいました。※現在、市役所からは撤去され江ノ電鎌倉駅構内に設置中
今回のこの試みは、鎌倉市とNPOのカマコン、さらに有志企業がタッグを組み推進している「鎌倉リサイクリエーション」のひとつ。リサイクリエーションとは、使い終えたものを再び資源に戻すリサイクルと、新たに価値を創造するクリエーションを合わせた新しい言葉。
そもそもエコの観点から作られたつめかえパックは捨てるしかなかったものですが、それをさらに別のものにリサイクルするという新発想で、今までにないものを作りあげました。
ちなみに、カマコンは、“鎌倉の魂をもつ人たちが集まる運命共同体”をうたう、地元で大注目されているITに強いNPOです。現在はITの領域を超えて、様々な人や企業が参加・協力をして、鎌倉を盛り上げています。その活動例の一つとしてあるのが、「津波が来たら高いところに逃げるプロジェクト」。そのイメージキャラクターにオチビサンが登場しています。
そんな鎌倉愛に熱いNPOと企業、そして市役所とのコラボレーションは、これからのエコな暮らしのヒントになるばかりでなく、みんなで楽しく参加できるうえに驚くほどクリエイティブ。今まで捨てていたものが、市民を楽しませてくれたり、役立ってくれたりするのです。
江ノ電の中に実際に入ることも可能。
運転席にあるボタンを押すと発車ベルが鳴るなど凝った作りに。
先述したとおり、鎌倉市民はエコ意識が高く、リサイクル率でいうと全国でもトップクラスだそうです。このつめかえパックの回収を始めて数カ月で、江ノ電とオチビサンの完成が叶ったほどです(2017年10月から回収を始め、2018年4月のイベント開催までに38745個のパックが集まりました)。
このように、市民が高い意識を維持している秘訣は、日々美しい自然の中に暮らしているからというのはもちろんですが、他県から転入してきた家庭にもエコやリサイクルに関する説明会を実施するなど、市役所でもこまやかな対応を行っているからと聞きます。
また、現在市では環境経営の取り組みを考えている市内事業者向けに、「かまくらエコアクション21」(http://www.ea21.jp/)という独自の制度を設けています。これにより、市全体でエコ活動の維持・推進に取り組んでいます。
こういった活動に地元企業が積極的に参加し、さらにエコへの取り組みに力を入れる大企業がノウハウを提供するなど、環境を守りたいと願う手と手がつながって、どんどん大きな輪に成長しているのです。
「リサイクリエイション」のロゴマークは、手と手をつないでいくイメージ。
今回ご紹介したNPOのカマコンですが、地元民には《面白法人カヤック》の方が、聞き馴染みがあるかもしれません。同社が中心となって、鎌倉の御成通りに「まちの社員食堂」を、鎌倉駅から徒歩3分の立地に「まちの保育園」をオープンさせたのは記憶に新しい出来事です。また、結婚式から葬儀、不動産などの事業も展開しているという、まさに鎌倉で暮らす人々のための地元密着企業。鎌倉に住みたい、鎌倉で働きたいという人は要チェックです。
面白法人カヤック
https://www.kayac.com/
2018年4月に行われた江ノ電完成式典に登壇された方々。左から、鎌倉市長 松尾崇氏、NPO法人カマコン 兼 面白法人カヤックCEO柳澤大輔氏、江ノ島電鉄株式会社 中沢俊之氏、合同会社テラサイクルジャパン エリック・カワバタ氏、花王株式会社 取締役 長谷部佳宏氏。
鎌倉在住の漫画家・安野モヨコさんの作品《オチビサン》は、鎌倉のどこかにある「豆粒町」を舞台にした作品です。鎌倉の自然が魅力的に描かれ、ほっこりできるストーリーも魅力。鎌倉の広報活動にも一役買っているので、まちのどこかでバッタリ出会えるかもしれませんよ。
オチビサンが座るベンチもブロック製。洗剤や柔軟剤のパックをリサイクルしているせいか、ほのかに良い香りがします。
記者 小田 亮子
神奈川県出身。求人広告、結婚情報誌などの制作ディレクターを経てフリーランスに。現在おもにブライダル関連のレポートを「ゼクシィ」「ゼクシィPremier」にてディレクション。「ethica(エシカ)~私によくて、世界にイイ。~ 」ほか、エステティック、化粧品、ジュエリーなどの記事をライティング。三人姉妹の真ん中に育ち、女子高・女子大卒。趣味は愛猫(雌)との女子会。
ーーBackstage from “ethica”ーー
リサイクルで作られたブロックの取り組みについては、以前にもエシカの記事で取り上げさせていただきました(http://www.ethica.jp/41104/)。その時に感じたのは、このブロックの使い方は無限大だということ。ブロックを実際に持ってみましたが、軽いのにとても強固ですので、たとえば積み上げて災害時の仮設住宅にしたり、机や椅子、ベッドにもできそうです。そしてそれが不要になれば、簡単にバラしてまた次に必要なものに姿を変えられます。こういったブロックならではの可能性に目をつけた企画・開発者にも賛辞を贈りたいと思います。
私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp
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