一度社会に出て世の中を俯瞰してみよう
萱島: 大学院を修了後、まず大手銀行に就職されたとのことですが、そこから社会起業家へはどのような経緯だったのでしょうか。銀行というのは何かきっかけがあったのですか。
仲本: その時は、あまり深く考えずに就職活動をしていました。もともとは博士課程に進んで大学に研究者として残ろうかとも思っていたんですけど、そうすると理想論ばかりが大きくなって、それを現実の社会に落とし込むとなると、自分には術がなかったというか、どうすればいいのかが分かりませんでした。
であれば、一度社会に出て世の中を俯瞰してみようと思って就職活動をしたところ、銀行で拾っていただいたんです。
萱島: 新入社員としての配属はどのようなところでしたか。
仲本: 大手町にある法人営業の拠点でした。銀行での仕事は勉強にはなりましたが、社風にはなじめなかったですね。
新百合ヶ丘の社宅から毎朝7時前の電車に乗って会社に行き、基本は20時まででしたけど、たまにプラス2時間の残業をして、帰って食事をしてお風呂に入って寝るという、その繰り返しの2年半でした。その日常や仕事の内容にフラストレーションを抱えていて、毎週末は六本木のクラブで発散していました(笑)。
萱島: とってもお忙しい中で転身を考えていらっしゃったんですね。
仲本: 大学院の時、2008年頃でしたけど、TABLE FOR TWO InternationalというNPO法人でインターンをしていたんです。