自らは非喫煙者で、フィリップ モリス ジャパンに入社するまでタバコとは全く縁のない人生を送ってきたという濱中祥子さんは今、「煙のない社会」を目指して日々活動されています。
そんな濱中さんは、海外留学されたご経験がおありだそうです。後編ではその頃のことを語っていただきました。
(聞き手:ethica副編集長・萱島礼香)
Photo=Kaori Uchiyama ©TRANSMEDIA Co.,Ltd
自らは非喫煙者で、フィリップ モリス ジャパンに入社するまでタバコとは全く縁のない人生を送ってきたという濱中祥子さんは今、「煙のない社会」を目指して日々活動されています。
そんな濱中さんは、海外留学されたご経験がおありだそうです。後編ではその頃のことを語っていただきました。
(聞き手:ethica副編集長・萱島礼香)
濱中: 法政大学の2年生の時、10カ月間、アメリカに行きました。カリフォルニア州のサクラメントの近くにあるUCデービスという学校でした。
萱島: そこでは何を勉強されたのですか?
濱中: 法政では法学部の法律学科に在籍していたのですが、UCデービスはのどかな田舎町にある農業の盛んな大学で、私も生物学や農業に興味があったので、そのような授業もとっていました。
萱島: 留学時代で一番印象に残っていることは何ですか?
濱中: 実は私、高校生の頃に食べ物との関係で苦労したことがあります。肉とか脂とかを体に入れることに抵抗があって野菜しか食べられないという、いわゆる摂食障害に悩まされました。特に加工食品がダメで、何が入っているのか分からないものを体に入れることができなかったのです。
それが治るきっかけになったのがUCデービスに行ったことでした。UCデービスで農業を学ぶ中で、学校の中の実験的なファームでオーガニック野菜やハーブを育てていました。
その、大学内にあるコミュニティガーデンで、週に3時間インターシップを経験し、近くに住んでいる子供たちと一緒に、食べ物から作ったコンポストを土に戻してそれがまた食べ物になっていくというサイクルを肌で感じていました。
するとそのうちに、自分の中でも食べ物に対する考え方が徐々に変わり、何かがストンと落ちたようなところがあって、食べ物との折り合いが自分でつけられるようになっていきました。おかげで10kg太ってしまいましたけどね(笑)。
それは私の人生の中でも大きな経験でした。今でも食に関してはすごく興味があって、今は環境の視点で食べるものを選んだり、意識して食べることはありますが、少なくとも当時のように自分が苦しむような食べ方ではなくなりましたね。
Photo=Kaori Uchiyama ©TRANSMEDIA Co.,Ltd
留学は濱中さんにとって人生の大きな転機になったようです。ご本人も今、「留学を経験してよかったと今改めて実感している」といわれます。
現在の仕事を生き生きとこなしている濱中さん。将来の夢は何なのでしょうか??
濱中: 今、都心に住んでいるのですが、もう少し自然に近いところに住みたいですね。当社でもフレキシブルな働き方の導入が進んでいて、週に一回は家で仕事をすることができます。日本でこのような状況がもっと進めば、全員が都心に住まなくても大丈夫な日が来るかもしれませんね。今後、どこに住むかにかかわらずサステナビリティに携わり続けていきたいと思います。日本各地の先進的な取り組みについてもっと学び、世界に発信していけたら素敵ですね。
あと、社会人になってからボランティアを始めたのですが、今、なかなか時間をとれていないので、もう少し参加できるようになりたいです。
Photo=Kaori Uchiyama ©TRANSMEDIA Co.,Ltd
萱島: ボランティアは楽しいですか?
濱中: 楽しいですね。人のためにというよりも自分のためにやっているみたいなところがあって、自分自身の勉強にもなりますし、何よりも仕事では出会えないような人と知り合えるのがいいですね。当社社員が参加する被災地支援のボランティアも、現地の方々と交流できたり、日本全国で働く仲間と顔を合わせることができたり、多くの気づきを得られる機会です。
萱島: 以前インタビューした人も同じようなことをいっていましたよ。ボランティアは自分が楽しくないとやる意味がない。自分自身が楽しんで、その結果として誰かのためになれば最高だって、その人はいっていました。
濱中: 私も全く同じ考えです。自分が楽しいからやっているんです。
萱島: では、これが最後の質問です。「エシカ」はグランドコンセプトとして「私によくて、世界にイイ。」を掲げているのですが、濱中さんにとって「私によくて、世界にイイ。」こととは何でしょうか?
濱中: とっても平凡な話で恐縮ですが、毎日着る洋服ですかね。私は今、ほとんど古着しか買っていなくて、今日の洋服も靴以外は全部そうです。誰かがいらなくなったものは誰かが欲しいもので、洋服が世の中を循環することはみんなのためになっています。古着を通して本当にそれを実感していて、それこそが私にとっての「私によくて、世界にイイ。」ではないでしょうか。
萱島: 今日は貴重なお話をありがとうございました。
濱中: こちらこそありがとうございました。
フィリップ モリス ジャパン 濱中祥子
法政大学法学部で国際政治を学ぶ傍ら、一年間、UC Davisに留学。一橋大学大学院社会学研究科では日本におけるフィリピン人女性移民とその家族の市民権に関する研究。卒業後は外国語での広報活動を専門とする代理店に入社。2015年5月にフィリップ モリス ジャパンに入社。フィールドセールスを経験。2016年1月からコーポレート・アフェアーズで渉外を担当。2019年5月からコーポレート・サステナビリティの担当に着任して今に至る。
聞き手:ethica副編集長 萱島礼香
法政大学文学部卒。総合不動産会社に新卒入社。「都市と自然との共生」をテーマに屋上や公開空地の緑化をすすめるコミュニティ組織の立ち上げを行う。IT関連企業に転職後はwebディレクターを経験。主なプロジェクトには、Sony Drive、リクルート進学ネットなどがある。その後、研究機関から発足したNPO法人に参加し、街の歴史・見どころを紹介する情報施設の運営を担当した。2018年11月にwebマガジン「ethica」の副編集長に就任。
ーーBackstage from “ethica”ーー
濱中さんが実は同じ高校出身であったとお聞きしてビックリ。私が通っていた当時も、食の安全性、サステナビリティ、女性の人権や高齢化社会についてなど、様々な社会課題について調べ、話し合い、考えるというアクティブラーニングを実践していた学校でした。あの頃の学びは、濱中さんの現在のご活躍へと繋がっていると感じました。キラキラとした青春時代を過ごした母校を懐かしく思い出します。
私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp
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