「私によくて、世界にイイ。」が実現できる、エシカルな暮らしのカタチってなんだろう。仕事に家事に育児に……。日々生活を回すだけでも大変な私たちにとって、新しく行動を起こすのはエネルギーも時間も使うし、ハードルが高く感じてしまうもの。
でも日々の暮らしのなかで、少しでも”良い”につながることができたら?
当たり前の毎日のなかで、大切な家族も、世界も、そして私自身もほんのちょっぴり幸せになるような選択をしていけたらいいなと思うのです。
「私によくて、世界にイイ。」が実現できる、エシカルな暮らしのカタチってなんだろう。仕事に家事に育児に……。日々生活を回すだけでも大変な私たちにとって、新しく行動を起こすのはエネルギーも時間も使うし、ハードルが高く感じてしまうもの。
でも日々の暮らしのなかで、少しでも”良い”につながることができたら?
当たり前の毎日のなかで、大切な家族も、世界も、そして私自身もほんのちょっぴり幸せになるような選択をしていけたらいいなと思うのです。
第46話では、塩を選ぶときに意識したいポイントと私が実際に使っている塩をご紹介しました。今回の記事では、日本で古来から使われてきた大和言葉についてお話ししたいと思います。
近年、美しい響きと親しみを感じやすい言葉として注目されている「大和言葉」。
大和言葉とは日本語の語種のひとつで、中国から伝わった「漢語」や、主に西洋から伝わった「外来語」に対する日本固有の言葉(和語)を指します。
かつては「雅語(がご)」とも呼ばれていました。
主に飛鳥〜平安時代に使われていた言葉や、万葉集など古典にある「和歌」のこととも言われており、明確な定義はありませんが、一般的には古来から日本で使われてきた言葉を総称したものとされています。
他の語種とのおおまかな見分け方としては、漢語は漢字の「音読み」、外来語は「カタカナ」、大和言葉は「ひらがな」もしくは漢字の「訓読み」をするものにあたります。
例えば「何かを始めること」を表す言葉は、漢語では”開始”、外来語では”スタート”、大和言葉では”はじめる”と表します。
他にも、「感謝」は「ありがとう」、「謝罪」は「あやまる」、「住所」は「お住まい」、「配慮」は「心くばり」などなど。
これらだけを見ても、大和言葉からは、なんだか柔らかい印象を受けるのではないでしょうか。
大和言葉には、どこかゆったりと親しみやすい印象があるのは、日本の気候風土のなかで育まれてきた言葉だからと考えられます。
長い歴史のなかで洗練されてきた大和言葉は、丸みのある柔らかい表現で相手に優しく伝わりやすいといった特徴があります。
近年では、オンライン上でのやりとりが増え、簡潔に伝わりやすい漢語や、スマートな印象を持つ外来語が会話や文中で多く用いられるようになり、その結果、日本人になじみやすい大和言葉が使われる機会が少なくなっています。
そんな今だからこそ、美しい響きと豊かな表現を持つ大和言葉にあらためて注目が集まっています。
昔から長く愛されてきた大和言葉を日ごろの会話や手紙に取り入れることで、古の日本人が大切にしてきた感性にも触れることができるのではないでしょうか。
普段何気なく使っている言葉のなかにも、大和言葉はたくさん含まれています。
先ほどお伝えした「ありがとう」をはじめ、「暮らし」「下ごしらえ」「ひととき」「こぼれる」「ふんわり」「日にち」「思い出」など、日々の生活をあらわすようなものから、「せせらぎ」「かすみ」「あけぼの」「夕暮れ」「朝焼け」「草いきれ」「木漏れ日」などなど、自然を愛でる文化を象徴するような、季節や天気など自然の変化を表す言葉もたくさんあります。
思い返せば、祖母が日常のなかで何気なく使っていた言葉には、大和言葉がたくさん散りばめられていました。
夜道を歩いていて、「あら、今日は朧月夜(おぼろづきよ)ね」。
「お腹空いたー」と口々に言う子どもの頃の私たちきょうだいに「じゃあこれ”むしおさえ”(小腹を満たしてくれる間食のこと)に一つだけね」とポンと口に放り込んでくれた、晩ごはんの焼き豚の切れ端。
大和言葉に触れるとそんな記憶が蘇ってきて、心が温まります。
普段私たちが話す・書く日本語は漢字、ひらがな、カタカナが入り混じっています。
