エシカ編集部: 御社では、サスティナビリティの取り組みはいつ頃から始めていらっしゃるのでしょうか?
小山: 私たちが売っているものが廃棄物となっているということでリサイクルボックスをお店に置いたり、納品の形態を変えてハンガーを無駄にしないようにするといった取り組みはすでに1970年代からやっています。
そして、2002年からは持続可能な調達と商品を目指して「顔が見える野菜」というプライベートブランドをスタートしました。この頃は商品の安全性がとても話題になった時でもあり、お客様と生産者様の顔が見える関係を構築して、安心安全でおいしい食品をお客様に提供し続けるとともに生産者様を応援したいということから始めた取り組みです。今では野菜だけではなく魚や肉、卵などと顔が見えるシリーズは年々拡大してきており、例えば魚では天然資源には頼らないという側面から養殖魚の構成比を上げるということにずっと取り組んできて、完全養殖の魚を顔が見えるお魚ということで販売しています。
エシカ編集部: 素晴らしい取り組みですね。他にもありますか?
小山: 2008年からセブンファームを立ち上げて、お店から出た廃棄物を堆肥化してセブンファームに戻して野菜を生産し、その野菜を再び店舗で販売する完全循環型の農業をやっています。あと、コウノトリを育むお米ということで、コウノトリのエサとなる生き物が生息できる田んぼを作るために、販売した商品の代金の一部を寄付するという取り組みも始めています。
エシカ編集部: 顔が見える商品というのは、私たち消費者にとって安心できて、とてもいいですね。その中で特にヒットしたものというのはありますか?
小山: 個別にどうというよりも、お客様には全体的なブランドということで認知していただいていると思っています。
エシカ編集部: イトーヨーカ堂さんではペットボトルの再利用の商品も提案していらっしゃると思いますが、それについてお話しいただけますか?
村上: 私どものグループの中にペットボトルの回収機があるのはご存じですか?
エシカ編集部: はい、知っています。
村上: 回収したペットボトルを栃木にある会社に運んで、そこでペレットという粉のようなものにします。それをシャンプーやリンスの容器にしたり、ペット トゥ ペットでもう一度ペットボトルにしたりして使うというようなことをやってきました。
そして、今年の2月からはイトーヨーカ堂の代表商品である「ボディークーラー」、紳士や婦人のインナーに回収したペットボトルから作った繊維を利用したものを出して、今はちょうど冬物のシーズンですから「ボディーヒーター」にも採用しています。