大谷: 美術の先生になろうというような人が集まる学校ですよね?
古賀: ええ、そうです。
大谷: 古賀さんご自身にもそういうおつもりはあったのですか?
古賀: いや、あまりなかったですね。まあ、美術が好きだったことは間違いないですが、当時はまだ美術に対するそこまでの熱い思いはなかったですね。
大谷: 入学試験には実技もありますよね?
古賀: ええ、ありました。高校最後の体育祭が終わって受験ギリギリになって初めて画塾に2カ月ほど通いました。美術系の大学を受けようという人は何年も画塾に通うというのに、本当にひどい話ですよね(笑)。
大谷: 無事に大学に入学されてからはどんな感じだったんですか?
古賀: 1年間は油絵だったり、デッサンだったり、木工とか染色とか基礎的なことをいろいろと学んでいました。その中には焼き物もあって、そこで初めて焼き物に触れたんです。
粘土をコネコネして、水をかけたら溶けてしまうようなものが1300度くらいの炎を通すことで全く別のものに生まれ変わるんです。こんなに完成度の高いものになるんだということに感動しましたね。
学校に泊まり込んで20時間ぐらい焼くんですよ。窯を開けた時の感動、その最初の感動がいまだに鮮明に記憶に残っているくらいインパクトがあったんです。あ、これだ!と思って、そこからはずっと焼き物に取り組んでいます。
大谷: それは20歳くらいの時ですか?
古賀: そうですね。そのくらいでした。