「美」についてのルーティンや思いを語ったChapter-1に続くのは、モデルの冨永愛さんが考える「健康」と、そのもととなる「食」。美しいひとを作る食習慣、食へのこだわりとは?
「素材」を健やかな状態に保つこと
ハードなスケジュールも若いころは難なくこなせたし、疲れても回復は早かった。
「20代後半に差しかかったころかな。プロのモデルを続けるためには、常に自分をいいコンディションに保ち続けなければ、と考えるように。トレーニングやケアはそれまでもやっていたけれど、より真剣に取り組むようになりました」
こう続ける。
「心と体が健康であること。本当の意味での美しさを手に入れるためには、それが大前提だと思います」
前回まで2回にわたって、「美しさ」について語ってもらったが、日々の美容ルーティンは、肌、髪、爪、歯といった「素材」を健やかな状態に保つことに重きを置いていた。実際、冨永さんに会うと、そのオーラに圧倒されつつ、透き通るような肌の美しさに目を奪われる。高価なファンデーションやネイル、ファッションに身を包んだところで、肌がボロボロだったり、不健康なほどやせていたりしたら、『本当の美しさ』とは言えないだろう。
初の著書『冨永愛 美の法則』では、そうした「素材」を外側、内側から磨くメソッドに加え、心と体を健康に保つことについてこう語っている。
「ふだんから心地よく食べ、眠り、遊び、働く。そしてストレスは発散すること」
私たちの体は食べたものでできている
冨永さんは若いころに思いを巡らせながら、こう笑う。
「コレクションにデビューしたころは、日本に帰ってきたらまずラーメン! がっつりいってました。ショーだ撮影だと世界中を飛び回る多忙な生活をしながらハメを外して暴飲暴食しちゃうこともあったけれど、10代、20代は一晩寝れば完全復活できた。でも今、同じことをしたら、太る以前に体調を崩し、顔がむくんでパンパンになるでしょうね」
食については強いこだわりを持っているという冨永さん。
「もともと食いしん坊で食べることが大好きということもあるけれど、私たちの体は食べたものでできている。何を食べ何を飲むか。口から入れたものに自分の体がどう反応しているのか。それらを考えることも、私は美容法だととらえています」
書籍には食に関して気をつけていることとして、「良質な油を摂る」「タンパク質が不足しないように」「野菜をたくさん」「発酵食品も忘れずに」などを挙げている。これらはしかし、あくまでも目安であって、ルールではないという。
「トレーニングもそうですが、本を書いたころからは少し時間が経っているので、当時と全く同じということはありません。ルーティンにとらわれすぎず、そのときどきの自分にとって何がいいのか。体が『おいしい!』と喜ぶものは何か。常に自分の体の声を聞きながら調節しています」
変わらずに大切にしていることもある。大好きな祖母から教わったという「まごはやさしい」。健康的でバランスのいい食生活のための覚え方だ。
「ま」=豆類
「ご」=ごま
「は(わ)」=わかめ(海藻類)
「や」=野菜
「さ」=魚
「し」=しいたけ(きのこ類)
「い」=イモ類
「これらの食材を1日で食べることが健康の秘訣だよと、祖母はよく言っていました」
愛する祖母は残念ながら帰らぬ人に。しかし、おばあちゃん子だった冨永さんを、数々の思い出とともに今も支え続けている。
「料理をするのが好きなのでストレス解消にもなります。息子に『おいしい』と食べてもらいたいという気持ちもモチベーションに。いろんな意味で、食は健康な暮らしを支えてくれる。そう感じています」
次回は、さらに「心の健康」と「美」について聞く。美しい人を輝かせる自分の心との向き合い方とは?
<撮影協力>
・フォトグラファー:ITARU HIRAMA
・スタイリスト:SOHEI YOSHIDA (SIGNO)
・メイク:Mio (SIGNO)
・協力:UNDER GROUND
・コーディネーション:TRANSMEDIA Co.,Ltd
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冨永愛
17歳でNYコレクションにてデビューし、一躍話題となる。以後、世界の第一線でトップモデルとして活躍。モデルの他、テレビ、ラジオ、イベントのパーソナリティなど様々な分野にも精力的に挑戦。日本人として唯一無二のキャリアを持つスーパーモデルとして、チャリティ・社会貢献活動や日本の伝統文化を国内外に伝える活動など、その活躍の場をクリエイティブに広げている。2019年秋、TBSドラマ日曜劇場「グランメゾン東京」では主要キャストとして抜擢、女優としても活躍。公益財団法人ジョイセフアンバサダー、エシカルライフスタイルSDGs アンバサダー(消費者庁)
初翻訳となる女の子を応援する絵本『女の子はなんでもできる!』(早川書房)が楽天ブックスで 1 位(外国の絵本部門2020年11月24日~11月25日)となり、絵本としては異例のスピードで重版が決まり、読みやすく、元気になる言葉は、子どもからも評判を得ている。原題は”Girls Can Do Anything”(文:キャリル・ハート 絵:アリー・パイ)
冨永愛さんによる読み聞かせ動画はこちらから https://youtu.be/bMJrWM-xpfw
文・中津海麻子
慶応義塾大学法学部政治学科卒。朝日新聞契約ライター、編集プロダクションなどを経てフリーランスに。人物インタビュー、食、ワイン、日本酒、本、音楽、アンチエイジングなどの取材記事を、新聞、雑誌、ウェブマガジンに寄稿。主な媒体は、朝日新聞、朝日新聞デジタル&w、週刊朝日、AERAムック、ワイン王国、JALカード会員誌AGORA、「ethica(エシカ)~私によくて、世界にイイ。~ 」など。大のワンコ好き。
構成・大谷賢太郎
あらゆる業種の大手企業に対するマーケティングやデジタルの相談業務を数多く経験後、2012年12月に『一見さんお断り』をモットーとする、クリエイティブ・エージェンシー「株式会社トランスメディア」を創業。2013年9月に投資育成事業として、webマガジン「ethica(エシカ)」をグランドオープン。2017年1月に業務拡大に伴いデジタル・エージェンシー「株式会社トランスメディア・デジタル」を創業。2018年6月に文化事業・映像事業を目的に3社目となる「株式会社トランスメディア・クリエイターズ」を創業。
創業9期目に入り「BRAND STUDIO」事業を牽引、webマガジン『ethica(エシカ)』の運営ノウハウとアセットを軸に、webマガジンの立ち上げや運営支援など、企業の課題解決を図る統合マーケティングサービスを展開中。
「冨永愛 美の法則」(ダイヤモンド社)概要
世界的トップモデル冨永愛のランウェイで学び得た「美しい人になる習慣」。究極の美肌術、ボディメイク、美しい歩き方、食べ方、仕事、セックス、美の哲学ほか、アジアを代表するスーパーモデルのビューティーライフ。20年間、パリコレをはじめ、世界最高の美の価値観に触れてきた著者だからこそ話せる「美の法則」。
詳しくはこちらから
私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp