2月19日・20日、パシフィコ横浜で開催された「サスティナブル・ブランド国際会議2020横浜」(SB 2020 YOKOHAMA)のオープニングを飾るプログラムとして19日9時50分から「PLANARIES(本会議)」が行われました。そして、その冒頭「ジェネレーションZと次世代の経済」と題し、Z世代を代表として海洋プラスチック問題を中心に環境問題に取り組んでいるNPO法人「UMINARI」代表理事・伊達敬信さんと、現在、世界中を飛び回り映像作家・ジャーナリストとして各地のさまざまな社会問題を取材している慶應義塾大学2年生の小西遊馬さんが登壇しました。前編の伊達さんに続き、小西さんの貴重な提言をご紹介しましょう。
当日の会場では、小西遊馬さんの処女作となるドキュメンタリー映像(※注)がダイジェストで上映されました。
映像作家・ジャーナリスト 小西遊馬さん(慶應義塾大学2年生)
僕がこうした活動を始めた理由は単純で、見て見ぬふりをしていることが辛くなってしまったからです。見て見ぬふりをして、将来後悔したり、恥ずかしくなった時、自分は生きていてよかったなと、そう思えなくなってしまうかもしれません。それがとても怖くなりました。
こうした思いを抱いているZ世代は少なくありません。今、自分は足を切り落とされ、親を殺されたといって悲痛な表情を浮かべる少年の動画をご覧いただきましたが、通常であれば再生されないようなこうした動画も、SNSで4000シェアを越え、何万人にも再生されました。
また、拡散からの反響は大きく、何人もの人から「自分もこんなふうに発信していきたい」とか、あるいは「自分に何かできることはないのか」という連絡をいただきました。
今の時代はZ世代が自ら価値を発見し、それを自発的に共有することで新しい価値が生まれつつあります。自らの目で今の世界の事実を探求し、そして、今の真の豊かさを獲得しようとするその流れは、もはや止めることができません。
こうした動きは、これまでの経済システムに大きな変化を生み出そうとしています。与えられる価値を買い取るのではなく、価値を探求し取り返し再定義し共有するZ世代は消費者以上の役割を求めています。生産者から消費者への提供を待つことなく、価値創造自体に参加することに情熱を持っています。
競い争う「競争」よりも共に創る「共創」
経済は徐々に生産者と消費者の競合、さらには広く社会全体としての価値創造の時代へと突入しています。次世代の経済における需要に応えるためには、商品やサービス自体を価値と呼ぶ一方的な価値提供ではなく、商品やサービスを通じて誰1人取り残さない全体価値を作っていく必要があります。そのためには競い争う「競争」よりも共に創る「共創」を重視して、消費者をもその価値創造に巻き込んでいく必要があります。
Z世代とともに価値を探求し再定義し作り上げ取り返し、広く共有していく共創によってこそ、次世代の経済をリードしていくことができます。
一歩ずつ丁寧に、しかし、躍動感を持って生き生きと複雑化する社会に目を背けることなく、それをも上回るダイナミックな共創で新しい経済、豊かな社会を作っていきましょう。
記者:エシカちゃん
白金出身、青山勤務2年目のZ世代です。流行に敏感で、おいしいものに目がなく、フットワークの軽い今ドキの24歳。そんな彼女の視点から、今一度、さまざまな社会課題に目を向け、その解決に向けた取り組みを理解し、誰もが共感しやすい言葉で、個人と世界のサステナビリティーを提案していこうと思います。
私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp