「ダイバーシティ」という言葉は、すっかりおなじみになりました。よりよい社会をつくっていくためには、人種や国籍、男性と女性、LGBTなど、個々の違いを認め、それぞれの価値観を尊重していかなければなりませんよね。ところで、実は食の世界でも多様な価値観を認める「フードダイバーシティ」が大きく広がっていることを知っていますか? 和食、イタリア料理などのような国別の違いだけでなく、さまざまな要因によって、食の世界にも多様な価値観が広がっているきているのです。そこでモスバーガーが発売したのが、肉のような動物性の食材を一切使わないハンバーガー「グリーンバーガー」です。さらにモスバーガーはこの商品でSDGsも推進していくとのこと。今回は、こちらの取組みを紹介します。(記者:エシカちゃん)
広がる「食の多様性」
そもそも、モスバ―ガーが「グリーンバーガー」の開発を進めたのは、昨今のフードダイバーシティにより、食文化や食習慣、思想、老若男女、増加する外国人の嗜好など、従来の価値観でははかれないほど、食の市場規模が拡大していることがきっかけでした。
欧米では、無理をせず健康でありたいということで、肉や魚も食べる柔軟なスタイルのベジタリアンである“フレキシタリアン”という新しい食スタイルが広く受け入れられています。
また日本でも、自身の健康面に配慮したり、食事の選択が環境にどのような影響を与えるのかを考えたりするなど、食を見直すライフスタイルが取り入れられ始めました。
こうした多様化するニーズに応えるため、従来の肉を使ったハンバーガーに加え、モスバーガーが新たな食の選択肢として生み出したのが「グリーンバーガー」です。
「グリーンバーガー」を通じてSDGsを推進する!
「グリーンバーガー」の特徴は「原材料に動物性食材と五葷(ごくん)を使っていないこと」。五葷とは、仏教などで食べることを禁じられている臭いの強い5種の野菜(ねぎ、らっきょう、にら、にんにく、玉ねぎ)です。
玉ねぎは、パティ(ハンバーガーの肉)の甘みを出すために必要不可欠なものなので、その代わりをどうしたらいいのか、開発にはとても苦労があったそうですが、玉ねぎの甘みや食感は、キャベツを加えることで解決。そして、肉の旨みをしいたけエキス、肉のほぐれ感をこんにゃくで表現しています。
また、緑色が印象的なバンズは、豆乳クリームをバター状にして加えているので、しっとりとした食感。ほうれん草ピューレーを練りこむことで、ほんのりとした野菜の甘味が感じられるようになっています。
またにんじんやゴボウで食感を出したトマトのソースは、数種類のハーブと、隠し味に甘酒のコクを加えることで、奥行きのある味わいに。
食材を健康的なものにするだけではなく、おいしさも追求しているということで、食欲がそそられますね!
さらにモスバーガーでは、SDGsへも取組みを進めていて、今回「グリーンバーガー」を導入することで、17の目標のうち「3 すべての人に健康と福祉を」「12 つくる責任 つかう責任」の2つの目標を通じて社会課題の解決に取組み、そのことを海外に向けて発信することも目指すのだそうです。
「フードロス大国」と呼ばれてしまっている日本の現状が、少しでも改善するよう、モスバーガーのSDGsに対する取組みに、これからも注目していきたいと思います。
記者:エシカちゃん
白金出身、青山勤務2年目のZ世代です。流行に敏感で、おいしいものに目がなく、フットワークの軽い今ドキの24歳。そんな彼女の視点から、今一度、さまざまな社会課題に目を向け、その解決に向けた取り組みを理解し、誰もが共感しやすい言葉で、個人と世界のサステナビリティーを提案していこうと思います。