私は、文部科学省が展開する「トビタテ!留学JAPAN」の9期生として1年間ドイツに滞在しました。そこで学んだこと、感じたことを綴っていきます。
教会と地域のつながり
今日は私のお気に入りの場所と大切な時間について共有します。この場所との出会いは私の中ですごく大きくて、たくさんの希望をもらったし、日本に帰ってからの目標を見つけるきっかけにもなりました。
(はじめに私はキリスト教徒ではありません。)
私は週に約3回、キリスト教関連の場所に行っています。
毎週木曜日は近所の教会に属する合唱団へ!賛美歌を習っています。教会での特別なミサで歌うこともあります。
いたるところに教会のあるドイツでは、地域のつながりがとても強いと感じます。それは教会の存在があるからかもしれません。ミサは毎週日曜日ですが、教会には基本いつでも入ることができます。日曜日のミサには近所の人がみんな集まります。なかには80歳のおじいちゃんやおばあちゃんも。毎週、外に出て、地域の人に会って、そして人生について考えたり感謝したりする機会が身近にあることはとても良いことだなと思います。
隣町の近代的な教会
週に2回、隣の町の教会にも行っています。
1度はJugend(ドイツ語でyouthを表す言葉)と呼ばれるコミュニティーの集まりへ。そして毎週日曜日は、子どもからお年寄りまでがたくさん集まるミサへ!
こちらは伝統的な教会とは大きく異り近代的です。あまりにも他の教会と違うので、初めて来た時は教会だと信じられませんでした。(エバンゲリッシュと呼ばれるプロテスタントの教会です)
「あたりまえ」に感謝する時間
Jugendでは 20歳前後の若者が集まって、ゲームをして交流したり、キリスト教について考えたり、人生について話したり、誰かが問題を抱えているときはみんなで祈ったりもします。この教会に集まる人は皆キリスト教への想いがとても強いように感じます。同じキリスト教といっても、毎週必ず教会に行く人もいれば行かない人もいる。毎日祈る人もいればそうでない人もいる。みんながキリスト教になることを望んでいる人もいれば、人それぞれ違って良いと考える人もいる。いろいろな形があります。
私がドイツに来てから、地域のミサに参加したり、ホストファミリーと宗教について話してきましたが、私が大切だと感じるのは宗教の種類や信仰心の強さよりも「日常に感謝する時間を持つ」ということ。
1週間の終わりともいえる金曜日の夜、彼らは一週間の感謝の気持ちを(イエスキリストに)伝えるために集まっているのです。
「今日もこうしてここに来させてくれてありがとう。」
「今日も健康でいられることに感謝します。」
「こうして家族みんなで温かい食事ができることに感謝します。」
こんな風に「あたりまえ」に感謝する時間が素敵だなと私は思います。日本ではあまり経験することのない瞬間です。
教会で出会った友達
ドイツでは大学に通っていないこともあり、友達作りに苦労していた私は、この教会に来て本当に救われました。みんなびっくりするほど親切。これも、日常に感謝することから繋がっているように感じます。一人の子は、「イエスキリストはすべての人の幸せのために死んだ。だから人に優しくすることは私たちの使命でもある」と言っていました。こんな風に見返りを求めることなく、他者に対しても優しさを持てる人がたくさんいる場所なのです。
私に居場所を与えてくれたこの教会とそこで出会った友達にすごく感謝しています。
記者:スミレ
1997年生まれ。千葉県出身の大学生。トビタテ9期生として、2019年1月よりドイツに留学。2016年よりNPO法人じぶん未来クラブにて学生ボランティアとして活動。日本各地で行われる教育ワークショップにてこれまでに1000人以上の子どもたちと関わる。ボランティアリーダーとして各ワークショップを率いたり、新規ボランティアを対象とした研修等も行う。学業やアルバイトからは得ることのできない「ボランティアの魅力」を1人でも多くの学生に伝えたいとの想いのもと、「ボランティア先進国」と呼ばれるドイツにてボランティアを行いその仕組みを探る。
Pay it Forward ~優しさは連鎖する~
私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp