(第4話)「道端に白い花を見かけたら。夏を快適に過ごすためのひと手間」【連載】かぞくの栞(しおり) 暮らしのなかで大切にしたい家族とwell-being
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(第4話)「道端に白い花を見かけたら。夏を快適に過ごすためのひと手間」【連載】かぞくの栞(しおり)

心身ともに健康で、社会的にも満たされた状態であることを意味する「well-being」。

一人ひとりがwell-beingであることが、社会や環境をより良くしていくことにつながるのだと思います。

では、「私にとって良い状態」ってどういうものなんだろう?

そのヒントは、意外と何気ない日常の中に散りばめられているのかもしれません。

新しく何かを始めるのも大切だけど、まずは身近な人や自分が「ごきげん」でいることから。

家族と過ごすなかで感じる、そんな一瞬一瞬を切り取って、綴っていけたらと思います。

そろそろやってくる、虫刺されが気になる季節。

刺されると痒いのはもちろんイヤですが、気持ちよく寝ている耳元に「プゥ〜〜ン」と蚊がやってくるのもたまったものじゃありません。

 

娘が生まれて初めて迎えた夏。

ベッドでごろごろ寝返りを打っている娘の顔を見ると、ほっぺとあごにポツンと赤い虫刺されの跡が。顔を刺すなんて! といつになく蚊を憎たらしく感じたのは、初めての子育て中ならではの感情でしょうか……。

 

そのうち、娘の虫刺され姿も見慣れたものとなりましたが、それでも、できれば刺されたくはありません。

だけど、虫がやって来ないほどの強力な成分の入った虫除けを子どもに毎日使うのもちょっとなぁと悩んでいたときに思い出したのが、ドクダミエキスです。

実家に住んでいたころ、5月になると庭一面に広がっていたドクダミ。

ハート型の葉っぱに、チョンと咲く十字型の白い花。可愛らしい見た目とは裏腹に、一歩足を踏み入れるたびに鼻を突く独特の匂い。そして、刈っても刈ってもまた生えてくる生命力……。

 

毎年、ドクダミのせいで、不快な思いをしながら庭の手入れをしなければならないことにちょっとうんざりしていたのですが、何かで「虫除けに効く!」という情報を目にして、「これだ!」と思って作ってみたのがドクダミエキスだったのです。

 

摘み取った花や葉を清潔なビンに詰めて、35度以上のアルコールをひたひたに注ぎ、1ヶ月ほどすると薄茶色のエキスが染み出してきます。そうしたら適量をスプレーボトルに入れ替えて、自家製虫除けの完成。

 

名前のイメージからてっきり毒でもあるのかと思いきや、由来は「毒矯(だ)む=毒を抑える」ことから。昔から民間薬として使われていたほど、たくさんの薬効があるそうです。

ちなみに、独特の匂いの元は「デカノイルアセトアルデヒド」など、強い抗菌作用を持つと言われる成分。これが虫除けや虫刺されに効くのだとか。

 

市販の虫除けのパワーには劣るものの、実はドクダミは、庭仕事になかなかの効果を発揮してくれていたのでした。

娘の虫刺されを機に思い出して以来、このドクダミ仕事は毎年欠かせないものとなりました。

公園に行く前に娘と一緒にシュッシュ。

行先でもこまめにスプレーし直し、刺された後もすぐにシュッとしておけば、痒みが長引きません。

 

自分で作る虫除けは、効果抜群! とまではいかなくとも、安心して使えます。

困りもの……と思っていた雑草に、こんな有難い効果があったなんて。

身近な自然のパワーを暮らしに取り入れられることも、なんだか嬉しく感じます。

 

最近では、同じように虫除け効果があるゼラニウムやシトロネラなどの精油を混ぜるのもお気に入り。

好きな香りに包まれて心地よい気分になれるのも、手作りの醍醐味かもしれません。

 

今年も道端や植え込みにドクダミの白い花がちらほら。

保育園の送り迎えの途中に見かけるたび、そろそろ作らなくちゃと、季節の移り変わりを感じるこの頃です。

【連載】キコの「かぞくの栞」を読む>>>

季子(キコ)

一児の母親。高校生のころ「食べたもので体はできている」という言葉と出会い食生活を見直したことで、長い付き合いだったアトピーが大きく改善。その体験をきっかけに食を取り巻く問題へと関心が広がり、大学では環境社会学を専攻する。

産後一年間の育休を経て職場復帰。あわただしい日々のなかでも気軽に取り入れられる、私にとっても家族にとっても、地球にとっても無理のない「いい塩梅」な生き方を模索中。

私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp

季子(キコ)

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