皆さん、アースデイ(Earth Day)をご存知ですか?地球環境について私たち一人ひとりが考えて行動する“地球の日”で、毎年4月22日に世界中の国や地域でたくさんのイベントが開催される特別な1日。1970年に米国の上院議員だったゲイロード・ネルソンが環境問題について討論集会を開催したことに由来し、環境保護を目的とした記念日の中では世界最大規模といわれています。さまざまな団体や企業がアースデイに参画する中、Appleもこの日を節目にさまざまな取り組みを発表しました。
「リンゴの葉っぱ」が今年も緑に!
毎年アースデイを祝して、世界中のApple Store店舗でトレードマークのリンゴの葉っぱが緑にチェンジ。今年も期間中にはスタッフがメッセージロゴの入った緑のTシャツを着用し、アースデイへの賛同の意を示しました。爽やかグリーンのユニフォームを目にした方も多いのではないでしょうか?
アースデイ2021のテーマは“Restore Our Earth(地球を修復する)”。このメッセージが示すように気候変動による環境への負荷が危機的状況にある中、Apple独自のサステナブルな取り組みや目標、パートナーとの連携によって地球を修復するためのコミットメントを発表。「人と地球にとって良いことに全力で取り組む」姿勢を打ち出しました。
Apple TV+で“地球回復”のドキュメンタリー番組を世界に向けて配信
その一環として、まずApple TV+にて野生生物のドキュメンタリースペシャル『その年、地球が変わった』を配信。コロナ禍で世界中がロックダウンしたことにより、私たち人間が自然界にどのような影響を及ぼしたのか。人や車の移動が激減し、海、空、大地が本来のリズムを取り戻すことで地球はどのように回復し、豊かさを取り戻すのかーー。
人がいなくなった街を徘徊するヒョウやペンギン、南米の郊外に突如現れたカピバラ、新しい方法でコミュニケーションを取り始めたクジラたちなど、自然の変化の中で想像を絶する野生動物たちの行動をリアルに捉えた1時間の映像作品です。視聴者は作品を通じ、私たち一人ひとりの行動が変わることによって、自然界にいかに大きな影響を与えられるかを目撃することになります。
自然の回復力が未来に希望を抱かせてくれることに焦点を当てたこの特別番組は、BBCの自然班が制作を担当、ナレーションには英国アカデミー賞を受賞したデイビッド・アッテンボローを起用した話題作です。
200種類以上の生物を撮影した『小さな世界』(Plimsoll Productions制作)、夜行性動物の生態を最新のカメラ技術で追いかけた『カラーで見る夜の世界』(Offspring Films制作)のシーズン2とともに、世界100カ国以上で公開中です。
Apple TV+は世界で最も想像力豊かな異才たちが手がける完全オリジナルの作品だけを集めたAppleのビデオサブスクリプションサービス。アースデイに向けて配信されたドキュメンタリーシリーズは、コロナ禍の教訓から得た「自然との新しい関わり方」について考える良い機会になるかもしれません。
森林を回復するための取り組み『Restore Fund』を設立
Appleでは今年のアースデイに合わせて、温室効果ガス削減を目的とする『Restore Fund(再生基金)』を、環境保護団体のコンサベーション・インターナショナル(※注)、そしてアメリカの投資銀行ゴールドマン・サックスと共同で立ち上げることを発表しました。
今回のRestore Fundは総額2億ドル(約217億円)という大規模な基金。経済的なリターンを追求しながら、自然の力による気候変動対策に投資することを目的とした基金です。地球上の森林の再生を目指している世界の「森林プロジェクト」を直接支援することで、大気中から年間100万トン(乗用車20万台分の燃料に匹敵)の二酸化炭素削減を掲げています。
Apple製品のパッケージには100%責任ある方法で調達された木材繊維のみを使用し、これによって2015年以来、米国と中国で面積100万エーカー以上の森林管理に取り組んできました。またコンサベーション・インターナショナルとの連携により、荒廃が進んだケニアのサバンナやコロンビアの沿岸にあるマングローブ林の回復、アマゾンの熱帯雨林を消失から守る活動など、Appleはカーボンプロジェクトの先駆けを担ってきたのです。Restore Fund は、こういった過去の取り組みの上に成り立っていると言えそうです。
コンサベーション・インターナショナルのCEO、M.サンジャヤン博士は、
「Appleとの長きにわたる協力関係をさらに活かせるのは嬉しいことです。Restore Fundを通じた画期的なアプローチが大きな違いを生み出し、世界中のコミュニティに新しい雇用と収入をもたらすことで、教育からヘルスケアまであらゆる活動の支援につながることに期待しています」と述べています。
(※注)「コンサベーション・インターナショナル」とは?
コンサベーション・インターナショナル(Conservation International)は、米国のバージニア州アーリントン本部を置く国際環境NGO。自然を守り、地球の全ての人々が将来にわたってウェルビーイング(well-being:幸福)を得られる持続可能な世界を実現するための社会システム構築と達成に努めています。1987年の創設以来、科学に基づく戦略と革新的なアイデアを用いて、70を超える国と地域で持続可能な開発に取り組んでいます。コンサベーション・インターナショナル・ジャパン(CIジャパン)は、1990年より活動を開始。国内外の企業や政府とのパートナーシップによる、途上国の持続可能な発展への支援を行っています。
Apple Payで「1ドル寄付」消費者参加型の地球の修復活動
Apple初となるこの基金は、私たち消費者が手軽に参加可能なことでも話題になりました。Apple StoreやApple Storeアプリ、AppleのWebサイトでApple Pay を使うたびに、Appleの負担で1ドルを環境保護活動に寄付する取り組みが世界中で実施(4月22日まで)されました。
Apple Payを利用して「二酸化炭素軽減を支援した!」というエシカ読者の方もいるかもしれませんね。
アースデイには出遅れちゃった、という人は、Appleが提供する下取りサービスApple Trade In(アップル・トレードイン)を利用するのも地球を助ける一つの方法です。状態が良好なApple製品は新しいユーザーのもとへ。対象にならない場合もAppleのリサイクル・プログラムによって貴重な素材は回収・再利用されるので、地球からの不要な採取を減らすことができます。新製品を購入する際には活用したいサービスですね。
「何を買う?」から「どう買う?」へ、お買い物も環境型にシフト
このところ、話題の新製品リリースが相次いだApple。5Gに対応した「iPad Pro」、「iPhone 12」の新色などのローンチは、Appleファンをワクワクさせました。中でも長らく噂となっていた“忘れ物防止”タグ「AirTag」は、なくしたものを追跡してくれる頼もしい機能はもちろん、エルメスのキーリングやバッグチャームといったアクセが同時発売というサプライズ付き!思わず小躍りしたおしゃれ女子も少なくないのでは?
2030年までに、すべての製品を太陽光や風力など100%クリーンな再生エネルギーで作ると宣言したApple。カーボンニュートラルの達成を「つくる」側の大事な責任と考えています。それを「つかう」側である私たち消費者には、自分にも世界にもより良いものを買う責任があるのではないでしょうか。
エシカル消費がスタンダードになって「何を買う?」だけでなく「どう買う?」という選択肢もあり、なのです。
今年のアースデイは終わってしまいましたが、この取り組みをアースデイだけで終わらせるのではなく、自分ごととして日々継続していけたらいいなと思います。来年の、いえ、未来の「緑の葉っぱ」のためにもね。
記者:エシカちゃん
白金出身、青山勤務2年目のZ世代です。流行に敏感で、おいしいものに目がなく、フットワークの軽い今ドキの24歳。そんな彼女の視点から、今一度、さまざまな社会課題に目を向け、その解決に向けた取り組みを理解し、誰もが共感しやすい言葉で、個人と世界のサステナビリティーを提案していこうと思います。
私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp