「私によくて、世界にイイ。」が実現できる、エシカルな暮らしのカタチってなんだろう。仕事に家事に育児に……。日々生活を回すだけでも大変な私たちにとって、新しく行動を起こすのはエネルギーも時間も使うし、ハードルが高く感じてしまうもの。
でも日々の暮らしのなかで、少しでも”良い”につながることができたら?
当たり前の毎日のなかで、大切な家族も、世界も、そして私自身もほんのちょっぴり幸せになるような選択をしていけたらいいなと思うのです。
「私によくて、世界にイイ。」が実現できる、エシカルな暮らしのカタチってなんだろう。仕事に家事に育児に……。日々生活を回すだけでも大変な私たちにとって、新しく行動を起こすのはエネルギーも時間も使うし、ハードルが高く感じてしまうもの。
でも日々の暮らしのなかで、少しでも”良い”につながることができたら?
当たり前の毎日のなかで、大切な家族も、世界も、そして私自身もほんのちょっぴり幸せになるような選択をしていけたらいいなと思うのです。
第55話では、我が家の防災グッズと備蓄方法をご紹介しました。Love&Human最終話となる今回は、日々子どもと過ごす中で感じていることをお伝えできればと思います。
この連載が始まった当時、まだ2歳になっていなかった娘も、もうすぐ3歳。
日々成長している娘を見ると嬉しい一方で、もうすっかり赤ちゃんではなくなった姿に、ちょっぴり寂しいような気持ちも覚えるこの頃です。
とはいえ、まだまだ甘えたがりで「だっこしてー」が口癖の娘。
ごはんの支度中の母にはなかなか構ってもらえないことがわかると、家で仕事をする父親のところへ行き、「ぱぱ、そろそろおしごとおしまいしよっか。つかれたやろ?」。
膝によじ登って諭している姿には、思わず私も夫も笑ってしまいました。
生まれたその日から、娘は私たちにとって本当に可愛くて愛おしい存在で、娘の姿から何気ない喜びや幸せをたくさんもらっています。
でも一方で、思うようにいかず大変なことも(当たり前と言えば当たり前なのですが)。
私たちの気持ちに余裕があるときは、娘もニコニコご機嫌ですが、私たちに余裕がないときや、今ここに気持ちが向いていないとき、大人の都合で動いているときは、娘もキーッと怒ったり謎のわがままを言いはじめたり、怒られるようなことをあえてしてみたり。
ただ疲れた、眠たい、おなかすいたという場合もありますが、もっと私をちゃんと見て欲しい、向き合って欲しい、思いを受け止めて欲しいという願いが”大人にとってネガティブな行動”という形で現れているのだなぁと感じます。
でも親とは言えど、私たちも人間なので、いつも万全の状態とはいきません。
もっと、気持ちにも時間にも余裕を持って過ごせるようになるにはどうしたらいいか、試行錯誤の毎日です。
一番はやっぱり「無理しない」こと。
特に私は、あれもこれもしなきゃと自分を追い込みがちで、人に頼るのも下手なのですが、その結果自分が体調を崩すということもあったため、そこは一番変えたいと思っているところです。
夫はよく、子育てのことを「幸せな修行だ」と表現していますが、「家族」と言っても自分とは違う人間です。その人間同士が同じ空間で心地よく過ごすためには、普段からそれぞれの心身の状態を整えておくことが重要だなと、つくづく感じます。
我が家はおそらく、子育てや暮らしについてこだわっていることが多い方で、
・本物に触れること
・質のよい素材のものを口にすること、身につけること
・体をしっかり使ってのびのび遊ぶこと
・本人の気持ちを大切にすること
などなど、今の時期、これは大切にしたいなぁと思っていることがいろいろあります。
特に産後は、ホルモンバランスの影響もあったのか、ちょっとでも体に悪いようなものには触れさせたくない! という思いがむくむくと湧いていました(笑)。
ですが、今後、娘も大きくなるにつれ、お友だちとの関係も広がりいろいろな世界と出会っていく中で、私たちの思いとは異なる選択をしたいと望む日もくると思います。
そうなったときに、親である私たちが大切にしたいと思っていることが、娘の世界の広がりを制限することにならないようには気をつけたいと思っています。
たとえば、どのようなものを食べるか、自宅ではこだわるけれど、外ではみんなと一緒に食べる楽しさ、与えられたものをありがたくいただく心を大切に。
テレビやスマホに関しても、いまは必要ないなというスタンスで、家ではアニメや子ども向けの動画なども、まだ観せていません。
でも何が何でも観せない!ということではなく、実家ではじーじと一緒に野球やバラエティを観ていることもあるし、保育園帰りにグズグズでどうしようもないとき、晩ごはんの支度の間だけ動物園や水族館の映像を観ることも。
スッと落ち着く娘の姿を見ると、余裕がないときは本当に助かる便利なアイテムだなぁとつくづく思います。
でも同時にその引力の強さには怖さも感じます。お家で観るのは実体験とつながるものだけ。私も夫も、どうしようもないときの最後の切り札として観せるようにして、頼ることが当たり前にならないようには気をつけています。
いつも、みんながごきげんで楽しく過ごせたらそれは幸せなことだと思いますが、それぞれ、仕事、家事、子育てといろいろな役割を担って生活している中では、思うようにはいかないのが現実です。
理想はこうだけど、現実はこうだよね。だったらこうできるかな? でもこうはしたくないよね。
など、無理をしない。けれど、守るべき一線は超えない、家族にとっての基準ができたら、ちょっと楽になりました。
思いを日々パートナーと共有しておくことで、お互いのことを理解できるので相手の言動にいちいちストレスを感じなくて済みます。親が仲良くしていることは、子どもにとっては一番の安心感です。
その中で、多少外でブレても大きくは崩れないような、基本となる健康な心身を家庭で育んでいくことが、親としての役目なのかなと考えています。
この3年間を振り返ると、子育てを通してたくさんのことに気づかせてもらっているなぁと感じます。
特に、子どもの姿は私たち親のあり方そのものだということ。
娘に「こうあってほしい」と望む姿に、まずは自分たちがなること。
それが、言葉で伝えるより何より、一番説得力があると思います。
無理しないこと、とらわれないこと、それぞれの気持ちを大切にすること。
家族みんながごきげんにいられる「ちょうどいい」あり方を、これからも模索していきたいと思っています。
季子(キコ)
一児の母親。高校生のころ「食べたもので体はできている」という言葉と出会い食生活を見直したことで、長い付き合いだったアトピーが大きく改善。その体験をきっかけに食を取り巻く問題へと関心が広がり、大学では環境社会学を専攻する。
産後一年間の育休を経て職場復帰。あわただしい日々のなかでも気軽に取り入れられる、私にとっても家族にとっても、地球にとっても無理のない「いい塩梅」な生き方を模索中。
私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp
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