私の人生のテーマは「逆転」であり「サステナブル」
大谷: そしてその後、S&Iを経てフィリップ モリス ジャパンに辿りつくわけですね?
井上: S&Iはアップル時代の同僚が執行役員をやっていて、また何か違うことをやりたいなあと思っていた時に声をかけてもらったので移って経営企画室に入りました。でも、結局S&Iには9カ月しかいなくて、ヘッドハンティングされてフィリップ モリス ジャパンに移りました。
大谷: お話を伺っていますと、井上さんのこれまでの人生はサステナブルな理念が留学時代からずっと今につながっているのではないかと、そんな気がしますね。
井上: 私の人生のテーマは「逆転」であり「サステナブル」なんですよ。
そもそもの話がアメリカから帰ってきたら就職できなくて、受けてみたら受かったのが東大の法学部で、高校時代の同級生がみんなビックリしたというところから始まっているのです。
私のこれまでの人生が、どうしてサステナブルにつながっているのかといいますと、サステナブルというのはきれいごとの話ではないんですね。美しい絵を描いて、それに向けてこんなことをやっていますということを話すのがサステナビリティではないと思っています。たばこ会社のフィリップ モリス ジャパンが、売っている商品そのものが社会にインパクトがある最重要課題と認識して行動していくという当社のサステナビリティ戦略に繋がっています。
それを考えていくこと自体が自己否定にもなり得るのですが、自分の逆転人生の経験を踏まえて、建設的な自己否定からイノベーションを生みだし、相容れない2つのものをしっかり受け止めて、その中から解決策を見出していくには当然、忍耐もいりますが、そこにやりがいも生まれますし、コミットメントも生じるわけですよ。
大谷: 今のお話で、なぜ今この時期に井上さんがフィリップ モリス ジャパンを選ばれたのかがよく分かりました。