イケアがこれから一番力を入れていくのはサーキュラーデザインです。最初から商品のデザインをシンプルにするために9つのサーキュラーデザイン基準を作りました。例えば、再生可能な素材やリサイクルされた素材を使って部品を少なくして標準化します。(Standardize)
具体例を挙げますと、SMÅTORPというソファでは、普通のソファはプロダクション・パーツが120個ぐらいありますが、そのソファは13個しかありません。そうすればサプライチェーンの無駄を減らすことができますし、お客さまもイケアももっと簡単に修理できるようになります。
そして、皆さんも引越しをされると思います。組み立ても簡単にしなくてはなりませんが、解体も簡単にしないといけません。今まではネジやクギを多く使っていましたが、これからはWedge Dowelというネジやクギを一切使わない接合方法により、何度も解体、組み立てを繰り返してもダメージを受けにくい方法を増やします。
そして、商品がリサイクルされる時のことも考えないといけません。どんな素材をミックスして使うかによっていろいろな問題が派生してきます。燃えやすいものを金属とミックスしてしまうと火事になることも考えられますので、そのような問題を未然に防ぐためにこのサーキュラーデザインのプロセスではリサイクルも最初から考えます。
そしてソフトな面では商品にストーリーを作ることも大切です。お客さまは自分が持っている商品に愛着があれば捨てなくなります。そうすれば商品のライフタイムは延長されます。
このように全ての取り組みでサーキュラーデザインをセットアップして、イケアは2030年までには全ての商品に採用したいと思っています」