「私によくて、世界にイイ。」が実現できる、エシカルな暮らしのカタチってなんだろう。仕事に家事に育児に……。日々生活を回すだけでも大変な私たちにとって、新しく行動を起こすのはエネルギーも時間も使うし、ハードルが高く感じてしまうもの。
でも日々の暮らしのなかで、少しでも”良い”につながることができたら?
当たり前の毎日のなかで、大切な家族も、世界も、そして私自身もほんのちょっぴり幸せになるような選択をしていけたらいいなと思うのです。
「私によくて、世界にイイ。」が実現できる、エシカルな暮らしのカタチってなんだろう。仕事に家事に育児に……。日々生活を回すだけでも大変な私たちにとって、新しく行動を起こすのはエネルギーも時間も使うし、ハードルが高く感じてしまうもの。
でも日々の暮らしのなかで、少しでも”良い”につながることができたら?
当たり前の毎日のなかで、大切な家族も、世界も、そして私自身もほんのちょっぴり幸せになるような選択をしていけたらいいなと思うのです。
第38話では、ハレの日はもちろん、普段のオシャレにも取り入れたい着物の着こなしについてお話しました。今回の記事では、冬に欠かせないアウターの素材についてお伝えしたいと思います。
エシカルとは「倫理的・道徳的」という意味で、その観点を考慮して生産された素材をエシカル素材といいます。
エシカルファッションで大切にされている基準と同様、「人にも環境にも社会にも優しいもの」であることを基準としています。
ざっくりいうと、フェアトレードで生産者の労働環境が守られていること、素材・生産・輸送のプロセスにおいて環境負荷を最小限に抑えていること、リサイクルやエネルギー問題に取り組んでいること、伝統技術や地場産業を守りつつ未来に繋げていくこと、動物の権利を守っていることなどが挙げられます。
具体的にエシカル素材とされるのは、植物系の自然素材やリサイクル繊維などです。
オーガニックコットン、リネン(麻)、ジュートなど植物の内部繊維、テンセル、さとうきびやとうもろこしなどの植物に由来する化学繊維、ペットボトルなどから再生されたリサイクルポリエステル、寝具など使用済みのダウンを再生したリサイクルダウンなどがあります。
消費者として、このような基準をもとに製造されたエシカルファッションを選択することで、地球環境を守り、持続可能な未来に一歩近づけるといえますね。
寒い冬に欠かせないアウターも、その基準を大切に選びたいものです。
冬のアウターの定番といえば、ダウンやウールが真っ先に浮かぶと思います。
どちらも自然素材で、寒さからしっかりと身を守ってくれるのが特徴です。
ダウンをはじめとする動物性繊維は生分解性があり、理論上は土に還元することが可能で環境に優しいというイメージがあります。
一方で、サスティナビリティやアニマルライツの観点から見ると、その製造過程は倫理的には非道なものであることも少なくありません。
なかには、エシカルであることを考慮して生産されているものもありますが、ファストファッションをはじめ、より安く、よりたくさん衣服を製造するために、その背後には多くのものごとが犠牲になっているという現実があります。
リサイクル繊維の方に目を向けてみると、近年ペットボトルなど使用済みの廃棄物からリサイクルされたポリエステルを使ったウェアが数多く製造されています。
「化繊」というと石油を原料としているために、環境にはよい影響を与えないイメージが強いかもしれませんが、それはあくまで新たに生産する場合のこと。
リサイクルすることでCO2や廃棄物の削減に大きく貢献しています。
ポリエステルの特徴は、水に強く乾きやすい、丈夫、シワになりにくい、そして軽い、など。
暖かさ、肌触りの良さ、着心地の良さでは自然素材の製品に劣りますが、どんなシチュエーションでも気軽に着用できて、自宅でお手入れしやすいというメリットがあります。
ポリエステルを素材とするアウターは、中綿のインサレーションやフリースなど。
防寒に強いダウンやウールのコートが、屋外で過ごす時に適しているのに対して、ポリエステルを素材とするアウターは、屋内外のような温度差の大きい場所を行ったり来たりする時にオススメです。
今日は冷え込むというニュースを見て、ダウンにマフラーに……と、ばっちり着込んで出かけたものの、徒歩での移動や満員電車では暑すぎて汗がにじむ……なんていう経験は、皆さんにもあると思います。
お天気が怪しい日、徒歩や自転車での移動が多い日、暖かい屋内と寒い屋外を頻繁に行き来することが予想される日などは、ポリエステル素材のアウターが便利です。
今回ご紹介したいのは、アウトドアブランドのアウターです。
アウトドア製品の魅力は、なんといっても機能性に優れているところ。
過酷な自然環境でも快適に過ごせることを前提に、タフに作られているので、保温性、透湿性、防風性など寒い冬に必須の性能がしっかり揃っています。
最近のアウトドアウェアは、機能性に限らずファッション性にも優れたものがたくさんあるので、手持ちの服に気軽に合わせられるのも魅力ですね。
私が愛用しているのはPatagoniaの「ガールズ・トレス・3way・パーカ」。
防水シェルと、ジッパーで付け外し可能なダウンのインサレーションがセットになった三通りに着用可能なアウター。どちらも生地には100%リサイクル素材が使用されています。
エシカルなアウトドアブランドで有名なPatagoniaでは、ウェアに使用する素材のリサイクルにいち早く取り組み、製品の多くにリサイクルダウンやリサイクルポリエステルが使用されています。
アウトドアウェアは、キャンプやちょっとしたトレッキングなどアウトドアはもちろん、街着、子どもとの公園へのお出かけ着など、さまざまなシーンに対応してくれるので、服をミニマムに揃えたいという方にもぴったりです。
私自身、娘が大きくなるにつれて外遊びをする機会が増えて、そのたびにアウトドアウェアの快適さを身にしみて感じています。
抱っこした拍子に靴の汚れが服についても、寒空の下「まだあそぶー!」と待ちぼうけをくらっても、手軽にお手入れできて隙間風を感じないアウトドアウェアのおかげでストレスフリーです。
ほかにも、お出かけのときにはウールのコートの下にインナーダウンを。電車に乗ったり、屋内外を頻繁に出入りするので、サッと着てサッと脱げるような服が必要という時には、コンパクトに収納できる薄手のインサレーションを。
カジュアルな着こなしを楽しみたい時は、ゆったりサイズのジャケットにロングスカートを合わせて。綺麗にまとめたいときはダウンにニットと細身のパンツですっきりとしたシルエットに……。着こなし方は無限です。
まだまだファストファッションがあふれる社会ですが、使用後もしくは未使用の素材をリサイクルして再生する技術が発展したことによって、消費者である私たちの心がけ次第で、環境、社会、そして人にも、より優しい選択をすることが可能となってきています。
服のデザイン性、機能性はもちろんですが、素材や生産背景も選ぶ時のポイントに。
どんなものを買う時にも共通することですが、どこで、どのように作られているかということにも目を向けて選択することを、日々大切にしたいと思います。
季子(キコ)
一児の母親。高校生のころ「食べたもので体はできている」という言葉と出会い食生活を見直したことで、長い付き合いだったアトピーが大きく改善。その体験をきっかけに食を取り巻く問題へと関心が広がり、大学では環境社会学を専攻する。
産後一年間の育休を経て職場復帰。あわただしい日々のなかでも気軽に取り入れられる、私にとっても家族にとっても、地球にとっても無理のない「いい塩梅」な生き方を模索中。
私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp
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