(第3話)オーガニックエステとコスメの学校を開校 [連載企画]植物調合士・オーガニックビューティセラピスト 坂田まことさん
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(第3話)オーガニックエステとコスメの学校を開校

Photo=Yuji Nomura ©TRANSMEDIA Co.,Ltd

坂田さんは現役のセラピストでありながら「女性の新しい働き方」を創出するためのオーガニックビューティセラピストを育成するスクールを全国で展開。さらに自社オリジナルのオーガニック化粧品の企画・開発も行い、ご自身の子育てと両立しながら、女性の素肌と心を癒すために起業家として精力的に活動されています。

(第2話)に続き、エシカ副編集長・萱島礼香が坂田さんを訪ね、2015年に自宅の一室でオーガニックエステサロンを開業してから現在にいたるまで、次々と夢を叶えてきた坂田さんに、起業までの道のりや今後の事業展開、将来の夢についてお話を伺いました。

オーガニックエステとコスメの学校を開校

 

萱島: 坂田さんは気づきや行動が本当に早いですよね。その決断力を見習いたいという人も多いんじゃないかと思います。

 

坂田: それは今振り返ってみると、子どものおかげですね。

子供が産まれると必然的に選択肢が限られてしまうんです。

大手に勤めるとか大学に通うとか、そういう選択肢は私にはなかったですし、夜どこかに出かけるという選択肢もないとなると、家の中でできるのは学ぶことと伝えることしかなかったわけです。とにかくインプットしてアウトプットする。これしかできませんでした。

だからこそ悩んでいるだけの時間や迷っているだけの時間って、何も生み出してくれないからもったいないわけですよ。ただでさえ環境的にも社会的にも弱い立場の私たちは、行動して初めて誰かの印象に残ったり評価されたり、自分の存在価値を知ることができます。「行動」って、明日じゃなくて今すぐ起こすことだと思っているんです。

外に出かけて誰かと会ったり学校に通ってインプットすることが当時はできなかったので、家の中で情報を集める、本を読む、後はスクールに入ってオンラインで聞く、それを書き起こす、伝える、自分の知識に変える。この作業の繰り返しでした。

 

萱島: オーガニックコスメの知識はその時に培ったものが大きいんですか。

 

坂田: そうだと思います。あと、私が知識や技術をどこで覚えたかというと現場ですね。当時はオーガニックコスメやスキンケアに関連する学校とか本がなかったので、とにかくお客さんと話してひたすら覚えました。

今はオーガニックエステとコスメの学校を開校していますが、24歳の頃からいつかは自然派美容に特化した学校を作ろうと思っていました。家にいながらパソコン1つで学べる学校が当時はありませんでしたから。

 

萱島: オンラインで学ぶというのは今でこそたくさんありますけど、10年前はたしかになかったですよね。

 

坂田: 確かになかったですね。私たちが運営する美容学校がオンラインで1年間の授業を始めたのはすごく早かったと思いますよ。

私たちが運営する美容学校の特徴は10代のお母さんと学生さんには奨学金制度があることです。最初は負担金がなく学校に入れるんです。というのも、お金の壁で入れない人を取り残したくないと思ったからなんですね。社会人になったら月額1万円の分割支払いで払ってもらうんです。

でもその分割制度は、誰でも利用できます。

そこは平等に金額負担を軽減できる仕組みを作りました。誰もが豊かに使えるお金や時間を持ち合わせているわけではないことを、自分自身の経験から感じていたので「お金と時間の壁」を無くした学校を作りたいと思っていました。

いつしか地方でもオンラインで学びたいという人が増えて、今では北海道から沖縄まで地方校は全部で20校まで分校しています。

先生は元はみんなこの学校で学んだ生徒さんなんです。実技は地方の学校で学び、座学はオンラインで学ぶ、または自由が丘の本社に来てどちらも学ぶ。そんな今時のスタイルの学校がゆっくり確立されていきました。最近では対面なしで、マネキンとパソコンだけでオーガニックフェイシャルエステが学べる「オンラインクラス」も希望者が増えてきています。コロナだから、というよりも受講者が多様化してきたように思います。

誰でも「手に職」を持ちたいと思っているし、オーガニック・エシカルな仕事って魅力が溢れているんです。

ボディオイルジェル「ジョジョブル(Jojoble)」セミナー

 

萱島: 2016年の開校以来、すでに20校というのはすごいですね。学校ではいろいろな取り組みをされているようですが、サラヤさんとボディオイルジェルの「ジョジョブル(Jojoble)」のセミナーもやられているみたいですね?

 

坂田: ええ、先日オンラインでやらせていただきました。サラヤさんはとてもエシカルな企業さんで、生徒さんは全員サラヤさんのことを知っていますし、とてもいい勉強になったと思います。

「ジョジョブル」の主成分であるホホバオイルはほぼ酸化しない液状ワックスエステルなので、エステティックの世界ではものすごく需要が高いオイルなんです。サラヤさんの商品はよく知っていましたが、その開発の背景にある物語を知りませんでした。それで、よくよく話を聞いてみたらホホバの農場がエジプトにあって、ホホバを使ってエジプトの自然環境を救いたいというナビルさんという男性とサラヤさんが一緒に活動をしているんです。

萱島: 具体的には、どのような活動なんでしょう?

 

坂田: ナビルさんは砂漠ばかりのエジプトの環境を憂い、砂漠でも育つホホバに着目し、エジプトで初めてホホバの栽培を始めた方です。そのナビルさんのホホバによる新しい産業の創出と砂漠の緑化活動をサラヤさんが一緒にしているわけです。そのことを知って私は、個人と会社が手をつないだというストーリーが素晴らしいなと思いました。ナビルさんからすると世界にはそんなに人脈を持っていないけれど、エジプトの現状は知っている。そして、誰よりもそこに愛情を持ってやっている。それを日本から来た人たちがホホバの可能性を信じて、一緒に活動をしているというストーリーですね。

ホホバオイルというのはたしかに今ではどこでも見かけます。でも、ナビルさんが作るゴールデンホホバオイルというのはなかなか少ないのと、エステティックの世界においては酸化臭のしない油というのは施術者にとってものすごい安心材料なんです。一番の理由は保存が効くこと。未精製であるがゆえに、ごく微量に含まれる天然有効成分の効果により、植物油の中では絶対的に安定している油だということ。普通のエステティックサロンが使っているミネラルオイルの代替品になれるのが唯一ホホバオイルなんです。

そういうホホバオイルをベースに、サラヤさんが開発されたソホロという成分を組み合わせたインシャワーボディジェルがあります。もともとサラヤさんはソホロを使った「ハッピーエレファント」という洗剤を作っていて、私も使っています。

 

萱島: 「ジョジョブル インシャワーボディオイルジェル」は、バスルームで塗って洗い流すことで保湿ケアができるんですよね。

 

坂田: ソホロは界面活性剤の一種ですが、今までとは違う第3の界面活性剤なんですね。天然酵母の発酵から作られて、水と油を仲良くする性質を持っています。ソホロは洗剤にも使われていますが、その性質を使って、シャワーをすることで肌表面にホホバオイルの油膜を残すということを究極に突き詰めたらこれになったというわけですね。

ホホバは家庭で肌疾患を抱えている人が使う美容液として役に立ちます。エステの世界ではものすごい必需品なので、ミネラルオイルに代わる植物オイルになると思っています。「ジョジョブル」というブランドの社会的な価値が1人でも多くの人に伝わればいいですね。

ボディオイルジェル「ジョジョブル(Jojoble)」
https://jojoble.jp

(第4話に続く)

連載企画「植物調合士・オーガニックビューティセラピスト 坂田まことさん」全6回にわたってお届けしてまいります。

【連載】を読む>>>

坂田まこと
植物調合士 / オーガニックビューティセラピスト

1990年名古屋市生まれ。19歳で母親になり2015年に自宅の一室にオーガニックエステサロン「ORGANIC MOTHER LIFE®︎」を設立。5年間でフランチャイズ含めオーガニックエステサロン×コスメショップを全国6店舗、コットンハウス®︎エステスクールは全国20校に展開。2021年5月には宮崎県国富町に自社OEMを設立し地方創生に繋がる有機農産物残渣等を活用した「ORGANIC MOTHER HOUSE®︎ – 植物調合美容研究所 -」を開所し取り組み始める。主にオーガニックサロンやスクールの運営、化粧品の開発やコンサルをはじめ、書籍の執筆、美容セミナーやショップディレクションを務める。著書『私、ファンデーションを卒業する。』『料理をするように美しい素肌は作れるということ』(キラジェンヌ出版)がある。

ethica副編集長 萱島礼香

法政大学文学部卒。総合不動産会社に新卒入社。「都市と自然との共生」をテーマに屋上や公開空地の緑化をすすめるコミュニティ組織の立ち上げを行う。IT関連企業に転職後はwebディレクターを経験。主なプロジェクトには、Sony Drive、リクルート進学ネットなどがある。その後、研究機関から発足したNPO法人に参加し、街の歴史・見どころを紹介する情報施設の運営を担当した。2018年11月にwebマガジン「ethica」の副編集長に就任。

提供:サラヤ株式会社
https://www.yashinomi.jp

私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp

萱島礼香

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