ヘアドネーションという言葉をご存知ですか?病気などでウィッグを必要とする子供たちに、自らの髪を提供するという活動で、最近では女優やタレントなど著名人による髪の寄付が話題となり、徐々に認知度も上がっています。では、このウィッグの製作に関わり活動をしているのは、どんな人々なのでしょうか?今回ethicaでは、「ヘアドネーション支援自動販売機」が設置されると聞き、その除幕式におじゃましました。
「愛のチャリティ」でウィッグを無償提供しているアデランス
「愛のチャリティ」とは、アデランスが1978年から行っている取り組みで、病気やケガなどで毛髪を失った子ども(4~15歳)に、オーダーメイドのウィッグをプレゼントする活動です。これは、アデランスが創業10年周年を迎える際に「何か社会貢献できることをしたい」と、社員にアイデアを募って始まったそうで、40年継続して実施されています。
「成長期であるというのはもちろん、水泳などの運動を行うという子供の生活を考慮したウィッグ製作を心がけています」とアデランス津村社長。また、チャリティ活動に社員が参加し、活動を肌で感じることで社員のモチベーションアップに繋がったことは、企業として大きかったそうです。
“髪の寄付”は美容師さんの発想から
アデランスと同様に、ウィッグを必要とする子ども達に無償提供活動を行っていたのが、NPO法人のJapan Hair Donation & Charity(JHD&C=通称ジャーダック)。美容室で廃棄される髪を活かしたいと、美容師さん達が有志で立ち上げたNPO法人です。こちらでは、寄付された髪で人毛100%のオーダーメイドフルウィッグを製作し、病気などで頭髪を失った子どもに届けるという活動を行ってきました。
そして、志を同じくするアデランスとの共働を2015年3月からスタート。プライバシーにも配慮した完全個室を備えるアデランスサロンで、採寸や引き渡しなどを行えるようにしました。さらに2016年からは、アデランスでウィッグの製作協力もスタートさせています。
地域に根ざすコカ・コーラ ボトラーズジャパンの自動販売機もコラボ
こういった髪にまつわるチャリティ活動がNHKの番組で紹介されたことがありました。それを見て感銘をうけたコカ・コーラ ボトラーズジャパン(株)の営業担当者が協力を申し出て、今回のような「ヘアドネーション支援自動販売機」は誕生。この自動販売機の売り上げの一部をジャーダックに寄付する仕組みをつくり、チャリティ活動のための資金源が少ないという課題に向き合う手段となりました。
コカ・コーラ ボトラーズジャパンといえば、その圧倒的な自動販売機の設置台数はご存知の通り。なんとコカ・コーラ ボトラーズジャパンの販売エリア内には70万台以上もあり、1億1200万人をカバーしていると言われます。その網羅性をいかし、各地に根ざした地域貢献活動にも尽力。もちろん、ヘアドネーション以外の寄付型自動販売機も多く展開しています。さらに、災害対応型自動販売機(大規模災害発生時、無償で製品を提供できる自動販売機)の設置など、様々な社会貢献型自動販売機を展開しています。
日本中どこにでもあり、瞬時に安全な飲料が確保できる自動販売機だからこそ実現する、独自の社会貢献といえます。
こういった3つの法人が手を取り合い、今回の「ヘアドネーション支援自動販売機」の設置が実現。現在はアデランスの本社をはじめ、賛同企業や美容専門学校などに22台ほど設置されていますが、今後は場所や設置台数を増やし、1年以内に100台を目指していくそうです。
記者 小田 亮子
神奈川県出身。求人広告、結婚情報誌などの制作ディレクターを経てフリーランスに。現在おもにブライダル関連のレポートを「ゼクシィ」「ゼクシィPremier」にてディレクション。「ethica(エシカ)~私によくて、世界にイイ。~ 」ほか、エステティック、化粧品、ジュエリーなどの記事をライティング。三人姉妹の真ん中に育ち、女子高・女子大卒。趣味は愛猫(雌)との女子会。
ーーBackstage from “ethica”ーー
「みんなと地域の日々に、ハッピーな瞬間とさわやかさを」を企業理念にしているコカ・コーラ ボトラーズジャパン。こういった寄付型自動販売機は、その役割を知ってもらえれば数メートル遠い自動販売機でもわざわざ移動して購入しようという人も多いそうで、結果、子ども達のハッピーにつながっていきます。日々なにげなく利用する自動販売機ですが、ちょっと意識してチェックしてみたくなりました。
私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp