デフは「人にも安全、地球にも迷惑をかけない素材で、なおかつずっと快適に暮らせる家を作る」というコンセプトを掲げ、木や土などの自然素材を使った家づくりと暮らしを提案しているそうです。そのこだわりのひとつに断熱材があります。
都会のマンションなどで暮らしているとあまりピンとこないかもしれませんが、断熱材は、その名の通り住宅の重要な「断熱性能」を担っている建材です。断熱の良し悪しによって、家の寿命や快適性が決まるといっても過言ではありません。
「現在、日本の一般的な木造住宅には、グラスウールや発泡プラスチック系断熱材が使用されています。出来上がるまでの時間も短く、その分コストも安く仕上がるでしょう。しかし石油化学製品で作られた断熱材の中には、揮発性化学物質が多く使われているものもあり、シックハウス症候群やアレルギーの原因になることがあります。とくに最近の建物は断熱効果を高めることが優先され、窓も小さく、風通しが悪いために結露によるカビが発生しやすくなり、健康へのリスクだけでなく、家の寿命を早めることにもなります」
と、デフ代表の大井明弘さんは言います。かつて別の工務店で働いていた大井さんは、新建材を使って自邸を建てた後に家族にアトピーなどの健康被害が出てしまったのだとか。
自然素材にこだわる理由は、自らの経験が原点にあるそうです。
デフで使用している断熱材は、間伐材を繊維状にしてできている『ウッドファイバー』。ウッドファイバーは、暑さや寒さを遮る断熱効果・調湿機能・防音など、木でなければ持ち得ない特性を備えています。健康を害する心配がない自然素材であるばかりか、廃棄する過程で廃棄物も出ません。仮に100年後に家を建て替えようと解体したときにも、自然に還る木材であれば環境への不可がないというわけ。建築用材としては使い道がなく、山に放置されていた間伐材から作られているところも、エコですね。