10月11日は国際カミングアウトデー。自らの性自認や性的指向をカミングアウトしたセクシュアル・マイノリティ(LGBTQ)をお祝いする日なのです。この記念日は30年ほど前に制定されたものの、LGBTQへの理解や認知度は日本では十分ではありません。コロナ禍で自分のセクシュアリティについて相談出来る場が減り、関連イベントに参加できる機会が少なくなるなど、LGBTQにとって不安や孤独感が高まりやすい状況が続いています。そこで、私たちエシカ世代が注目すべきLGBTQプロジェクト3点をピックアップ。世界を変える第一歩は知ることにあります。一つ一つをチェックして、多様な性のあり方についての理解を深めましょう!(記者:エシカちゃん)
Netflixが国内LGBT政策の先駆けとなった東京・渋谷でカミングアウトデーを盛り上げる!
2018年における電通ダイバーシティ・ラボ LGBT調査では、回答者の65.1%が「誰にもカミングアウトしていない」、69.5%が「カミングアウトしやすい環境にはなってない」と答えています。
言葉の認知度は少しずつ高まっていますが、LGBTQへの理解不足や偏見は未だに解消されていないのが現実。コロナ禍でコミュニケーションの機会が少なくなり、LGBTQユースの悩みは深まるばかりです。
こういった状況で、動画配信最大手のNetflixが国際カミングアウトデーを「Netflix カミングアウト・デー ブランドキャンペーン」で大いに盛り上げました。舞台は、全国で初めて同性パートナーシップ証明制度をスタートさせるなど、LGBTQに関して国内でも意欲的な取り組みを行う東京都渋谷区のランドマーク、渋谷駅。10月5日(月)から10月11日(土)まで、JR渋谷駅のホームや渋谷東横線の駅構内に多様性の大切さを訴える広告ビジュアルを打ち出しました。11日(土)には朝日新聞の見開き広告に登場し、カミングアウトデーの存在を読者に発信しています。
ビジュアルの内容は、同社が配信しているLGBTQをテーマや登場人物に据えた7作品のシーンを切り取ってコラージュしたもの。蜷川実花さんが監督、中谷美紀さんが主演を務めたドラマ「FOLLOWERS」や、日本が舞台で渡辺直美さんや水原希子さんが出演しているリアリティー番組「クィア・アイ in Japan!」といったNetflixオリジナルシリーズ2作品は私たちにとってもなじみ深いですね。
一人一人が違って当然という意識を皆が共有することで、いずれカミングアウトという概念さえなくなるかもしれません。そんな未来のために、「あたりまえのことを、あたりまえに言える時代へ。」というメッセージを掲げています。「いろんな性のあり方を認め合い、誰もがオープンにできる世界を語り合おう」というシンプルで力強い言葉も印象的です。Netflixは「日頃の作品づくりを通じて、少しでも世界中の視聴者がお互いに思いやりの心をもてるようになる日がくることを期待しています」とコメントしました。私たち一人一人が互いの個性を尊重できる社会づくりにコミットしていきたいですね。
「パンテーン」が「自分らしさを表現できる」就活を提唱
続いて紹介するのは、P&G(プロクター アンド ギャンブル ジャパン)が手掛けるヘアケアブランド「パンテーン」による『#PrideHair』プロジェクト。「あなたらしい髪の美しさを通じて、すべての人の前向きな一歩をサポートする」というブランド理念に基づき、「自分らしさを表現できる」就活を提唱しています。
生まれながらの性別と、自ら認識している性別のどちらで就職活動をすべきなのか。トランスジェンダーの就活生にとって大きな課題です。P&G が10月7日(水)に公開を開始したテレビCMとWebムービーでは、悩みながらも自分らしさをオープンにした上で内定を獲得した元就活生の体験談を紹介。自らの個性の表現に悩む就活生の背中を押してくれます。LGBTQ層はもちろん、ストレート層だって就活中は周囲からの同調圧力で個性を押し殺しがち。プロジェクトのサイトをチェックして前向きな気持ちを養ってみて。
プロジェクト期間: 2020年9月30日(水)~
『#PrideHair』プロジェクトURL:https://pantene.jp/ja-jp/hair-we-go/pride-hair
YouTubeで楽しみながらLGBTQを学ぶ
色々なジャンルで存在感を発揮しているYouTuber達。もちろん、LGBTQをテーマにしたYouTuberも活躍しています。その代表格の一人がチャンネル登録者数約8万5,000人を誇るかずえちゃん。LGBTQについて幅広く伝えるために2016年からYouTubeを開始。「自分がゲイであることを隠さずに生活しよう」と決意、「カミングアウト」や「性自認」といった用語を解説したり、LGBTQや同性同士のカップルを紹介したりしています。
2017年の国際カミングアウトデーから100人のカミングアウト動画をつくり、昨年の企画では16万回以上の視聴回数を記録しました。「LGBTQって身近にいるんだよ」と伝えるために動画の制作を決意。「これからも自分らしく生きていきます」、「悩みがあっても強く生きて下さい」といったLGBTQユースのポジティブなメッセージを集めています。
LGBTQ100人のカミングアウト2019 【 僕たちの未来のために 】
YouTubeというツールを通じて、「LGBTQへの関心を深めていきたい」と考えているかずえちゃん。かずえちゃんの動画を楽しみながら、私たちも常識や枠に捉われない生き方を学びましょう。
LGBTQ100人のカミングアウト2020 【 私たちはここにいる 】
最後に、かずえちゃんからエシカ編集部にコメントが寄せられましたので、ご紹介します。
「LGBTQ100人カミングアウト2020」が公開されました。 参加してくれた皆さんの勇気と行動を誇りに思います。 そしていつの日か、カミングアウトをする必要がない社会になりますように……
記者:エシカちゃん
白金出身、青山勤務2年目のZ世代です。流行に敏感で、おいしいものに目がなく、フットワークの軽い今ドキの24歳。そんな彼女の視点から、今一度、さまざまな社会課題に目を向け、その解決に向けた取り組みを理解し、誰もが共感しやすい言葉で、個人と世界のサステナビリティーを提案していこうと思います。
私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp