ethicaがメディアパートナーとして参加した「サステナブル・ブランド 国際会議2019 東京」。そこで行われたセッションの一つをご紹介しましょう。題目は“再生可能エネルギー”について。お話をされたのは、「RE100」に参画している企業でもある大和ハウス工業(株)、ソニー(株)、アスクル(株)の3社です。それぞれの企業の特色や得意分野を活かした施策や今後の目標などが語られました。(記者:エシカちゃん)
「RE100」とは?どんな企業が参加している?
「RE100」とは、使用する電力の100%を再生可能エネルギーにより発電された電力を使用するという目標に取り組んでいる企業が加盟する国際的な企業連合です。加盟企業は166社あり、うち日本の企業は17社(2019年3月現在)。日本の代表的な企業としては、リコー、アスクル、大和ハウス、ソニー、和民、イオンなどがあげられます。ちなみにアメリカだと、アップルやマイクロソフトがその代表格です。
キーワードは「自然エネルギー」と「脱炭素エナジー」。自然エネルギーとは、太陽光・風力・地熱・水力、さらにバイオマスにより発電された電気のことで、これらのエネルギーを選ぶことで脱炭素が実現。つまり、地球温暖化などの環境問題を解決する手段の一つとなります。
大和ハウスの取り組みに注目
今回のセッションでethicaがとくに注目したのは、ライフスタイルという観点から環境問題を考え、様々な取り組みを行っている大和ハウスグループ。同社では、世界中のサステナブルなアイデアを積極的に取り入れ、私たちの身近な問題として発信も行っています。
大和ハウスグループ公式サイト【サステナブルジャーニー】
https://www.daiwahouse.com/sustainable/sustainable_journey/
そして大和ハウスといえば、日本を代表するハウスメーカーで、「安心」「快適」などのキーワードがすぐに浮かびますが、じつは環境大臣より“エコ・ファースト企業”としても認定を受けている会社でもあります。
セッションの中で、大和ハウス工業の小山氏は「このまま環境破壊が進み、自然災害が多くなれば、土地を買い家を持ちたいという希望そのものが減少してしまいます。そこで、社内の動きとしては、COP3(京都会議)を受けて、10年ほど前から屋根一体型太陽光発電システムを発売するなど環境に配慮した製品開発に取り組んできました。ハウスメーカーとして経済を盛り上げながら、再生エネルギーの活用も進めていきたいと考えています」。
ちなみに、大和ハウスグループのこの後の取り組みも目覚ましく、快適に住める家からさらに一歩先を行く“スマートハウス”という言葉も登場。より省エネで、かつ便利な暮らしを提案しています。そしてこの開発にあたっては、様々な企業とコラボレーションしている点も見逃せません。
「RE100に参加して良かったと思う事の一つは、他業種の担当者ともじっくり話ができることでしょうか。メンバー会も発足して定期的に話し合いをしていますし、政府に対しても提言がしやすくなりました」と小山氏。
様々な業種に新しいマーケットが作られ、経済がまわっていくことで環境が良くなっていくことは、まさに理想的な循環です。
目標は2040年までに再エネ率100%
現在、大和ハウスグループが目標として掲げているのは、2040年までに再エネ率を100%にすること。ちなみに、2017年度は63%を達成。太陽光に加え、風力、水力を活用しています。直近の目標としては2020年に80%を達成し、さらに電力量を拡大し、2030年までに電力使用量を上回る再エネ発電を建設・稼働させて順次自家消費に切り替えていき、2040年には全ての使用電力を再エネで賄う、というのが、目標達成への道筋となっています。
なお、他の企業でもRE100の達成を2040年度に設定しているところが多く見られました。20年後は、エネルギーの概念が大きく変わっているかもしれません。
記者:エシカちゃん
白金出身、青山勤務2年目のZ世代です。流行に敏感で、おいしいものに目がなく、フットワークの軽い今ドキの24歳。そんな彼女の視点から、今一度、さまざまな社会課題に目を向け、その解決に向けた取り組みを理解し、誰もが共感しやすい言葉で、個人と世界のサステナビリティーを提案していこうと思います。
ーーBackstage from “ethica”ーー
次週のethicaでは、小山氏の個別インタビューをご紹介します。「私によくて、世界にイイ」も語っていただきました。
私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp