梅シロップといえば、中学生のころ祖母に飲ませてもらった梅ジュースが、とても印象に残っています。祖母によると曽祖母が生前作ったものらしく、長年地下室で保管されていたそれは、とろりと濃厚で、まろやかな梅の甘酸っぱさが口に広がる感じがたまらなく美味しく、忘れられない味でした。
毎年梅シロップを仕込むときに目指すはその味!なのですが、同じ風味を再現するのはなかなか難しく。
おそらく黄色く色付きはじめた梅で、お砂糖は黒糖かきび砂糖、そして数年冷暗所で熟成させる。
この条件が満たせたら、きっと曽祖母が作っていた梅シロップに近いものができるのではないか……と踏んでいるのですが、夏の終わりが近づくと、数本あった大ビンは気がつけばほとんど空っぽに。
今年こそ多めに作っておこう、と思うのですが、あればあるだけ飲んでしまっているのでした。
「みて!! しる(汁)でてきたで!!」
頻繁にビンをのぞき込み、梅シロップの様子を報告してくれる娘。
昨夏たっぷり、その美味しさを味わったからか、完成する日が待ち遠しくてたまらない様子です。
未だ幻のままの熟成梅シロップを実現すべく、今年はビンの一つを実家の押し入れにでも置いておこうか。
梅雨の湿気で汗ばむ体にスッキリとした梅ジュースが恋しく、夏を前に飲みはじめてしまいそうな予感から、早めに対策を取らねばと思うのでした。