「私によくて、世界にイイ」が実現できる、エシカルな暮らし・食のカタチってなんだろう。仕 事に家事に育児に…日々生活を回すだけでも大変な私たちにとって、新しく行動を起こすのはエ ネルギーも時間も使うし、ハードルが高く感じてしまうもの。 でも日々の暮らし、一日三度のごはんを、少しでも”良い”ものにできたら? 当たり前の毎日のなかで、大切な家族も、世界も、そして私自身もほんのちょっぴり幸せになる ような選択をしていけたらいいなと思うのです。
腸を整えるごはん(発酵食品のこと)
第2話では、季節の変わり目に現れやすい体の不調とのお付き合いについて、私なりの方法をお話しさせていただきました。
今回の第3話では、前回少し触れた「腸を整えるごはん」について、発酵食品のことを中心にお伝えできればと思います。
お味噌、醤油、納豆、お漬物、甘酒などなど… みなさんご存知の通り、日本には豊かな発酵文化があります。
幼い頃、祖母が自家製のぬか床できゅうりやなす、人参を漬けてくれていて 遊びに行った時に一緒に取り出して食べるのが小さな楽しみでした。
その経験からか、今も特に暑い時期になると浅めに漬かったきゅうりのぬか漬けをぽりぽり食べたくなるので、夏はわが家のぬか床には常にキュウリがスタンバイしています。笑
甘酒は炊飯器で簡単に作れるので、まとめて作って小分け保存して娘のおやつ作りになど、砂糖の代わりとしてもよく使っています。
最近のお気に入りはオリーブオイル醤油納豆。 納豆をあまり好んでは食べなかった夫も、これはおいしい、と毎朝家族で一緒に食べています。
近年健康にも良いと注目され、日常的に取り入れている方も多いかと思います。
私も元々納豆やお漬物は好きでよく食べていましたが、発酵食品の良さを知って、いろんなものを意識的に食べるようになりました。
発酵とは?
発酵には、主に3種類の微生物(麹菌、カビ菌、細菌)が関わっています。 発酵と同様微生物が関わる作用には「腐敗」がありますが、その違いは人にとって 有益がどうかというだけで厳格な決まりはありません。
発酵食品は、微生物のパワーによって
・食材そのものの旨味を引き出し、栄養価をあげてくれること
・保存性を高めてくれること
・腸内環境を整えてくれること
などなどたくさんの魅力が詰まっています。
特に腸は人体最大の免疫器官と言われていて、体内の免疫細胞の約60%が存在しています。 そのため腸内環境の悪化は免疫力の低下につながり、便秘や肌荒れ、風邪を引きやすくなるなど 様々な不調の原因に…。 健康的な腸内細菌のバランスは「善玉菌:日和見菌:悪玉菌が2~3:6~7:1」であることが理想 とされています。 発酵食品に含まれる乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌は、免疫細胞を活性化させる働きがあ り、積極的に摂ることで腸内環境を整えながら免疫力も高める効果が期待できます。
また、微生物によってすでにタンパク質や糖などが分解されているため、 体内に入ってから消化に必要なエネルギーや消化酵素を多く消費せずにすむのです。。
気をつけたい発酵食品
お味噌や醤油などの調味料をはじめ、ヨーグルト、キムチ、納豆など ほとんどの発酵食品は身近なところで手に入ります。 しかし中にはちゃんと発酵のプロセスを経たものではないものも、、
保存料や防腐剤などが添加されているものは要注意です。
善玉菌を殺し、かえって腸内環境を悪化させてしまうこともあります。
まずはちゃんと醸造された調味料や、天然の塩だけで漬かったお漬物を探してみてください。
そのような食品の原材料欄はシンプルで「大豆、米、麦、塩」など、私たちが見ても原材料が何なのか、わかるようなものだけが並んでいます。
毎日の食卓に発酵食品を
発酵は自然界の働きであり、気候風土、環境によって存在する菌は多種多様です。 自分が住む土地で作られたものが一番体に合っているとも言われます。
選び方を少し注意するだけで、手軽に毎日の食卓に取り入れられる自然にも人の体にもイイ発酵食品。
あたたかくなって発酵が進みやすくなるこれからの季節、手作りしてみるのも楽しいかもしれま
せん。
おまけレシピ 〜オリーブオイル醤油納豆〜
材料(基本の分量)
・納豆 1パック(45gのものを使用)
・エキストラバージンオリーブオイル(小さじ1)
・醤油(小さじ1⁄2)
材料全てを好みの分量で混ぜる。それだけです。
オレイン酸やビタミンEが豊富に含まれるオリーブオイル。 自律神経を整えて腸の働きも良くしてくれる効果があります。 ミネラル、アミノ酸がバランスよく含まれる醤油、 酵素や食物繊維が豊富な納豆と合わせることで、相乗効果が期待できます。
お好みでネギなどの薬味やキムチを混ぜても◎ いつもの納豆にオリーブオイルをひとさじ加えることで、まろやかさとコクが出て 一層美味しくなります。
ご存知の方も多いかもしれませんが、ぜひ一度お試しください!
季子(キコ)
京都在住の一児の母親。高校生のころ「食べたもので体はできている」という言葉と出会い食生活を見直したことで、長い付き合いだったアトピーが大きく改善。その体験をきっかけに食を取り巻く問題へと関心が広がり、大学では環境社会学を専攻する。
産後一年間の育休を経て職場復帰。あわただしい日々のなかでも気軽に取り入れられる、私にとっても家族にとっても、地球にとっても無理のない「いい塩梅」な生き方を模索中。
私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp