モデルを始めて20年になる、松島花さん。近年は保護犬や保護猫を助ける活動にも力を注ぎ、多くの共感を集めている。多忙な日々のなかで、大切にしていることや原動力となっているものとは? 松島さんがエシカルなライフスタイル「美と健康」「環境と社会」について語る。
食べたら動くーー自分に合うものを見つけ、続けていく
美と健康。これは、松島さんからあふれ出るナチュラルな美しさにも通じるものがあるだろう。まずは内面と外面の美を保つための秘訣について、お話を聞いた。
ーースタイルや健康を保つために、食について気をつけていることはありますか。
食事制限やダイエットはしないようにしています。食べることが大好きですし、お酒も楽しみます。無理な食事制限はストレスがたまり、気持ちがネガティブになってしまいます。
モデルの仕事は体力勝負。バランス良く食べて、運動することが内側からの健康美に繋がります。元々身体を動かすことが大好きなので、しっかり食べて、しっかり動く。これが私のスタイルです。
ーー食べることと同じくらい、運動も大切ですね。
この10年間は同じパーソナルトレーナーのもとで、トレーニングを週2回行っています。自分に合う運動と出会えたことで、自分の身体が出すサインに気づき、上手く向き合えるようになりました。食事も自分に取り入れたほうがいいものが分かってきました。20代よりも30代になった今のほうが心身ともに調子がいいです。
ーー自分に合う運動は心の健康にも良さそうですね。
私は運動ができない期間が続くと疲れが溜まってしまうので、運動することで身体も整い、心もスッキリします。運動をしなきゃ! と思うのではなくて、無理なく続けられる、自分に合った楽しんでできる運動と出会うことが大切だと感じています。
これまでウエイトトレーニングばかりしてきたので、今後はダンスなどの有酸素運動も取り入れていきたいと思っています。
ーー読者に向けて、手軽にできるおすすめのエクササイズがあれば教えてください。
携帯やデスクワークを長時間すると肩が内側に入り、首が前に出てしまう。それが姿勢の悪さに繋がります。街中を歩いていると、姿勢が良かったらもっと素敵に見えるのになぁと思うことがあります。姿勢を正すために肩骨格を大きく回したり、ハンドタオルを両手で突っ張って持ち、上下に動かしたりするのもおすすめです。これだけでも、翌朝の調子が良くなりますよ。
自分にできることは? 犬や猫の保護活動への想い
猫が大好きという松島さん。3匹の保護猫と暮らしながら、保護犬や保護猫を助ける活動にも熱心に取り組んでいる。Instagramでは松島花オフィシャル(@hana_matsushima_official)とは別に、「松島花アニマル(@hana_matsushima_animal)」というアカウントを立ち上げ、2018年4月から情報発信をスタート。
同アカウントのプロフィール欄には「助けが必要な猫や犬の命を繋ぐ活動を頑張っていらっしゃる個人・団体の方を応援・フォロー・リポストさせて頂きます。私にできることを精一杯やっていきたいと思います」とある。多くの共感が集まり、フォロワー数は6.1万人に達した。
ーープライベートでは、犬や猫を保護する活動を長く続けているんですね。
元々、母が野良猫たちのTNR(Trap Neuter Returnの略称)活動を行っていました。外猫に餌をあげるだけではなく、避妊去勢手術をして元の場所に返すボランティア活動を行っていたので、その手伝いをしていたんです。小さい頃から、日本には殺処分がある現実や保護猫・保護犬という存在がいること、ペットショップなどで命をお金で買うことはおかしいと教えられてきました。高校生の頃には、殺処分ゼロを訴えるポスターをスタジオやカフェなどに置いてもらう活動もしていました。
ーーそこからSNSでの情報発信を始めるまでの道のりは?
