禅語のひとつに「喫茶喫飯(きっさきっぱん)」という言葉があります。
意味としては、「お茶を飲むときは目の前のお茶を飲むことに集中し、ごはんを食べるときは目の前のごはんを食べることに集中しましょう」というもので、無心にひとつの行為をすることの大切さを説いています。
当たり前のようなことですが、あれもこれもとやることがある状態のなかで、しっかりと、いまここだけに意識を向けるというのは、思いのほか難しいものです。
娘の姿を見ていて思うのは、子どもは本当に、いまこの瞬間を生きているなということ。
そんな娘にとって、身近な大人がごきげんにいまここに気持ちを向けているのか、あるいは心ここにあらずなのかは、とても大きく影響していることを感じます。
一方で、四六時中向き合うのは難しいのも現実。
ひとつのことだけに集中するのが難しく、すぐ別のことが頭に浮かび落ち着かないことも。
あらためて普段の自分の行動を振り返ると、食事をするとき、お風呂に入るとき、娘の相手をするときなど、ついつい片手間で何かをしたり(スマホを見たり……)頭の中で別のことを考えたりしがち。
ひとつのことだけしかしないのは、もったいないという感覚が強くあることを感じました。
効率のよさを求めることで得られる時間や気持ちのゆとりがあることも確かで、それぞれのよさを自分にとって心地よいバランスで大切にできたらいいなと思うこのごろです。