20世紀を代表するハリウッド女優オードリー・ヘプバーン。その可憐な姿は「永遠の妖精」と謳われ、生前のオードリーを知らない世代をもその魅力の虜にさせてしまい、今尚愛され輝き続けている存在です。そんな彼女の作品約150点が並ぶ「写真展 オードリー・ヘプバーン」が2020年1月2日(木)〜7日(火)まで新宿高島屋にて開催されます。
オードリー・ヘプバーンの活躍
小さな舞台や映画の端役をしていたオードリーは、監督ウィリアム・ワイラーに見染められ「ローマの休日(1953)」でハリウッド初主演でデビューを果たし、いきなりアカデミー賞主演女優賞を受賞。その後も「麗しのサブリナ(1954)」「ティファニーで朝食を(1961)」「マイフェアレディ(1964)」など絶大な人気を博しました。同時に映画史のみならず、映画の衣装がファッションの流行となり、同世代のファッションアイコンとしてファッション史においても様々な影響を与えています。
女性の美の基準を変えたオードリー
当時の女性の美の象徴は、やグラマラスで華やかなマリリン・モンローやエリザベス・テイラーでしたが、オードリーはスレンダーでむしろ正反対なタイプ。しかしオードリーにとって長年コンプレックスだったという、豊かでない胸、顎のエラ、歯並びなどはチャームポイントとして愛されました。オードリーの大きな瞳と華奢で長い手足はそれまでの女優のイメージを一新し、映画監督ビリー・ワイルダーに「この女性が大きな胸の魅力を、過去の遺産にしてしまうだろう」とまで言わしめました。
スレンダーな体型を活かしたオードリーの映画の中の衣装の多くは、生涯の友人でもあったユベール・ド・ジバンシイが手がけています。「麗しのサブリナ(1954)」ではくるぶし丈のサブリナパンツが、「昼下がりの事情(1957)」では顎の下までスカーフで包み込む”アリアーヌ巻き”がブームを巻き起こしました。リトル・ブラックドレスにサングラスをかけたハイセンスなモードスタイルを生み出した「ティファニーで朝食を(1961)」は、真似をする女性が続出し、当時社会現象となりました。これらの衣装は、活発でチャーミングなオードリーの内面の魅力も際立たせています。
ユニセフの親善大使としての一面も
大活躍のオードリーでしたが、後世は女優業を控え、ユニセフ(国際連合児童基金)の親善大使として、アフリカや南米、アジアの開発途上国の援助、子どもたちの救済のボランティアに精力的に取り組みました。彼女は幼少期第二次世界大戦を経験しており、その際ユニセフの前身団体であるアンラに救われたことから、残りの人生は貧困国の恵まれない子どもたちへの支援活動へ充てたいと自ら志願。「私は全人生をこの仕事のためにリハーサルしてきて、ついに役を得たのよ」と語っています。
オードリーの慈愛にみちた働きぶりについて、国連の報道写真家ジョン・アイザックは「身体中に蠅のたかった子どもたちにしばしばあったが、彼女(オードリー)は嫌な顔一つせず彼らを抱きしめる。(中略)子どもたちは吸い寄せられるように近づいてきて、彼女の手を握ったりまとわりついたりしてくるんだ」と当時の様子を振り返っています。
亡くなる直前、ユニセフでの献身的な活動が讃えられ、当時のアメリカ合衆国大統領ジョージ・H・W・ブッシュからアメリカ最高位の勲章である「大統領自由勲章」を授与されました。
世代を越え愛され続けるオードリー
本展は、映画・ファッション・プライベートをテーマにした一流のハリウッドフォトグラファーによる写真作品150点の三部構成となっており、彼女の素顔も覗けるプライベートの写真も多数あります。
可憐な容姿で「永遠の妖精」とも謳われるオードリーは、映画女優のみならずファッションアイコンとして多くの人々に影響を与え続けてきました。それは亡くなってから30年近くたつ現在においてもなお色褪せることなく人々を惹きつけ、憧れの存在であり続けています。写真からも伝わるオードリーの気品とチャーミングさ、そしてその眼差しの輝きは、内面から溢れ出る彼女の慈愛に満ちた振る舞いや生き方からくるものなのかもしれません。
[展示会詳細]
「写真展 オードリー・ヘプバーン」
期間:2020年1月2日(木)〜7日(火)
入場時間:10時~19時30分(20時閉場)
※但し1月3日(金)・4日(土)は20時迄(20時30分閉場)、最終1月7日(火)は17時30分迄(18時閉場)
会場:新宿高島屋 11階特設会場
住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷5-24-2
入場料:一般800円、大学・高校生600円、中学生以下 無料
[問い合わせ先]
新宿高島屋
03-5361-1111(代表)
https://www.takashimaya.co.jp/shinjuku/audreyhepburn/
記者:りりこ
京都育ちの女子大文学部卒です。日本の伝統文化が大好きで、茶道や日舞、合気道などをお稽古しています。京都の老舗旅館に勤務したのち上京。2019年10月よりethica編集部に参加。
日本の伝統文化のサスティナブルな一面に惹かれています。現代の暮らしにイイとこ取りして、令和時代的・豊かなライフスタイルを提案していきたいです。
私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
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