20代になり仕事がより忙しくなったので、活動から一時離れてしまっていました。そんななか8歳から20年間一緒に過ごした愛猫が亡くなり、心にポッカリと穴が空いてしまったんです。Instagramで保護猫・保護犬の写真や動画を見る毎日の中で、私が高校生の頃よりも殺処分の数は減っていたものの、昔と同じような現状を目の当たりにしました。
今の私なら拡散力という面では、少しでも役に立てるかもしれない。一生懸命活動してくださっているボランティアさんのお手伝いがしたいと思いました。命の問題ですし、生半可な気持ちでは出来ない。実際に始めるまではとても悩みました。
ですが、「ペットを飼う=ペットショップで買う」という選択しか知らない方がまだまだたくさんいるのも事実。殺処分間近な子たちが毎日のようにいることを、もっと多くの方に知って欲しい。松島花アニマルでは、里親募集やボランティアさんの紹介、動物に起きている問題、私の活動への想いや考えを発信させて頂いています。
ーー実際に活動を始めてみて、どんな反応がありましたか。
最初から応援してくれる人ばかりではなかった。批判されたり、間違いを指摘されたり、モデルの片手間でやらないでほしいなどと言われることもありました。でも、そういったことを言われる覚悟は持って始めましたし、私なりに本気だということを伝えていくためには、活動を続けていくことで分かってもらうしかありません。
モデルを本業としている以上、いろんな企業やブランドと関わるので、自分のなかでは葛藤もまだまだ多いです。
ーーさまざまな葛藤があったんですね。
犬や猫は大好きなのに「動物愛護活動」というと難しいテーマに捉えられがち。なおかつ、完璧を求めようとすると一向に広がっていきません。
0(ゼロ)か100ではなく、自分にできることを見つけて続ける、それでいいのではと感じています。みなさんが何か行動するきっかけになってくれたら嬉しいと思い活動を続けています。
ーーとは言っても、新しいことを始めるのは「こわい」と感じる人も多いのでは。
知識がしっかりあって、自分が完璧になってからでないと! と思うと何も行動に移せなくなってしまう。まずは無理せず、自分のできる範囲で継続することが大切だと思います。私は動物愛護ですが、食、環境のことや子どものことなどさまざまな課題があります。
知らずにいるよりも、知ってから何もしないということがもっと「こわい」と思っています。関心を持ったことに自分なりに一生懸命向き合っていきたいですね。
無理せずに、自然体で続けられることを継続する
サステナブルやエシカル、SDGsなどの言葉とともに、環境や社会に配慮する動きが加速している。たとえばファッション界では、動物の毛皮を素材とする「リアルファー」ではなく、フェイクファー(エコファー)への注目がこの数年さらに高まっている。
ーーかなり早い時期から、フェアトレードのアイテムを取り入れていますよね。環境や社会に対する感度が高いという印象を受けます。
日々の暮らしでは、マイボトルのタンブラーやエコバックを持参したりし、使い捨てのプラスチックは極力控えるようにしています。ファッションで愛用しているのは「SAVE THE DUCK」のダウンです。無駄な買い物をしないようしっかり吟味するように心がけています。
ーー今回、「やさしい世界を、身に着ける。」がコンセプトの、和紙を使用したインナーウェア「ワコール ナチュレクチュール」のプレゼントがあります。
(キャミソールを手に取って)色合いがとても素敵です! 今注目されているニュアンスカラーですね。つけごこちが軽やかな印象で、それにデザインがとてもかわいい! ぜひ上下で着てみたいです。
ーー下着について、普段から意識していることはありますか。
下着を選ぶときに最も大切にしているのは、つけごこちですね。素材にどんなものを使っているか、しめつけ具合がないかなどを確認します。でも、試着しただけではわからないことも多い。実際に使ってみて気に入ったものに出会ったら、色違いで同じものを何枚も買うことも。ひとつのものを長く愛用することもよくあります。
ーー松島さんにとっての「私によくて、世界にイイ。」ことは?
「自分にできることを続けること」です。小さなことでも一人ひとりが継続することで、やがて大きな力になると信じています。動物にとって、環境にとって、子どもたちにとって、幸せな未来になるように。
モデルの仕事を始めて20年。長い間続けることができたのは、家族や周りの人たちのサポートのおかげだと改めて感じる毎日です。これからも感謝の気持ちを忘れずに、自分にできることを続けていきたいです。
Wacoal [Nature Couture](ワコール[ナチュレクチュール])
<撮影協力>
・フォトグラファー:伊藤彰紀
・スタイリスト:木津明子
・ヘアメイク:平元敬一
・コーディネーション:TRANSMEDIA Co.,Ltd
<商品に関するお問い合わせ>
ESTNATION [エストネーション]
0120-503-971
松島花 / モデル
1989年、東京生まれ。11歳のときにスカウトされ、モデル活動をスタート。数々の女性誌やファッション誌でモデルとして活躍する。大手企業のCMやテレビ、イベントなどに多数出演。近年は保護犬・保護猫活動にも力を入れている。2021年より光文社『CLASSY.』のカバーモデルを務めている。
文・松橋佳奈子
早稲田大学理工学部建築学科卒。企業とNPOにてまちづくりの仕事に携わり、バックパッカーとしても35カ国を訪問・視察し、世界各地の風土と食文化について考察を深める。登録ランドスケープアーキテクト(RLA)と国際薬膳師の資格を取得。現在は「ethica(エシカ)~私によくて、世界にイイ。~ 」の他、食やエシカル、ソーシャルビジネスについての執筆活動を行っている。
構成・大谷賢太郎
あらゆる業種の大手企業に対するマーケティングやデジタルの相談業務を数多く経験後、2012年12月に『一見さんお断り』をモットーとする、クリエイティブ・エージェンシー「株式会社トランスメディア」を創業。2013年9月に投資育成事業として、webマガジン「ethica(エシカ)」をグランドオープン。2017年1月に業務拡大に伴いデジタル・エージェンシー「株式会社トランスメディア・デジタル」を創業。2018年6月に文化事業・映像事業を目的に3社目となる「株式会社トランスメディア・クリエイターズ」を創業。
創業10期目に入り「BRAND STUDIO」事業を牽引、webマガジン『ethica(エシカ)』の運営ノウハウとアセットを軸に、webマガジンの立ち上げや運営支援など、企業の課題解決を図る統合マーケティングサービスを展開中。
特集企画連載「やさしい世界を、身に着ける。」
提供:株式会社ワコール
https://bit.ly/3Ba7rMo
私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp