大谷: たしかに今回の広告は、今だからこそできたのであって、10年前だったら絶対に実現しなかったのではないかと思いますね。
砥川: おっしゃる通りです。自分としては、そこに大きな意味があると思っていて、10年前だったら、自分のところの広告を他の会社に貸すとか、なおかつそれを塗り潰して使うなんてことを誰もOKしなかったでしょうね。
でも、今の時代であれば、そういうことに共感して協力してくれる企業があるということ自体がプロモーションになるという時代に変わっていて、そこに賛同して頂いたことには大きな意味がありますね。
大谷: 周りの反響はどうですか?
砥川: 広告を出した後のSNSを見ると、ECOALFはもちろん、協力している企業が格好いいという声がたくさんありました。そういわれるのは僕にとって本意で、それはお互いにウインウインだし、逆にいうと、あそこに加わりたかったと思った企業もたくさんあるはずで、それぐらい社会が変わってきているんだということを実感しました。これが今回の広告が象徴していることじゃないでしょうか。
大谷: それにしても、社会的にはそういうムードが高まっているとしても、あれだけの有名な企業にロゴを貸してくれといって口説くのは大変だったのではありませんか? そこはどうやって攻略したのでしょうか?
砥川: そこは一緒にやっているGOのプロデューサーチームがすごく優秀で。企画の意図するところをきちんと話して協力して頂ける企業を1社ずつ募っていきました。
そもそも企業にもそうした気運があって、普通、企業がやっているCSR的な事業というのは、とてもいいことをしているのに、それが世の中的に見えづらかったり、そのまま出してもニュースバリューがなかったりでほとんど伝わっていないんですよ。
その意味でいうと、今回の取り組みは、いいことでありながら自分たちの思想をきちんと伝えることができて、必ずしも自分たちの事業の話はしていなかったとしても「そういうことに共感する企業なんです」とか「そういうことをやっている企業なんです」というアピールができる方法としては、賛同して頂きやすかったんじゃないかと思います。
実は掲載した企業以外にも賛同して頂いた企業が意外とたくさんあって、やりたいけどポスター自体がもうないとか、タレントの許可がもらえないといった理由で諦めた企業も結構あるんです。
大谷: そうなると、第2弾、第3弾が楽しみになりますね。
砥川: そうですね。面白い取り組みなので、ぜひ続けてやりたいですね。
(後編に続く)