漢字が多すぎると、やや堅苦しくよそよそしい印象を、カタカナが多すぎるとなんだかわかりにくい印象を与えがちです。
ビジネスの場ではそれらの表現が好まれることも多いですが、日常会話では、優しい印象を持つ大和言葉を用いるとより思いを表しやすく、また相手にも気持ちが伝わりやすくなるかもしれません。
<普段の会話のなかで…>
・了解しました→承りました、かしこまりました
・時間がある時に→お手すきの時に
・ご遠慮なく→お心置きなく
・将来的に→ゆくゆくは
・残念ですが→心残りではありますが
・予想に反して→思いのほか
・感動した→胸にしみた、胸を打たれた
・楽しみにしている→心待ちにしている
・ご協力→お力添え
・とても、超→このうえなく、こよなく
・寛容→おおらか
・上品→奥ゆかしい
<季節や気候を表す名詞>
・朧月(おぼろづき)…春の夜、空気中に水分が多い夜にぼんやりと見える月のこと
・麗らか(うららか)…空がよく晴れて日が柔らかいおだやかな天気のこと
・蝉時雨(せみしぐれ)…たくさんの蝉が盛んに鳴いたり止んだりする様子を時雨のように例えた言葉
・薫風(くんぷう)…夏の南風のことで、香りを運んでくるようという意味
・小春日和(こはるびより)…晩秋から初冬にかけての春のように暖かい日のこと
・霜花(しもばな)…寒い冬の朝に窓ガラスにできる氷の花模様のこと
・望月(もちづき)…満月のこと
・碧天(へきてん)…よく晴れた青い空のこと
・花明かり(はなあかり)…桜が満開の季節、その色づきから夜でも明るく感じられる様子のこと
・日暮らし(ひぐらし)…日が暮れるまで、終日のこと
多用しすぎると時代錯誤な感じになってしまいますが、ふとした会話のなかにさりげなく用いることで、物腰柔らかい印象を醸し出すことができるのではないでしょうか。
大和言葉には、日本ならではの自然の移り変わり、時の流れ、思いやる心や感謝の気持ちがあらわれています。
ネガティブなことを伝えたい時、あいまいな気持ちを表したい時などの場面でも、相手を傷つけずより思いに寄り添った表現をしてくれるのも大和言葉の魅力です。
大和言葉は読むこと、書くことはもちろんですが、実際に口にしたり、耳にすることでよりその響きの美しさや味わい深さを感じることができます。
・高橋こうじ『日本の大和言葉を美しく話す』東邦出版(2014)
美しい大和言葉が優しい挿絵と共にわかりやすく紹介された本です。
一つひとつの言葉に意味や使い方が説明されていて、ちょっとした時にも気軽に手に取りやすく最初の一冊としておすすめです。
・斎藤孝『声に出して使いたい大和言葉』扶桑社(2015)
著者が選んだ350語の大和言葉が文例と共に収録・解説され、「源氏物語」や「万葉集」などの古典がコラムで紹介されています。
声にすることで、より大和言葉の柔らかい響きと温もりを感じられる一冊です。
長い歴史を持ち、日本の豊かな自然や文化が反映された大和言葉。
昔から日本人が大切にしてきた繊細な感性がそこには現れています。
どんな言葉遣いをするかで、相手に与える印象は大きく変わります。
思いやりの心が込められた大和言葉の言い回しは、使う側にも受け取る側にも穏やかな気持ちを与えてくれます。
まずは自分自身の心に響く大和言葉を、日ごろの会話や手紙にさりげなく取り入れてみてはいかがでしょうか。
季子(キコ)
一児の母親。高校生のころ「食べたもので体はできている」という言葉と出会い食生活を見直したことで、長い付き合いだったアトピーが大きく改善。その体験をきっかけに食を取り巻く問題へと関心が広がり、大学では環境社会学を専攻する。
産後一年間の育休を経て職場復帰。あわただしい日々のなかでも気軽に取り入れられる、私にとっても家族にとっても、地球にとっても無理のない「いい塩梅」な生き方を模索中。
私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp
次の記事 |
---|
前の記事 |
---|
いいねしてethicaの最新記事をチェック
フォローしてethicaの最新情報をチェック
チャンネル登録して、ethica TVを視聴しよう
スマホのホーム画面に追加すれば
いつでもethicaに簡単アクセスできます