(第22話)「時には、大掃除からはじまる休日も悪くない」【連載】かぞくの栞(しおり) 暮らしのなかで大切にしたい家族とwell-being
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(第22話)「時には、大掃除からはじまる休日も悪くない」【連載】かぞくの栞(しおり)

心身ともに健康で、社会的にも満たされた状態であることを意味する「well-being」。

一人ひとりがwell-beingであることが、社会や環境をより良くしていくことにつながるのだと思います。

では、「私にとって良い状態」ってどういうものなんだろう?

そのヒントは、意外と何気ない日常の中に散りばめられているのかもしれません。

新しく何かを始めるのも大切だけど、まずは身近な人や自分が「ごきげん」でいることから。

家族と過ごすなかで感じる、そんな一瞬一瞬を切り取って、綴っていけたらと思います。

家事の中でも草刈りや大掃除は、重労働

先日、海の近くにある親戚のおうちのお手入れに行きました。

普段は誰も住んでいないそのおうちは、年に数回、私たち家族や親戚が行く程度。

 

今回、ひと夏を空けて約4ヶ月ぶりに訪れてみると、お庭は草ボウボウ、駐車スペースも車を停める場所も無いくらい雑草がおおい茂り、おうちの中はホコリが積もって隅には蜘蛛の巣が……。

 

たった数ヶ月でも、人が訪れないとこんなことになるのかと、唖然としました。

 

とはいえ、これから数日間過ごすにあたってこのままではいられないので、早速大掃除。

鎌で草を刈り、おうちは隅から隅まで拭き掃除をしてカーテンは洗濯、布団は天日干しします。

 

娘も刈った草をせっせと竹箒で集めたり、雑巾を手に見よう見まねで床を拭いたりと、いい働きっぷりです。

 

時折現れる大きな蜘蛛や虫の死骸に「ひえーーっ」となりながらも、せっせと手を動かしていくうちにお庭はみるみる間に空間が広がり、おうちも風が通って息を吹き返してきたかのよう。

 

日暮れにさしかかるころ、ようやく一段落し、ホッと胸をなでおろします。

ぴかぴかになったお部屋で、窓に広がる海を眺めながらの夕ごはん。

しっかり働いたからか、ぐぅっとお腹が空き一口ひとくちがいつも以上に美味しく感じます。

 

家事の中でも草刈りや大掃除は、とっても大変な重労働。

 

ですが、ひたすらに無心で手を動かしていると、悩みごとなどでモヤモヤした気持ちがスーッと引いていき、終わったら心も体もなんだかスッキリするように感じます。

自宅だと他のやるべきことが気になったり、家族との時間の兼ね合いで思うように進まなかったりで、つい億劫に感じがちですが、いざ手を動かし始めれば、目に見えてきれいになっていく。その達成感は何ものにも代えがたいものがあるなぁとも思います。

 

今回はみんなで一斉に取り組んだこともあり、力を合わせればあっという間に快適な空間に仕上がるのかと、驚きと満足感もひとしお。

 

一時はどうなることかと思いましたが、充実した休日となったのでした。

ちなみに、到着した当初「マジか……」と驚きを隠せなかった夫も、すっきり片付いた後は「実は、こういう時間が必要なんやろな」とぽつり。

 

最近リモートワークでめっきり体を動かす時間が減って、運動不足を感じている夫。

太陽の光を浴びて汗をかき、無心で草刈りをする時間は思いのほか楽しく、気持ちもスッキリしていつもより眠りも深かったとか。

 

人一倍、家事労働に対しては腰の重い夫の口からそんな言葉が出るなんて……!

思いがけない収穫もあったのでした。

季子(キコ)

一児の母親。高校生のころ「食べたもので体はできている」という言葉と出会い食生活を見直したことで、長い付き合いだったアトピーが大きく改善。その体験をきっかけに食を取り巻く問題へと関心が広がり、大学では環境社会学を専攻する。

産後一年間の育休を経て職場復帰。あわただしい日々のなかでも気軽に取り入れられる、私にとっても家族にとっても、地球にとっても無理のない「いい塩梅」な生き方を模索中。

私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp

季子(キコ)

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