(第23話)「車を持たない選択。カーシェアリングで暮らしにも環境にも優しいエコライフを」キコの「暮らしの塩梅」
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(第23話)「車を持たない選択。カーシェアリングで暮らしにも環境にも優しいエコライフを」キコの「暮らしの塩梅」

「私によくて、世界にイイ」が実現できる、エシカルな暮らしのカタチってなんだろう。仕事に家事に育児に……。日々生活を回すだけでも大変な私たちにとって、新しく行動を起こすのはエネルギーも時間も使うし、ハードルが高く感じてしまうもの。

でも日々の暮らしのなかで、少しでも”良い”につながることができたら?

当たり前の毎日のなかで、大切な家族も、世界も、そして私自身もほんのちょっぴり幸せになるような選択をしていけたらいいなと思うのです。

第22話では、普段の食卓もハレの日の食卓も彩ってくれる漆塗りの器についてお話ししました。今回は、認知が広がりつつあるシェアリングエコノミーのひとつ、カーシェアリングについて、実際に車を持たない暮らしを送ってみて感じたことなどお伝えしたいと思います。

シェアリングエコノミーって?

以前より話題になっているシェアリングエコノミー。

これまで個人や会社で所有することが当たり前だった、モノや場所、スキルなどを「売る・買う」「貸す・借りる」というだけの関係ではなく、「シェアする(分け合う)」という発想のビジネス(サービス)です。

家、車、服、食べ物など生活に必要なさまざまなモノを個人がそれぞれに所有すると膨大な資源が必要となり、不要になった時の処分にかかるエネルギーも底知れません。

一方で必要なものを、必要な時に必要な分だけ借りること、一つのものをみんなで分かち合うことで、一人ひとりの暮らしがコンパクトになり、地球全体で見るとムダが少なく環境への負荷を少なくできると考えられます。

今回ご紹介するカーシェアリングとは、会員登録した人の間で特定の自動車を使用するサービス(ないしはシステム)のこと。

車の所有を減らすことで、渋滞の緩和や公共交通機関の活性化、駐車場の混雑軽減、それに伴うCO2の削減や都市部の環境問題の対策につながると考えられています。

車を持たない暮らしを始めたきっかけ

夫も私も車がある家庭で育ってきましたが、結婚してあらためて考えた時に、公共交通機関が充実している今の居住環境としては、車の必要性をそこまで感じませんでした。

とはいえ、アウトドアが好きで遠出もよくするわが家にとっては移動手段としての車は必須。

レンタカーはこれまでも利用することはありましたが、店頭まで行く必要があり手続きできるのは営業時間内のみ、返却時にはガソリンを満タンにして……と不便さを感じることも少なくありませんでした。

そんな時に徒歩圏内にタイムズのカーシェアリングのステーションが複数あることを知り、試しに登録してみたことでその便利さに驚かされました。

カーシェアリングの特徴

まずは特徴を簡単にご説明したいと思います。

カーシェアリングを扱うサービスは多種多様にありますが、その内容に大きな違いはありません。

レンタカーとの大きな違いはネットから24時間手続き可能で、短時間から安価で利用できること。

初期費用は登録料、その後基本料+利用料金が必要です。利用料金はだいたい10分〜15分単位で、200円前後に設定されています。

長時間や深夜借りる場合はお得なパック料金がある場合も。

「予約した時間」ではなく、実際に使った時間のみの支払いで済むので、急な予定の変更などには助かります。

カーシェアを使っていて便利だなと感じることは、使用する直前までパソコンやスマホから簡単に予約やキャンセル、変更手続きができること。

短時間からの利用が可能なので、ちょっとした買い物や外食にも気軽に使えます。

料金はガソリン・保険料込みであることが多いので、追加で支払う必要がないのも安心です。

カーシェアリングのメリット・デメリット

マイカー、レンタカー、カーシェアと使ってみて実際に感じたメリット・デメリットをお伝えします。

 

