嬉しかったこと、苦しかったこと
萱島: これまでいろいろな試合に出てこられたと思いますが、その中で嬉しかったこと、苦しかったことなど何か印象に残っているシーンやエピソードはあればお聞かせください。
船水さん: 一番印象に残っているのは、さっきもいった2016年の国別対抗戦ですね。車いすテニスを競技として本格的にやろうと決心するきっかけとなった試合ですから。自分の中では一番印象に残っています。
悔しかったのは、ジュニア世界マスターズといって、世界のジュニアのトップ8人だけが出場できる大会があるのですが、その2018年の大会ですね。決勝戦でアルゼンチンの選手と対戦して、途中までリードしていたのですが、結局負けてしまいました。今までの人生の中で最も大きな試合でしたから、あの時は本当に悔しかったですね。
大会が行われたフランスはテニスのメッカでもあって、お客さんもたくさん見ていました。マッチポイントを取ると拍手をして、会場全体で盛り上げてくれる雰囲気がすごくて、私はそれに動揺してしまってマッチポイントを何本も逃してしまったんですよ。
でも、初出場だった私に対して、相手の選手は毎年この大会に出ているので落ち着いていて、その差が出たのかもしれませんね。
その時、大会では結果を残すことができなかったのがとにかく悔しかったのです。
萱島: 高校生になってから本格的に練習をスタートして、わずか3年でジュニアの世界一ってすごいですよね?その大会では悔しい経験もされてますが、きっとまた次につながるのではないかと思います。
次に、現在は筑波大学の1年生ということですが、大学生活についてもお聞きしたいです。
船水さん: この春に入ったばかりですが、今も高校時代と変わらず、朝は6時半から8時半に練習してから授業に行きます。
(後編に続く)