企業のサステナビリティを考える上では、自社が社会に与えているインパクトがどういうものか、どういう問題であれば解決の一助を担えるのかを理解することが重要だと思っています。
喫煙の健康への悪影響は、当社が社会に与えている最大のインパクトで、その事実を認識することから当社のサステナビリティが始まります。
今も申し上げたように、喫煙は害のある行為で、今たばこを吸っていない人はこれからも喫煙しないことが一番です。喫煙を始めないことでしか喫煙関連疾患のリスクを完全に避けることはできません。
そして、すでに喫煙をしている人は禁煙することが最善の選択肢です。これは何回もお聞きになった話だと思いますが、お伝えし続けていく必要のある事実です。
一方で、WHOが発表した今後の喫煙者数の推移では、2025年になっても世界中で10億人以上の人が喫煙を続けるだろうといわれています。今後も喫煙という問題はすぐになくなるものではないというこの現実を、私たちはしっかり見つめなければならなりません。
そこで、フィリップ モリスは4年ほど前から、この問題に真正面から取り組むために紙巻きたばこの製造と販売を1日も早くやめることを目指すという姿勢を打ち出していきました。
しかし、私たちが「明日たばこの製造と販売をやめます」と言っても、私たちだけがたばこを販売している訳ではないので、世界から喫煙者がすぐにいなくなるとは考えづらいでしょう。では、今私たちは喫煙問題に対して何をできるのか。フィリップ モリスが選んだアプローチは、紙巻きたばこを吸っていてこれからもたばこを吸い続ける意志のある成人喫煙者に、紙巻きたばこと比較してよりよい製品を提供することです。