<メリット>

・店頭に出向く必要がなく、24時間いつでもPCやスマホから簡単に手続きできる

・短時間から安価に借りられ、料金にガソリン・保険料も含まれている

・車検やメンテナンス、給油、保険などに関わる手間や費用がかからない

・カーシェアのサービスが普及してきて、街中や住宅街など全国で利用できる

・いろんな車種に乗れる

 

<デメリット>

・空車がない時は、利用することができない

・次の人の予約がある場合は、延長できないので急な予定の変更や渋滞に遭遇した時に不便

・乗り捨てはできないことが多い

(最近は空港や駅など特定の場所は可能なケースも増えてきています)

・定期的に清掃してくれているが、まれに食べカスやゴミが落ちていたりして、衛生面の不快感を感じることも

・小さい子どもがいる場合、チャイルドシートを自宅に保管して利用のたびに取り外しをするのが手間

・カーシェアを利用しない月でも、基本料が固定費としてかかってしまう

・私物を置いたり好みのデザインにしたりと移動手段以上のことは望めない

 

公共交通機関が充実している都市部に住んでいて、近くにカーシェアのステーションがある方、定期的に利用する方にとっては便利ですが、そうでない方にとっては現状不便と言えます。

カーシェアリングのおすすめの使い方

デメリットからも分かるように、あらゆるシーンや目的に適しているわけではないカーシェアですが、使い方次第でカーシェアのデメリットが軽減できる方法も。

例えば、乗り捨ての必要のない普段の買い物や送迎などの利用では、カーシェアを。

引っ越しなど大きな荷物を運ぶ時、乗り捨てしたい時はレンタカーと使い分けること。

待ち時間の読めない病院や役所、人気のスポットで渋滞が予測できそうな時は、あらかじめ長めに借りておくか、カーシェアではなく公共交通機関を利用する方が行動・時間の制限がなく安心して過ごせると言えます。

旅行の際、電車や飛行機などとカーシェアを上手に組み合わせれば、移動時間の短縮や旅費を抑えたり運転の負担を軽減したりすることも可能です。

生活コストが下がることで、違う楽しみを増やすことも

また、自家用車を持つことに比べると、圧倒的なコスパの良さがカーシェアリングの魅力。

カーシェアを週に1〜2回それぞれ6時間ほど利用しているわが家の出費は、月々1万円〜2万円台。

普通車の場合、ローンなしで購入した場合にも維持費として毎月約5万円はかかると言われています。駐車場代の高い都市部では、さらに費用がかさむことも。

重ねてメンテナンス・車検などの費用も考えると、自家用車を持った場合と持たない場合と結構な差額になることがわかります。数年単位で考えると大きな節約にもなります。

わが家では、車を所有しないことで生活コストが下がった分、出先でおいしい外食をしたり、週末にプチ旅行を楽しんだりと家族の楽しみを増やすことに使うことにしています。

緊急の時や雨で荷物が多い時などは、割り切ってタクシーを使えば、車がないことによる大変さも軽減できます。

車を持たない暮らし、いかがでしょうか?

生活費の節約や環境への負担を減らすことにもつながるカーシェアリング。

都市部に住んでいて維持費を抑えて移動手段としてだけ車を利用したい人にとっては、自家用車と同じ感覚で使えるとっても便利なサービスです。

かれこれ5年ほどカーシェアリング生活を送っているわが家ですが、たまに不便は感じつつも

この快適さは手放せません。

もちろん住む環境によっては不可能な場合もありますが、

これから車を購入しようか検討している方、ライフスタイルの見直しを考えている方には、ぜひおすすめしたい選択肢のひとつです。

【連載】キコの「暮らしの塩梅」を読む>>>

季子(キコ)

一児の母親。高校生のころ「食べたもので体はできている」という言葉と出会い食生活を見直したことで、長い付き合いだったアトピーが大きく改善。その体験をきっかけに食を取り巻く問題へと関心が広がり、大学では環境社会学を専攻する。

産後一年間の育休を経て職場復帰。あわただしい日々のなかでも気軽に取り入れられる、私にとっても家族にとっても、地球にとっても無理のない「いい塩梅」な生き方を模索中。

私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp

季子(キコ)

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